※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 湯冷めた頃に 9 ~
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「流すよ」
数分前にもこの台詞は聞いた。なんて思っていると、頭からシャワーを掛けられた。
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「最後に洗顔だっけ?」
頷くと、流石にそれはわたし自身にやってもらうしかないと思ったのか、自分の体についた泡をシャワーで流して、雀ちゃんは一足早く浴槽へ体を沈めた。
わたしはすずめちゃんにアソコを除く下半身を洗ってもらった。そしてこれから洗顔をして、彼女の待つ浴槽へ行く。……そうしたら、多分、本格的に始まる。
これから起きる事を予想してしまうと、バクバクと心臓の音が耳にうるさい。
わたしはそれに気付かないフリをして、泡立てネットを手に取った。
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洗顔なんて3分もあれば十分終わるもので、顔についた泡を洗い流して、わたしは雀ちゃんの待つ浴槽へ向いた。
待ってましたと言わんばかりに、浴槽の端へ寄って、入るように促す彼女に従い、片足ずつ浴槽へと差し込む。
一人暮らしの部屋なので、そこまで広い浴槽でもない。足は伸ばせないが、ひとりで入るには十分。けれど二人で入るとなると狭い。そんな印象の浴槽に二人向かい合わせで体を沈めた。
「念願の体は洗い終わった?」
念願、というと大層な言い方だけど、そう言われてもおかしくないくらい、シャワー浴びさせてと懇願していたかもしれない。
だって、好きな人に抱かれている最中に、くさい汚いとか思われたら嫌だもの。
揶揄うような雀ちゃんの物言いに、わたしは「ありがと」と言いながらお湯を掬って意地悪な彼女の顔に掛けた。
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照れ隠しの攻撃を受けた雀ちゃんの目がギラリと不穏な光を放つ。
それと同時に、こちらへ伸びてきた手に腕を掴まれてしまう。
顔にお湯を掛けるのは失敗だったか、と今更悔やんでも仕方がない。
わたしは唇の端を持ち上げる彼女が近付いてくるのをじっと見つめた。
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わたしの腕を掴んでいた雀ちゃんの手が、その力を弱めて、スルリと手の平同士を重ねてきた。指を絡め、ぎゅっと握ってこられると、年甲斐もなくやはり胸がときめいてしまう。
そのまま後ろへ追いやられて、背中を少し倒せば浴槽に寄り掛かる。膝立ちになった雀ちゃんは優しく覆いかぶさるようにして唇を重ねてくれた。
小さく音を立てながら唇を啄んでくる雀ちゃんが、指を絡め握りあっている手を浴槽のフチに押し付ける。
「もう、待てないからね」
キスの合間、呼吸の間に低く囁かれて、脳と、下腹部がジンと痺れた。
なにかを言い返す暇もなく再び、奪うように重ねられた唇。
雀ちゃんは待てない、と言うけれど、それはわたしも同じ事なのに。貴女ばかりが欲しがっている訳じゃないのよ。わたしだって、雀ちゃんが欲しいの。
そう伝えたくて、指を絡めていた手にぎゅっと力を込める。
それでもまだ足りないと思って、反対の手で彼女のうなじを引き寄せるよう抱いてみた。
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うなじを引き寄せると、雀ちゃんがピクリと反応した。これだけ密着していると、相手が何に反応したのか、何に弱いのか、手に取るように分かってしまう。
薄く開いた唇から舌を覗かせて彼女へと僅かに伸ばす。すぐに己の口内へ迎え入れてくれた雀ちゃんとそれ同士を絡めて唾液を交わしながら、うなじに這わせていた手で彼女の頭をかき抱く。
雀ちゃんは髪を濡らしていないから、わたしの濡れた手が少しだけ髪に絡みつく。痛くないようにと、ゆっくりと彼女の髪をかき分けながら進んでは指をクシャリと曲げてやさしく掴む。
「は……っ、なに、それ。すごいエロイ手つき」
興奮を隠せないのか、早くも息を乱しかけた雀ちゃんがキスの合間に告げ、噛みつくようにまたキスしてくる。
先程うなじでピクリと反応を見せた彼女の事だから弱いのだろうと思っていたら、予想的中。後頭部からうなじにかけて、弱点のようだ。
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男の人とでも、女の人とでも、セックスをするとき。される側でも、セックスを盛り上げることが可能だとわたしは思う。
なにも、下で寝転がっているだけがされる側の仕事ではない。
快感を与えてもらうだけではなくて、時には相手にも快感を与えたり、受け取った快感はこんなにも気持ちいいんだとアピールするように意図的に腰をくねらせ嬌声をあげてみるのも、される側のやるべき仕事ではないかと思う。
まぁ何もとことん演技をしろという訳ではないけれど、出来る範囲で相手の興奮を煽るようにしてみても良いのではないかと思っているのだ。
なんて勝手に思っているのだけれども、それはあながち、的外れな事でもないような気がした。
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「愛羽さんがエロすぎて、止まんないんだけど」
キスを解いて、荒い息と共にそう訴える雀ちゃんが見下ろしてくる。その瞳にはまるで沸騰した湯のような、マグマのような、沸々とした欲情が見え隠れしている。
女として求められる事の喜びに体が疼いて、わたしは目を細める。
彼女の後頭部へ回していた手にくぃと力をいれて、雀ちゃんを引き寄せながら、挑発的に囁いてみせた。
「誰が……止めて欲しいって言ったかしら?」
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