隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 65話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 幸せ。

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 ~ 湯にのぼせて 65 ~

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 身体の痙攣がおさまるまで随分と時間を要した。
 測ってみれば、数十秒だと思うけれど、わたしにはその3倍くらいの時間に感じられた。

 荒い息はまだ落ち着かないけれど、それまでわたしを片腕で抱き締め、ナカの指はそのまま動かさないでいてくれた雀ちゃんが身じろいだ。

「愛羽さん、指、抜きますよ」

 耳元で囁く声にブルリとまた身を震わせてから、小さく頷く。
 わたしの耳朶を撫でていった温かな吐息によって少し詰まらせた息を静かに吐き出していると、雀ちゃんの指がくぷりと愛液をかき出すようにして抜かれていく。

「…っ、は、ぁ……ンッ」

 イッたばかりの身体には、指を抜くその行為だけでもビリビリと快感が生じる。

「あんまり可愛い声出されると、また愛羽さんの事欲しくなっちゃいますから」

 軽い苦笑を漏らす雀ちゃんの肩にしがみ付く。
 そんなこと言われても、こちらとしてはどうしようもないのだ。

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 彼女の指がズルリと完全に抜けると同時にまた甲高い声が、抑えきれずに漏れる。
 無くなった圧迫感にどこか寂しさを感じるけれど、そんなことを口にすれば、雀ちゃんはすぐにでも指を挿し込んでくるだろう。

 それはちょっと、体力的にきつい。

 散々喘がされて、ずっと膝立ちをキープしていたこの身体はもう、限界の悲鳴をあげていた。

「どうぞ、座っていいですよ」
「…ん」

 すでにガクガクと震えている脚をゆっくりと開いて、雀ちゃんの膝の上に座る。

「スカートがくしゃくしゃになっちゃいますね」

 わたしが唯一身につけているものをふわりと撫でて、雀ちゃんはそれよりも優しい手付きでわたしの頭を撫でた。
 もうこのスカートは旅行中履く予定はないし、構わないのだけど、そういう細かい事を気付くのは流石、女の子。

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 やっと呼吸も心拍数も落ち着いてきたわたしは、彼女の肩に掴まっていた手を放して、ゆっくりと雀ちゃんの上からおりた。
 いつまでも膝に人間一人を乗せておくのも辛いだろうと思ってそうしたのだけど、彼女はなんだかさみしそうに、畳の上に座り直したわたしを見つめてくる。

「もう離れちゃうんですか?」

 捨てられた子犬みたいな目で、そんなことを言う。
 先程までのあのSっぷりはどこへ行ってしまったのか。

「いつまでも雀ちゃんの上にいたら重たいかとおもったんだけど」
「そんな事ないですよ」

 即座にわたしの言葉に首を振る雀ちゃんは、ずり、とわたしの傍へ寄ってきた。
 ほんと、犬みたい。なんて思いながら彼女に顔を寄せて口付ける。

 先程までの濃厚なキスとはまったく異なるけれど、触れるだけで幸せになれるようなキスだった。

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 顔を離すと、嬉しそうな彼女の顔。
 そのだらしないまでに解れている幸せそうな顔。

 そんな表情をさせているのが自分かと思うと、こちらまで幸せになってくるから不思議だ。

「好きよ、雀ちゃん」
「私も愛羽さんの事、大好きですよ」

 今度は彼女からの口付けを受け止めて、間近で微笑む。
 わたしの額や頬に触れる雀ちゃんの唇がくすぐったい。顔中にキスを降らせていく雀ちゃんが可愛くて、愛しくて、わたしは彼女の頬に手をあててその動きを止めると、改めて唇にキスをした。

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 しばらくそうやっていちゃついていると、不意に鼻がムズムズしてきた。
 顔を背けて、くっしゅん、とひとつクシャミを漏らしたら、雀ちゃんに背中を擦られた。

「ちょっと身体が冷えちゃいましたかね…?」

 確かに、彼女の言う通り、汗をかいて、冷房の入った部屋で半裸でいたのは、冷えたのかもしれない。

「お風呂、入りに行く?」
「その恰好で?」
「そんな訳ないでしょ、もう…ばか」

 冗談を言う雀ちゃんの額を小突いて、散らばった下着を集める。
 しかし、びちょびちょに愛液で濡れたそれをもう一度履かなきゃいけないというのは……ちょっと、躊躇する。

 動きを止めていると、横からそのショーツを眺めた雀ちゃんが「ぅわあヌルヌル」と言いながら下着の愛液を触ろうと手を伸ばしてきたので、とりあえず、肘鉄を入れておいた。

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 悩むものの、新しい下着をこの身体につけたくない。
 かといって、ノーパンで大浴場の脱衣場に行くわけにもいかず、ティッシュで愛液を拭って、仕方なくそれを履いた。

「雀ちゃんは脱いでなくていいわね」

 
 なんて文句を言いながらブラジャーとブラウスも身に着けて、お風呂セットと浴衣をもって、わたし達は大浴場へと向かった。

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