※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 湯冷めた頃に 20 ~
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じわり。じわり。
埋め込まれてゆく指は進んでいるのか、いないのか。そんな風に思うほどにじれったくわたしのナカを犯す。
「今、どのあたりだと思う?」
こちらを見上げる瞳が弧を描いて、問いかけた。
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知らないわよ! と思う一方で、自分のナカに埋まった指の具合が今は第一関節くらいかしら? と探るようにソコの感覚に意識を注いでしまう自分はアホなのかと思う。
悪魔のような足の遅さで、焦らして焦らして焦らし尽くしてやろうという考えが見え見えな彼女の指。
そんな指の主の質問に、わざわざ考えを馳せるだなんて。
自分は、アホなのか。
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「もっと、って思ってる?」
ほら、こうなる。
第一関節くらいまでナカにあるとしたら、もっと深く欲しいだなんて思ってしまうから、駄目なのに。
彼女の口車に乗っては、彼女の思う壺だ。
浅い呼吸を繰り返しながら、軽口を叩くにんまりした顔を睨み下ろす。
「あぁ、そういう可愛い顔されるとちょっと困る」
どうしていつもいつも、睨んだら可愛いだなんて雀ちゃんは言うのか。
普通の感想は、コワイとか、嫌だとかだろうに。
「もっと焦らして苛めたくなっちゃうから、駄目だよ」
熱に浮かされたような声音で囁くように言った雀ちゃんは、その優しい声とは裏腹に、わたしのナカから指を引き抜いた。
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「アッ…!?」
さすがに、それは予想していなかった。
余計に意地悪をしたくなると言っても、指の動きを止めるとかそんな程度だと思ったのに。
まさか、一度挿れた指を抜かれてしまうだなんて。
わたしが短くあげた悲鳴にも似た甲高い声に、口元を笑ませた雀ちゃんは片眉を器用に持ち上げてみせる。
「どうかした?」
どうかしたじゃないわよっ…!
そう言い返せたらどんなに楽か。ていうかスッキリするか。
こう呼吸が浅くて、言い返せない状況はなんだかとてもフラストレーションが溜まってしまう。
それに……。
「ここ、ヒクヒクしてるけど」
身体が、彼女を欲しがって仕方が無くなる。
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言われなくたって、分かる。自分の身体が、どれだけ彼女を欲しているのか。
だってソコがひくついているかどうかなんて、自分が一番よく分かっている。
雀ちゃんが指の挿入をジリジリと時間をかけてした結果、”わたしを焦らす”という目的は十分達成されているのだ。
「あぁもう、さっき舐めて綺麗にしたのに、こんなにして」
ひくつく度に、自分のナカから愛液が溢れているのも、十分に理解している。
抜かれた指に想いを馳せ、涙を流して欲しがるソコから視線をあげた雀ちゃんは、クッと喉の奥で笑う。
「そんな欲しくて仕方ないカオ、しないでよ」
「だ……って…!」
一度与えかけられた快感を失くしたわたしの身体は、自分でもコントロールできない程に、彼女を求めている。
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「焦らしたいって思ってんのに、出来なくなる」
指先が、ヒタリとあてがわれる。
「挿れて、滅茶苦茶に喘がせたくなる」
入り口に添えられた指を、まるで飲み込むみたいに、そこがひくつく。
わたしだってそれを挿れて欲しいと思っているのに、さらに、それ以上に、別の生き物が指に恋い焦がれたみたいに欲しがっている。
自分の意思でコントロールできない身体に、ピリピリと電気が走って、わたしは息を詰めた。
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「ぉ、ねがい……」
「なに? 言ってごらん?」
言わせたかったのだろう。雀ちゃんは待っていたと言わんばかりに、甘く誘う声音を使う。
彼女が、意図的にそういう声音を選んで、わたしの口から強請らせようとしているのは、分かっている。分かっているのに、その甘美さに酔って、罠に自ら嵌りに歩みを進めてしまう。
「どうして欲しい?」
羊の皮を被った狼が目の前に居るというのに。
それが彼女の仕掛けた罠だと分かっているのに。
「指、いれて……っ」
羞恥などかなぐり捨てて。
「雀ちゃんの、ゆびっ……」
身体を甘く、甘く、甘く、溶かす罠にとびこむ。
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