隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 62話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 勝る快感欲求。

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 ~ 湯にのぼせて 62 ~

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 彼女の肩に置いて身体を支える手。
 その上に額を押し付けるような形で、顔を隠しながら内心、不平を漏らした。

 ――顔が見られてなきゃ恥ずかしくもなくて、なんでも言えるって訳じゃないんだからね……っ。

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 雀ちゃんの吐息が微かに髪を揺らし、耳に触れた。
 膝立ちで肩にもたれかかるわたしの耳元へ囁く言葉は、甘い。

「ナカ、ぐちゅぐちゅだよ……。ね、ココが気持ちいいの?」

 埋め込まれた指は3本。
 それが体内で、何かを探すように動くのを感じながら、わたしは震える息を吐いた。

「ち、が…ぅ」
「違うの? だって、こんなにぬるぬるなのに、気持ち良くない?」

 すっとぼけて、そんなことを言う口を引っ掻いてやりたい。
 さっきまでの行為で、大体の見当はついている癖にわたしが肩に顔を伏せた途端、指を入り口付近まで抜いた彼女の意図は、馬鹿らしくも、大体わかる。

 ――全部、言わせたい訳ね……。

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 どうしても、言わせたいらしい。
 

「もっと……」
「うん?」

 この、サディストめ。
 胸中で罵ってから、わたしはきゅっと目を閉じた。

「……っ、奥のほう……っ」

 絞り出すように言った小声の言葉でも、これだけ至近距離で言えば聞こえるだろう。
 告げたあと、また震える息を吐くわたしに、雀ちゃんは嬉しそうに言った。

「奥の……」

 じわじわと侵入していく指に、腰が震える。脚もガクガクと揺れてきて、焦らされた反動が大きいのだと知る。
 ただ真っ直ぐに指を入れられただけなのに、快感が増している。

「…ぁっ、あ…んんっ……」
「奥の、どの辺? こんな感じで、挿れただけで気持ちいいの?」

 襲い来る快感に打ち震えながら、わたしは額を手に擦り付けながら首を振った。

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 だって、声が、出せない。
 気持ちよすぎて、ゾクゾクして、息と、喘ぐだけで精一杯。

「待、って」

 息も絶え絶えに言うわたしからは、雀ちゃんの表情は見えないけれど、小さな呼吸音ですら聞き取れるくらいの距離ではある。
 だから、彼女が笑いでもすれば、その息の吐き方で、察知できる。

「喘ぐくらい気持ちいいのに、待ってほしいんだ?」

 彼女は小さく、意地悪そうに、嗤った。

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「でも奥のどこか言ってくれなきゃ、分からないよ」

 彼女は、奥、と言う度わたしのナカに深々と指を突き立てる。
 真っ直ぐに入れるそれだけの行為でも、身体はどうしようもなく反応してしまうのに。

「ねぇ……奥の、どこ?」
「待っ、ァアッ……んっ、んぅ」

 言わせたくないのか。言わせたいのか。分からない。

 でも分かる事も一つあって、わたしのナカを突く指はどうしようもなく、意地悪だということ。

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 幾度か、わたしに問い掛けながら奥を突くお遊びを繰り返した雀ちゃんはやっとこれに満足したのか、奥に突き立てた指の動きを止めた。

 声を我慢するために自分の手の甲に口を押し当てていたけれど、無駄な努力に近かった。
 あんなに耳元で騒がれても、雀ちゃんはうるさくないのかしら。なんて頭の隅で考えながら、呼吸を整える。

「で、奥のどこ?」

 奥、と言った時にナカで指を曲げられて、腰が跳ねた。
 どうしよう。
 真っ直ぐ入れられただけであんなに気持ち良かったし、今、一瞬指を曲げられただけでも気持ち良かった。

 これで、あのポイントを押さえられたら……。
 考えるだけで、項がザワリと熱くなる。

「んん? どこがいいのか、忘れちゃったの?」

 呼吸が整っても無言を続けるわたしを不審に思ったのか、彼女がこちらに顔を傾けた。すると、乱れた髪の間から覗いたわたしの耳に偶然、雀ちゃんの唇が触れた。

 それだけなら、まだ耐えられた。
 でも、そこで、そのまま、喋られたら……っ。

「イロイロ、触ってみないと、分からない?」

 わたしの背を、快感の電気が走り抜けた。

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 ビク、ビクっ、と軽く身体が震えて、ナカの指を締め付けた。
 ほんの、軽くだけど、イッちゃった……。

 み、耳が弱いのはもともとだけど、この状態、体勢、これまでの行為で募った快感が相まって、耳元で言葉を紡がれただけで、達してしまうだなんて。

 たぶん、雀ちゃんも驚いただろうけれど、わたしが一番驚いている。

 せっかく整えた息がまた乱れたけれど、もう、どうしようもない。

「す、ずめちゃ……ん」
「え、あ、なに?」

 わたしが達した事に呆気に取られていたのか、一瞬素な返事をした彼女に、わたしは降参した。

「おねがい」

 吐息と共に、ねだる。

「もっと、気持ちよくして」

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