隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ 23話


※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ 湯冷めた頃に 23 ~

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「あ」

 何かに気付いたみたいに、雀ちゃんが声をあげた。

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「今、ナカが締まった」
「っそういうことは言わなくていいから…ッ」

 しかも、嬉しそうに。
 そんな無邪気な顔されると、つい、可愛いななんて思って油断してしまうから駄目なのに。

 にひひ、と笑う雀ちゃんが笑みを引かせて、わたしの唇を奪う。二度、三度と角度を変えて啄んでいくうちに、憩いの時間が自分の役目は終わったとばかりに、どこかへ姿を消していく。

「だって」

 キスの合間を縫って、雀ちゃんが囁く。

「私の指で気持ち良く出来てると思ったら、嬉しくて」

 笑顔の言い訳をして、わたしのナカが締まるような事を言う彼女が、やっぱり好きだなぁと再確認させられる。

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 こんなふうに、態度や言葉の端々、表情で好意を示されると胸が熱くなる。熱くなった胸はそのあと、苦しいくらいに締め付けられる感覚を覚えて、どこか切ない。

 キスを繰り返しながら、雀ちゃんから小さく笑みが漏れた。その理由は多分、さっきと同じだろうから、意図的に無視してやる。だって今、唇を自由にさせたら、「また締まったよ」とか言って、からかうに決まってる。

 だから、離してやらない。

 雀ちゃんのうなじに手をあて、引き寄せ、わたしはより深いキスを強請った。

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 わたしの要求に応えてくれながら、雀ちゃんが下にある手を動かした。
 いや、違う。
 指を、動かしたのだ。

「ふっ、ン…ッ」

 口を塞がれていて上手く喘げない。
 身体に走った快感の電撃に思わず、彼女のうなじにあてた手で、爪を立てる。

「ン、んんっ」

 さっきは自分からキスを強請ったのに、今度は唇を解放して欲しい。我ながら自分勝手だなぁと思うけれど、うまく呼吸をさせてもらえないと酸欠みたいになって、非常に苦しいのだ。
 ただでさえ、のぼせる寸前なのに、このままでは自分の身体が沸騰して死んでしまうのではないかと思う。

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 どうにか願いが通じたのか、雀ちゃんがキスを解いてくれた。当然のように二人混ざり合った唾液が垂れるけれど、今はそれを気にしている場合じゃない。
 酸素を貪るように解放された口で呼吸する。

 でも、その間にも、雀ちゃんの指は蠢いて、わたしの内壁を刺激して、快感を強制的に与えてくるのだ。

「ヤッ、あ……待って、んぅっ」

 喘ぐ声を抑えるなんて、無理な話で、浴室に木霊する自分のそれに、また身体が熱くなる。
 けれど、何よりもわたしを熱くさせる雀ちゃんの指は、やはり容赦がない。

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 三本に増えたことで、指の動かし方のレパートリーも増えたのかもしれない。
 さっきよりも速くて、小刻みな振動をわたしの内壁に与えるその手指が、絶頂をどんどん引き寄せる。

「待っ、や、ぁっ…むりっ」
「駄目。待たないし、無理じゃないよ」

 イヤイヤと首を振ってみても、雀ちゃんはわたしを熱い瞳で見つめたまま、甘ったるく言う。

 恥ずかしいから間近で見ないで、とか。
 もうイキそうだからちょっと待って、とか。
 爪立ててごめんなさい、とか。

 色々と伝えたいことはあるんだけれど、わたしの口から出せるのは嬌声ばかり。

「あー、も、凄い可愛い」
「やぁっ、ン、はぁ…っ」

 可愛くない、も、るさい、も言い返せなかった。

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 お湯の中にいるのに、身体を悪寒にも似たゾクゾクが這い上がってくる。
 背骨に添うみたいにして腰よりもう少し下……尾てい骨くらいからズズズと昇ってくるそれは、どれだけ熱湯に浸かったとしても、緩和される事はないだろう。

 何か、根本的に種類の違うその悪寒が強くなればなるほど、わたしは絶頂を近くに感じる。

「ヤ、ァ……ッ」

 声にならない声が喉から出るようになってきた。こうなると、もう、すぐだ。
 呼吸は乱れに乱れ、肩と胸は激しく上下して酸素を求める。きちんと酸素を取り込んでいないとすぐに酸欠になってしまうレベルだ。

 雀ちゃんの指がナカで、ざらつくその壁を三本の指でいじめる。
 それだけでも、もう十分過ぎるくらいに気持ちいいのに、更に彼女は、わたしの蕾を反対の手の指で、捉えた。

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 彼女の指が蕾に触れた感覚にハッとして、いつの間にか閉じていた瞼を開ける。
 雀ちゃんをみれば、炎が燃え上がる瞳でわたしを見つめて、熱に浮かされたみたいだった。

「愛羽さん」
「だめっ、それされたらっ」
「イッて」

 充血しきった蕾を雀ちゃんの指が押し潰すように摘んだ。それと同時に、ナカからGスポットをきゅうぅっと押し上げられて、わたしの視界が白く弾けた。

「あっアアアッ………っ!」

 上擦る声。最後は音にならない声になっていて、喉が引きつるようだった。
 そんなふうに思い切り声をあげたにも関わらず、快感を逃がしきれずに暴れたくなるような強い衝動が身体を渦巻く。

 もう、無理。弾ける。と思った直後には、コントロールできなくなった身体がビクン、ビクッと跳ねて、ナカでは雀ちゃんの指をぎゅうぎゅうと締め上げた。

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「~~~っ、はっ、ぁっ、はぁっ、はっ……はぁ…っ」

 詰めていた息を解いて、呼吸を再開させても、身体の痙攣は快感を思い出したみたいに、時折びくっと起きる。
 快感以外なにも考えられない数十秒が過ぎ去ってから、やっと雀ちゃんの顔に焦点を当てた。

「大丈夫?」

 心配そうにこちらを窺う雀ちゃんのせいでこうなっているんだけど、と思う一方で、心配してくれる彼女の優しさに胸がきゅっとなる。

「あ、締まった」
「…っさい……!」

 どうも直結している心と膣に内心舌打ちしたい気持ちで、わたしは雀ちゃんの顔にお湯をひっかけた。

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