隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 55話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 懲りない奴には後悔を。

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 ~ 湯にのぼせて 55 ~

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 抱えるように腕をまわして、抱き込んでいた雀ちゃんの頭を解放して、彼女の肩にそれぞれ手をかける。
 膝立ちだった体勢から、ズルズルと落ちて雀ちゃんの膝というか太腿の上に座った。

「大丈夫ですか?」

 背中に手を回して支えてくれている雀ちゃんに声を掛けられても、息があがったままで、彼女に返事できない。
 だからわたしは、返事いま出来ないから待って、という意味を込めて首を横に振ったんだけど、雀ちゃんはぎょっとしたようにわたしの顔を覗き込んできた。

 多分、首を振った理由を、「大丈夫じゃない」という意味でとったんだと思う。

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 どこかが痛いとかそういう訳じゃないんだけど、まぁ……その、身体の中心がジンジンして大丈夫じゃない、という意味合いでは、確かに大丈夫じゃない。

 雀ちゃんの勘違いを訂正するのも、絶頂を迎えたあとのわたしには面倒で、とりあえず、彼女の肩口におでこをくっつけて、息を整えるのを優先した。

 そんなわたしの背中をさすってくれる雀ちゃんから若干の動揺が伝わってくるけど、あんなふうに苛められて達した直後、恥ずかしくて普通に顔を見て話せない。
 申し訳ないけど、もうしばらく、やり過ぎたかもしれないと冷や汗をかいていて、雀ちゃん。

 心の中で、ごめんね、と謝りながら、わたしは荒い呼吸を落ち着けた。

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「……だ……大丈夫ですか?」

 わたしの呼吸が落ち着いたのを見計らって、彼女がもう一度問いかけてきた。その言葉の端が彼女の動揺を表していて、なんだか面白い。

 彼女の肩口に額をあて俯いた状態で、大丈夫よ、と言おうと口を開きかけて、やっぱりやめた。

 ――だって、身体がジンジンして、もっと欲しいって言ってるんだもの。

 絶頂を迎えたことで、それまで溜めていた快感はある程度解消できた。でも、むしろ切ないくらいに雀ちゃんの指を欲しがり始めたナカ。
 息を整える間、自分でもわかるくらい、ひくついて催促していたアソコは、盛大に下着に染みを作っていることだろう。

 準備万端。いつでも、挿れられる。

 ――ていうかむしろもう、すぐにでも、挿れてほしいのよ。

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 一秒でも早く、と熱い身体は訴えているのに、雀ちゃんときたら、さっきまでのSっぷりはどこへやら。
 わたしの身体の心配をするように、背中を撫でてくれている。

 まぁ、その優しさが彼女の良い所でもあるんだけどね?
 今は、もっとSで居て欲しい。

 普段だったら優しい心遣いをされたら、やっぱりこういう所が良いのよ、だから好きになったんだわ、なんて思うくせに、今はSで居てほしいなんて、現金なヤツだと我ながら思う。

 でも。

 今もジワリと愛液が溢れ出すわたしの下腹部に、貴女の指が欲しくて仕方ない。

 だからわたしは。

「大丈夫じゃ……ない」

 ハッキリと言った。

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「い、痛みますか……!?」

 焦った声を耳元で聞きながら、彼女の肩口からゆっくりと額を離し、首を捻る。
 すると丁度、彼女の首筋が目の前にあって、わたしはそこに歯を立てた。

「いっ!? あいは、さん…っ?」

 力加減せずに噛みついたら、やっぱり痛かったみたいで、雀ちゃんは身を引いた。
 その拍子に口が離れて、濡れた首筋がわたしの視界に晒される。
 浮き立つ首の筋に、わたしの唾液で濡れた肌。そのセクシーさにまた、下腹部がジンと疼いた。

 もう我慢の限界と、わたしは彼女の手を取った。

「ココに……」

 手の平を上に向けさせた彼女の手を、脚の間に誘う。

「欲しくてたまらないの……」

 下着の上から、雀ちゃんの手をピタリとあてがう。
 恥骨あたりからわたしのアソコを覆う彼女の手を介して、そこがどれほど欲しがって濡れているのか、伝わったみたい。

 雀ちゃんの首筋が、カッと赤くなった。

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 見えないけれど、多分、雀ちゃんの顔は真っ赤だろう。
 生唾を、音をたてて飲み込む彼女の手を上から押して、わたしの下着に擦り付ける。
 ただ、わずかばかり秘所に圧がかかっただけで、腰の奥に快感がビリビリと響く。

「……ぁ、ん……っ」

 口から零れる嬌声を隠しもせず、むしろ彼女を焚き付けようと、あえて聞かせる。
 それだけでは焚き付け材料が足りないかもしれない。キスでもっと彼女の欲を掻き立てようと、ゆっくりと身体を起こして背筋を伸ばした。

 左手を彼女の右肩に置いて支えにして、正面から彼女を見下ろした瞬間、雀ちゃんの瞳の色に動きを止めた。
 その瞬間。

 ――まずい……。

 咄嗟に頭に浮かんだのは、その言葉だった。

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 少し茶の色素の強い瞳の奥には、ジリジリとこちらが焼き尽くされてしまいそうな炎が宿り、わたしを見つめている。

 ――しまった……煽り過ぎた……。どうしよう……。

 見つめているだけで身体が熱くなってしまうようなこの瞳は、まずい。
 言うなれば、雀ちゃんがスーパーSモードになった証拠。

 ホント、これは、やばい。
 今更焦るけれど、焚き付けたのは自分だし、そもそも、もう少しの間Sっ気溢れる状態でわたしを愛して欲しいと思ったのも、自分だ。

 ここはひとつ腹を括ってトコトン彼女に攻められるしか……イヤイヤでもあの目をしている雀ちゃんの攻めはホント翌日立てなくなりそうなくらい激しいからちょっと宥めてみようか……。

「なに、焦ってるの?」

 いつもより、低い。雀ちゃんの声に、目を見開いた。

 ――言葉遣いが、敬語じゃなくなってる……。

 これは、本格的に、煽り過ぎてしまったみたいだ。
 学習しないわたしの頭に、後悔が再び過ぎった。

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