隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 99話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 意地悪で優しい貴女。

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 ~ 湯にのぼせて 99 ~

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 荒くて速い呼吸と共に、ひくつく入り口。締まる指の感覚にどことなくざわつく胸を落ち着かせていると、私の髪を握っていた手が解かれた。
 縋るように髪を握られるのが嫌いではない私が彼女の手に視線をやろうとして、その動きを予測して反射的に片目を瞑った。

「この…ばか……」

 気だるさを隠しもしないその口調で罵倒されると共に、ぺしんと頭を叩かれた。
 叩かれた、と言っても、力の入っていないその手では痛みもなにもない。ただポンと頭に手を置かれたのと同等の衝撃くらいしかない。

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 そんなに力が入らないくらいに良かったということか、と唇が弧を描きそうになる手前。愛羽さんがまた口を開く。

「気持ちいいに決まってるでしょ……っ!」

 照れくささを強めの怒ったような口調で隠して、それでもちゃんと正直に言う姿勢はなんだか尊敬に値する。自分で決めたことは守る人だ。

 またぺしんと頭を叩かれたあと、今度は両脚で顔を挟まれる。ばふばふと挟んで攻撃しているつもりなんだろうけれど、その太腿はつるつるすべすべ。ほどよく肉付きの良い感じがたまらなく気持ちいい。

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「恥ずかしいし、返事できない事くらい見てわかるでしょ……っ」

 うん、それは知っていた。知った上で、あんなふうな言い方をして、気持ちいいのかと尋ねたのだ。

「この、いじわるっ」

 ごもっとも。

 ばふ、ばふ、と何度も顔を挟まれて若干の幸せを感じていた私だが、いつまでもこうしている訳にはいかない。
 まだ、さっきので終わらせるつもりは無いし、このまま愛羽さんの攻撃させるままにしておくとムードというものが壊れてしまうじゃないか。

 たぶん、今日の愛羽さんは「素直になる」と言った手前、そちらに集中しすぎて、ムード関連のことまで気が回っていない。照れ隠しにそのムードを壊してしまっても構わないとさえも、思っていそうな気がする。

 やはり、慣れないことをするのは誰でも難しいものなのだろう。

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 すこしだけ顔を横に向けて、私の頬を挟んでいた太腿をペロリと舐める。舌触りも抜群にツルツルすべすべだ。温泉効果だろうか。

「ひゃっ」
「その意地悪な人間にあれだけ喘がされて、悦んでイッちゃったのはどこのどちら様でしょうか?」

 また意地悪な言い回しで、両脚から解放された私は、動きを止めていた指をずるるると引き抜いた。

「あっあ……くっ」

 呼吸が落ち着いてきていたとはいえ、達した身体には少し、急な刺激だったかもしれない。心の中では申し訳なく思いながらも、人差し指に付着した多量の愛液をみると、脳がジンと痺れてくる。
 これだけ感じてくれていたんだという証拠、ともいえようその液体が愛しくもある。そんなふうにまで思ってしまう私は随分と変わり者だろう。

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 その濡れた人差し指に中指を添えて、若干乱れた呼吸を整え中だった愛羽さんのナカへと押し戻す。整えることの叶わなかった彼女の息が震えるのを聞きながら、二、三度抽送をして中指にも愛液を馴染ませる。
 まぁこれだけ濡れていればすんなりと抜き差しできるだろうけれど、念のため。愛羽さんに痛い思いはさせたくないし。

「ん……は……ぁっ」

 本数が増えて、圧迫感を増したのだろう。少し眉を寄せて、耐えるような表情を浮かべた彼女に大丈夫かと尋ねると、コクンと顎を引くように頷いた。

「痛くないですか?」
「いた、くは……ないよ」

 その途切れる返事には、太さを増した指に馴染めていない感がものすごくある。
 感じ過ぎて、ナカが締まり過ぎているせいかもしれない。

「痛くはないけど、急にたくさん動かさないほうがいいみたいですね」

 ゆっくり、ゆっくり、ナカを慣れさせるために指を埋め込んだままにして、指を僅かに曲げては伸ばすを繰り返す。
 そうしながら届く範囲の脚に啄むようなキスを送っていると、ふわりと頭を撫でられた。

 縋って握るでもなく、そんなふうに優しく撫でられたのが意外で、私は軽く目を見張った。

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