※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 湯冷めた頃に 7 ~
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「そこ…っ…だ、め…ッ」
「そこがいいって訂正して欲しいなぁ」
だって、こんなに体、ビクビクしてるし。
雀ちゃんは甘ったるい声で付け加えながら、ボディタオルを持つわたしの身体を指先で撫でた。
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彼女が思いついた悪戯は、わたしの要求をすっかり呑む形で叶えられた。
わたしの要求とはすなわち、体を洗いたいというもの。わざわざ雀ちゃん自らボディタオルを手に取って、ボディソープをそれに塗布して泡立てて、わたしの手に渡してくれた。
「洗っていいよ」
「……い、いいの?」
それまで今すぐにでも始めたいと訴えていた彼女の変わりように、戸惑う。けれど、まごついている暇はない。素直に、渡されたボディタオルを首にあてた。
その時。
「待てが出来るかどうかは、わからないけどね」
意地悪を帯びた声が、背後から投げつけられた。
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「あっ」
先程までわたしを後ろから抱き締める形だった雀ちゃんは、ボディタオルをとってくれるときに密着を解いていた。だから、今、わたしの体に触れているのは、彼女の右手。親指を除く4本の指だけだった。
首元を洗っているわたしのお尻を脚の付け根辺りからゆっくりと撫で上げた。若干、彼女の手に残るボディソープがその滑りを良くしていて、普段触られる感じとはまた少し違った感覚が与えられた。
思わず手を止めて、後ろの雀ちゃんの顔を振り返って、にらむ。けれど彼女はどこ吹く風。わたしのにらみを受け流すように見返して、軽く首を傾げてくる。
「体洗わなくていいの?」
「あ、洗うけどっ」
言い返して、首から肩へとボディタオルを移動させた。
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後ろばかり見ながら体を洗うのも、体勢的にきつい。
彼女をにらむのをやめて、肩から腕を洗う。流れで脇、脇腹、胸、お腹、と擦っていくと、後ろから不満そうな声。
「そこはさっき洗ったのに」
「るさい」
あれが洗った、と言えるだろうか。いや言えないでしょ。あれはれっきとした愛撫だった。
実際……気持ち良かったし……。なんて考えた瞬間、お尻に当たっていた4本指がまた動き始めた。
「ンッ」
また後ろをにらみながらも、何とか反対側の脇腹、脇、肩、腕へとボディタオルを滑らせていく。
やっぱりわたしのにらみをものともしない雀ちゃんは、口元に薄い笑みまで浮かべながら、指で円を描くようにお尻を撫でまわす。そのゆっくりとした動作と、時折爪を立てる感触に腰の奥に熱が集まるのを感じてしまい、自分自身のいやらしさに顔が熱くなる。
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「ほら、貸して?」
「え…?」
「背中、洗ってあげるから」
雀ちゃんの指の所為で、体を洗う手が止まりかけていた時、彼女にボディタオルをそっと奪われた。
また雀ちゃんの事だから洗ってあげるというのは建前で悪戯するんじゃないか、と危惧したけれど、意外にも彼女は大人しく背中を擦ってくれて、あっさりとわたしの手にボディタオルを返却した。
手に戻ってきたそれを見下ろしていると、いつの間にまた触れさせていたのか、お尻で指が蠢いた。
「なに? 悪戯して欲しかった、みたいな顔してるけど」
「しっ、してない……!」
「どうかなぁ、意識は確実にしてたみたいだけど?」
喉の奥で楽しそうに笑いながら、今度は両手でお尻を撫で始めた雀ちゃん。両方の丘をそれぞれの手で広げるみたいに外回しに撫でるもんだから、恥ずかしい所がぱっかりと姿を見せてしまいそうになる。
思わずお尻に力を入れて、きゅっと締めると、けらけらと笑い声。
「器用だね」
お尻を締めるとか誰でもできるわよっ、と言い返したいけどそれはぐっと我慢して、わたしは彼女の手を振り切って、くるりと体の向きを変えた。
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向き合う形になれば、お尻にイタズラもできないでしょ、と思ったのだけれど……。
どうやらわたしは甘かったみたい。
「ふぅん? そんなに触って欲しかったんだ?」
ニンマリと唇の端を持ち上げた雀ちゃんの目が、笑っていない。いや、笑ってはいる、嗤っては。ただその瞳に意地悪がたくさん潜んでいて、わたしの背中を冷や汗がおりていった。
マズイ、と思って後ろを向き直そうとした瞬間には、両手で両胸を捕獲されて、動きが取れなくなる。
「そんなに胸触られるのが良かったの? えっちだなぁ、愛羽さんは」
でもそんな愛羽さんがスキだよ、と笑みを絶やさない雀ちゃんの手も、動きを絶やさない。新しく追加されたボディソープの泡を撫でつけるように乳首を指先で弄る。
「んっ、ぅン」
「あぁ可愛い声。もっと聞かせてほしいな」
「……っさい」
「罵倒している暇があるなら、早く体洗った方がいいよ? もうそろそろ、こっちも待てなくなっちゃうかもしれないし。ね?」
見下ろしてくる瞳が、あまりに色っぽくて、たじろぐ。
こんなに過敏に色気や快感に反応を示してしまうなんて、雀ちゃんに負けず劣らず、こちらも我慢の限界が近いのかもしれない。
手にしていたボディタオルでお尻を擦って、直後、気が付く。
彼女の視線を感じながらも、体の中心を洗わなくてはいけない状況なのだ、と。
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