隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ 21話


※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ 湯冷めた頃に 21 ~

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 罠に嵌ったわたしに与えられたのは、甘美な褒美。

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 わたしが見下ろしていた彼女の瞳が、大きく揺れて、それを瞼がゆっくりと噛むように覆い隠す。
 そして、覆いが外された瞳は、飢えた獣のようにわたしを射貫いた。

「その言葉が聞きたかった」

 囁く声だけど、熱の篭ったそれがわたしの耳を打つと、うなじが粟立つ。
 これから起きることは、分かりきっていて、その期待に身体は痺れた。

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「挿れて欲しい?」

 ピタリとそこへあてがわれた指が、雀ちゃんの言葉と共に、少しだけ入ってくる。
 多分、爪の生え際くらいまで入った。

 それだけでも、子宮は痛いくらいにキュウキュウと収縮しているし、腰に熱は溜まって疼くし、堪えるだけでも大変だ。
 喋っている余裕なんてなくて、雀ちゃんの問い掛けにコクコクと小さな頷きを返すことで精いっぱい。

 そんなわたしを見上げて、満足そうな色を瞳に浮かべた雀ちゃん。

「可愛い。身体触られてもないけど、ゾクゾクしてくるくらい、可愛いよ」

 愛羽さん。と、わたしの名を囁きながら、わたしの顔を見つめながら、彼女の指が、一気に、ナカを貫いた。

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「ッアアア…ッ!」

 あまり大きな声を出しては周りの家に迷惑だとか、そんな事は考えられなかった。
 身体を貫いた指が与える快感は、わたしには大きすぎて、その快感に比例するくらい大きな嬌声が浴室に響いた。

 喘いだ直後、呼吸さえできなくて、息を詰めて、身体をビクビクと痙攣させる。
 雀ちゃんには「見ていて」と先程言われていたけれど、その任務を遂行できずにぎゅっと閉じた瞼の裏が白くスパークするみたいに点滅して、やっと気付く。
 快感が大きすぎて、達してしまったらしい、と。

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 どのくらい息を詰めていたのだろうか。

 今のわたしの時間感覚なんて頼りにならなくて、1秒なのか、3秒なのか、10秒なのかも分からない。

 やっと呼吸を再開させて、なんとか思考が回り始めて、よく、この座っている浴槽の縁から落ちなかったなと思った。

 それはどうやら雀ちゃんも考えたようで、わたしの呼吸がある程度落ち着いてくると、わたしの身体に回していた片腕で支えながら、浴槽の中へと場所を移動させた。でも、その移動中雀ちゃんの指は入ったままで、内壁を擦られて、またビリビリと身体が痺れてしまうのだった。

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 浴槽の中でその壁に凭れて、両脚を開いて、その間に雀ちゃんが膝立ちになる。

「狭いね」

 なんて言って苦笑する雀ちゃんだけど、この狭さだって、多分、彼女は器用にわたしに絶頂を迎えさせるんだろうなと思う。
 それは今までの経験からも予測できるし、それ以上に、焦らされて焦らされてやっと挿れてもらえた指に一度貫かれただけで達してしまった自分の身体のコンディションをみてもそう思うのだった。

「あんまりぐちゅぐちゅかき回すと、お湯がいっぱい入るからやめとくね」

 わたしを一度イカせたせいでか、雀ちゃんの瞳がすこし柔らかい。声音もそれに比例していて、わたしの身体を気遣ってくれているのだと分かる。
 けれど、一度イカせたくらいでは止めないと宣言されているようで、わたしは喉の奥でちょっと唸った。

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「愛羽さんが可愛いすぎて、今ので止めるとか無理だから」

 心を読まれたのか、そんな事を言う雀ちゃんの顔が近付いてきて、キスを誘われる。迎えるように顔をあげて口付けると、すぐに下の方で彼女の指が蠢く。

 ナカへお湯が侵入することを心配してくれていたけれど、一体どうするんだろう。
 ベッドでするときはやっぱり、ピストン運動は必須だったのだけれど…。なんて考えていると、まるでその答えを教えてくれるように、雀ちゃんの指がピストン運動をすることなく、わたしの身体に快感を与えてきた。

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 ―― 一体、どうやって。

「んっ、ぁ……」

 ナカに入った指がどんな動きをしているのか、視覚で捉えることはできないけれど、彼女の指に吸い付くように寄り添おうとする内壁が代わりに教えてくれる。

 雀ちゃんはわたしに舐めさせた二本指を挿入したままで、指だけを曲げて、壁をくっくっと押しているのだ。
 最奥ではなくて、多分、手前の上のほうにある、ざらつく壁のところだと思う。

「ヤッ……ァアッ」

 先程達したばかりのわたしには、随分と気持ち良すぎるやり方だった。

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