隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ 6話


※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ 湯冷めた頃に 6 ~

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 コンディショナーを洗い流したシャワーのお湯が排水口へ吸い込まれていった後、ヒヤリとした雀ちゃんの手が、わたしを背後から抱き締めた。

「まぁ、こういう場合はやっぱり素手だよね」

 笑みを含んだその声が、すぐ後ろからエコーを掛けて変態的な事を伝えてきた。

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 わたしの体がお湯で濡れているから雀ちゃんの手がこんなにも滑りが良いのかと思った。でも、それは違うみたいで、やけに冷たい手の原因は、ボディソープだった。

 背後からお腹に押し当てられた両手にはたっぷりとボディソープが塗られており、それを伸ばすようにおへその周りからヌルヌルと手が這いまわる。
 でも当然、その手はお腹以外の場所にも行く訳で、やっぱり予想通りに、お腹からまっすぐ上へ向かった。

「待っ」
「たなし」

 わたしの言葉を遮り、引き継ぐようにして意地悪に言い放った雀ちゃんの顔は多分、ていうか絶対、いじわる一色だと思う。
 下から掬い上げるように乳房を手の平で押し上げては、指と指の谷間に少し固く尖ったそれを引っ掛けて弾く。
 奥歯を噛みしめて声を我慢したわたしの耳に背後から笑う気配が届いた。

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「愛羽さんの胸、こうやって毎日洗いながら揉んでたらもっと大きくなるかな」
「これ以じょ、い……らない」

 むにゅり、むにゅり、と何度もその感触を楽しむように下から持ち上げる雀ちゃんの言葉に反抗する。
 いや、こういう状況だから反抗してるんじゃなくて、本当に、これ以上胸が大きくなると邪魔だと思う。今でさえDカップあるのに、これ以上大きくなったら体重だって増えそうだし、肩も凝りやすくなりそうだし。いらないいらない。

「大きい方が揉み応えあって楽しいんだけど」
「これ、でガマン、して」

 声が途切れかけるのは、雀ちゃんの指が乳房から標的を変えて、随分と固くなった尖りをいじめ始めたからだ。

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 ぬめりのある指が尖りを小刻みに震わせるように弾いて、思わず、小さく声が漏れた。
 実際問題、胸への愛撫で感じるのは、乳房じゃなくて、乳首だと思う。他人にこれを聞いた事がないので万人に共通する感覚かどうかは分からないけれど、わたしとしては、膨らみを3分揉まれるよりも、尖りを1分弄られた方が、声が漏れるし、腰が疼く。

「我慢なんて必要ないよ」

 それが、わたしの喘ぎ声に対するものなのか。それとも、胸の大きさの話に対するものなのか判断がつかずに、わたしは低く唸った。
 けれど、尖りを弾かれて、すぐに上擦った声が出てしまうのだけれど。

「今の愛羽さんの胸で十分、満足してるから」

 だったらどうしてさっき、胸を大きくしようかなんて発言をするのか。口ではそう言うくせに、もっと胸が大きい女のほうがいいとか思っているんじゃないでしょうね。
 内心、むっとしていると、親指と人差し指が、尖りをキュッと摘んだ。

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「ク、ぁっ」

 強めに摘ままれ生まれた快感が、口から声を漏らさせた。浴室で反響する自分の声が耳に届くと、羞恥にカッと頬が染まった。

「全身、くまなく、洗わないとね」

 そんな事を言うくせに、その手はくまなくではなく、集中的に、尖りを摘んだり、転がしたり、弾いたり、そこばかりをいじめる。
 誰がどう見ても、その手付きは洗うではなく、愛撫、だった。

「ン、ぅ…んんっ」

 口を引き結ぼうが関係なく、快感の声が漏れてしまう。
 ボディソープでヌルリと滑る感覚がいつもと違った快感を生み出して、困惑する。

 ――こんな、お店、みたいな。

 男の人が利用するそういう事を目的として行くお店。もちろんそこに行った事はないけれど、どこからだったか仕入れた情報で、ヌルヌルのローションを使ってビニールマットの上でプレイする、と知った。
 流石にビニールマットはないけれど、ヌルヌルしているしこれはまさに、そのプレイか。そんなお店みたいな行為を、今自分がされているのかと思うと、羞恥心が増幅させられる思いだった。

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 わたしの胸をいじめ続けていた雀ちゃんが、「あー…」と声をあげた。背後から耳と首に掛かる吐息に鳥肌がたつ。

「可愛い……」

 言外に、もうたまらない、と含めるように零した雀ちゃんの手が胸から下へと伸びていく。その行先は大体想像がついて、とっさに、わたしは彼女の手の甲に自分の手を重ねて引き留めた。

「なに?」
「だ、だってまだ体洗ってないからっ」

 雀ちゃんが体洗うと言ってボディソープを塗りたくったのは胸とお腹だけだし。
 これじゃあお風呂で体を洗ったとは到底言えない。

 背後を首だけで振り返って、雀ちゃんに体をちゃんと洗わせてもらえるように目で訴える。
 しばらくの間があって。

「仕方ないなぁ」

 目を細めながら言った彼女の顔には、”いたずらを思いついたよ”と書いてあった。

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