隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 83話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 貴女を欲しがる素直な心で。

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 ~ 湯にのぼせて 83 ~

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 身体の芯までもが震えて、視界も一度大きく、震えた。
 それに合わせてふっと息をついた私は、顔を覗き込む為に少し空間あけていた二人の間の距離を詰めた。

 加えて、愛羽さんの下腹部に押し当てている膝にもう少し力をこめてそこを圧迫する。

「っ」

 息を飲むようにして喘ぐ声を留めた愛羽さんの手がシーツにまた縋る光景が、私の目には好ましく映る。
 私のほんの少しの行動で、彼女は息を止め、指が白むほど布を握りしめる。

 それ程に、私が彼女を支配している事が嬉しい。

「なんで、いつもよりゆっくり動いて、じれったくさせるのか…って聞きました?」

 彼女の質問をまとめてみせると、愛羽さんは潤んだ瞳を一瞬だけこちらに向けて、すぐに逸らし、コク、と小さく頷いた。

「最後の日くらい素直に、って言ってくれた愛羽さんを見習ったんです」

 逸らした瞳をこちらに戻し、彼女がどういうこと? と視線で問うてくる。
 薄らと唇を笑みの形にして、その瞳に写させておく。

「我慢も自制心も無くして、ただ、貴女への好きの気持ちを伝えようかと」

 私の軽薄にも見える笑顔を写す瞳が軽く開かれて、驚きと戸惑いを表現する。

「今までで一番長い夜になりますよ」

 告げた声は、自分でも驚くくらいに低かった。

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 そんな声に焦りの色を濃くした愛羽さんの表情がひきつる。

「ね、ちょ、ちょっと落ち着こう?」
「私は落ち着いてますよ」
「ウソ。ウソよ。目が燃え上がってる。落ち着いてない」

 目。と言いながら私の瞳を指差す彼女。
 小学校で人を指差してはいけませんと習わなかったのか。なんてくだらないツッコミを心の中だけで入れながら私は、わざとらしく、満面の笑みを浮かべてみせた。

「頭は落ち着いていますけど、心が燃え上がってるだけです」
「こっ、心が燃え上がってるのは嬉しいけど雀ちゃんは心だけじゃなくて欲望も燃え上がってるからちょっとコワイんだけ――」

 ストップ、だ。
 さっきまでのエロイ雰囲気が物凄く崩れてきた気配を察知して、私は彼女の唇に人差し指の腹をあてがい、その口を封じた。
 それ以上愛羽さんが喋ると、雰囲気が壊れてまた同じ雰囲気までもっていくまで、時間がかかって仕方ない。
 長い夜になるとは言ったけれど、目的外の事で時間を費やしていては元も子もないのだ。

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「いい子に黙っていてください」

 躾けるように静かに言い置いてから唇に乗せていた指を退ける。

「あぁでも」

 擦るように、膝をぐりぐりと左右に動かして、布越しに彼女の敏感で可憐な蕾を押し潰す。

「可愛い声は、大歓迎ですよ」
「んっ、んん……!」

 下腹部に与えられた刺激に思わず、いつものように下唇を噛んで声を抑えた彼女を見下ろして、目を細めた。

「大歓迎、と言ったのに、何で我慢するんですか」

 退けた人差し指を再び彼女の唇に乗せるけれど、そこは先程のようなふにゅりとした柔らかさはなく、噛みしめられているせいで妙な緊張と固さがあった。

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「下手したら、切れちゃいますよ」

 皮膚の弱い唇なんて、いくらケアして潤いがキープされていても、強い刺激ひとつで、その薄皮が裂け、鮮血が滲む可能性は高い。

「噛まないで」

 きゅっと下唇を指の腹で撫でてやりながら、膝を少し浮かせる。
 蕾への刺激が薄れると、その口元は綻んで、薄く開く唇。
 見計らっていた私は、その開かれた唇へ人差し指を滑り込ませて、合わせの緩んでいた歯列も越え、熱く、ぬるりとした感触のそれへと触れた。

「んん……っ」

 いきなり口の中に指を突っ込まれた愛羽さんは、不快そうに眉を寄せ、私の手首に手をかけてくる。指を抜こうと力を込めて手首を握る愛羽さんの抵抗に、今度は私が、眉を寄せた。

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 浮かせていた膝を戻し、大きく円を描くように膝を中心点にして脚を動かしてみる。
 もちろん、愛羽さんの下着越しに蕾は多大なる加重を受けた。力の加減はしているとはいえ、膝部分での圧迫はそれなりに快感が大きいだろう。

「ひぁっ、あっ、やッ……んんぅっ」

 驚くような声の次には一瞬にして甘く色を変えた喉を鳴らす。
 それに加えて、私の人差し指によってどこか舌足らずな発音になっていて、それがまた可愛い。

 指に触れている舌がうねり、まるで指が舐められているような感覚に、こちらが若干の快感を覚えるほどだ。

 そんな事をされてはもちろん、こう言いたくなる。

「指、舐めてください。愛羽さん」

 私の声を聞いた愛羽さんの舌が、ひく、と動きを止めてしまったのは非常に残念。
 だって、気持ちよかった。
 男の人が自分のモノを舐めさせたがると言うけれど、その気持ちがちらっと理解できてしまいそうにはなったくらいに、気持ち良かった。

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