隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 58話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 上と下。

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 ~ 湯にのぼせて 58 ~

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「ンァッ」

 指に弾かれた蕾からビリビリと快感が伝わり、思わず腰を引く。

「私が惚れて欲情してるのは、下着じゃなくて、愛羽さんだから」

彼女の肩に置いたわたしの手の爪が食い込んでいるのにも関わらず、気にする様子もなく、雀ちゃんはスカートの中で、蕾をゆっくりと撫でる。
 くるくると円を描くよう、先程弾いた強さとは対照的に優しく撫でられる蕾はぷっくりと充血して、その愛撫を敏感に感じ取る。

「ひっ、ん、ぁっ」
「うん。そういう可愛い声出してる愛羽さんにそそられる」

 雀ちゃんは蕾に触れる右手は動かし続けながら、胸にあてがった左手でむにゅりと胸を鷲掴みにした。
 形が変わるほどに掴まれた右のふくらみは、我慢できなくはないが、痛みを訴える。それに顔を歪めると、雀ちゃんはわたしの顔を見上げて、唇の端をあげた。

「我慢してる顔も、そそられるんだけどね」

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 凶悪な言葉を吐く彼女だけれど、蕾は依然、子猫を撫でるように柔らかなタッチで愛撫をうけているし、胸のふくらみだって、すぐに手の力が緩められて、痛みがなくなった。
 根は優しいんだから、いくらSになったってこういう気遣いが垣間見えてしまう。

 痛いのが好きで鞭を使ってほしいタイプの人だと、雀ちゃんでは満足できないんだろうけれど、わたしは生憎、そういうタイプではない。
 どちらかといえばMだし、それも、ソフトSMプレイくらいしか受け付けない。

 だから、こういう優しさを垣間見せてくれる雀ちゃんが丁度いい。

「……あ……」

 そんな事を考えている間に、雀ちゃんの指が胸の尖りを一周撫でて、思わず声が出る。

「もうこんなに硬くして。かわいい」

 人差し指を尖りに引っ掛けられて、上下に細かく弾かれる。
 彼女が硬いと言う通りに、それは指がしっかりとひっかかるほどに芯をもってきて、存在を主張するようだった。

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「ん、…あっ…」

 声を出すまいと噛んでいた下唇はいつの間にか、噛むことを忘れて、唇は薄く開き、わたしの声を遮るものは、口を覆っている手だけになった。
 こんな甘く優しい愛撫をされて喘がないなんて、正直むりだ。でも、窓からは夕日が差し込み、まだ日も高い様子がうかがえる。

 それに、時折遠くから聞こえる宿泊客の声に、喘ぎ声を我慢しなくては、という思いは強くなる。

 
「やらしーのは、ココだけじゃないみたいだけど」

 ココ、と言いながらわたしの胸の尖りを膨らみに押し込むよう垂直に力を加えられて、喘ぎ声を喉の奥でなんとか押し殺した。
 眉を寄せて顔を歪め、荒い息を手のひらに吐くわたしを、熱を帯びた瞳で見上げた雀ちゃんは言う。

「下はもう、それどころじゃないよね」

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 下、と彼女の口が言えば、わたしの意識はつられたように下腹部に集中する。
 それまでは、やわやわと撫でまわされていた蕾は、先程よりも張り詰めたような感覚があるけれど、雀ちゃんが言いたいのは別のことだろう。

 自分でも、分かっている。

「やばいね、この濡れ方は」

 蕾を弄っていた指が引かれ、緩やかな快感が去った直後、割れ目を、つぅ、となぞられた。

「ふっ、アッ……んん…っ」

 ズルリと滑らか過ぎる程に動いた指に、どれほどわたしの愛液が絡みついたか知れない。

「わあ、すご」

 称賛とも嘲りともとれるような短い言葉を聞きながら、無意識に震える脚をなんとかささえようと、わたしは彼女の肩につかまる手に力を込めた。

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「待…って」
「駄目」

 なんとか絞り出した言葉も、雀ちゃんに一蹴される。
 そして、口答えや無駄な抵抗はするなと言わんばかりに、彼女の指が先程よりも強めに割れ目をなぞる。

 ナカに挿れてもない。ただ、なぞるだけなのに、腰の奥にジンジンと快感が募るし、熱いその感覚とは逆のゾクゾクした冷たさが背中を走る。
 腕や脚には鳥肌がたっているけれど、自分でそれを擦って宥めることもできない。だって、口を覆う手を外せばわたしは外に聞こえてしまうかもしれない声を出す可能性が高い。
 そして、雀ちゃんの肩を支えにする手を外せば、わたしは膝立ちしていられない。

「や、ぁっ……ンッ」

 上と下、両方を同時に攻められながら、こんな体勢、辛すぎて無理。身体に力が入らない。
 あまりの快感に背を丸め前屈みになって、腰を引く。すると秘部から手が離れて、わたしはやっと息をついた。

「…は……ぁ……」

 胸の手も外されて、快感の余韻の声を漏らす。荒く震える呼吸を繰り返しながら口を覆っていた手を外して、わたしは彼女の肩を掴んだ。
 両肩をそれぞれの手で掴み、身体を支える。けれど、もう無理。座らせてほしい。

 手で身体を支えながらゆっくりと腰を鎮めようとすると、雀ちゃんが鋭く告げた。

「座らないで。そのまま」

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