隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 50話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 Mモード。

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 ~ 湯にのぼせて 50 ~

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 状況が理解できたのは、わたしの下腹部付近で、雀ちゃんの脚が動いた気配を感じ取ったからだった。

 ――膝、押し付けられてる……!?

 いや、違う。正しくは膝じゃなくて、その少し上あたりの太ももと膝の間くらいのソコだけど、そんなことはどうでも良くて。
 彼女とのキスで興奮状態のわたしの下腹部に脚を押し付けられると、敏感な身体は正直に快感を受け取ってしまうのだ。

「ちょ、待…って」
「駄ぁー目」

 急な形勢逆転劇と、わたしの言葉遣いを真似した雀ちゃんに若干混乱する。
 そんな頭でも、下腹部に圧がかけられれば快感信号は受け取って、口からは嬌声が零れ落ちる。

「……ぁ、く……ぅ」
「愛羽さん、可愛いですね」

 歯を食いしばって嬌声を堪えようとしても、わたしの身体を知り尽くしている彼女に掛かってしまえば、5秒ともたない。

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「待、って」

 さっきまでわたしが攻めてたのにっ。
 こんなの……っ。

「待ちませんよ。大丈夫、言う通りにしてくれたら、気持ち良くしてあげますから」

 また、先程のわたしの台詞を真似するような言い方をして、脚を下腹部に押し付けてくる雀ちゃん。

「んン」
「ほら、抵抗しないで」

 気持ち良くしてあげますから。
 そう言いながらこちらを見上げる目は、まるで狩人みたいにわたしを射貫く。
 ついさっきまで、潤んだ瞳でわたしを見上げていた彼女はどこに行ってしまったんだろう。
 わたしの言いなりになって、いやらしく舌を突き出し、されるがままに舐められていた人物は、ここにはいない。

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 脚がぐりゅ、とあそこに擦れて、力が抜ける。

「や、ァっ」

 頭を肩口に預けるように顔を伏せ、乱れた息を口から零す。

「可愛い」
「……っ、る…さい」

 華麗とさえ言えるこの逆転劇。それがまた悔しくて、悪態をつく。
 そんなわたしを小さく笑って、雀ちゃんは押し付けた脚をゆらゆらと揺するのだ。

「ぁ、あ……ぅっ」

 布が引っ張られて、擦れて生まれる快感。
 先程までこっちがリードして昂らせた興奮が、こんな形で仇となるだなんて予想もしていなかった。

 次々注ぎ込まれるこの快感に、彼女の頭をきゅうぅと抱える。
 何かにしがみつかないと、保っていられなかった。

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「ねぇ、愛羽さん。そんな可愛いコトされたら、もっと苛めたくなっちゃいますけど、いいんですか?」
「よく、ない……っ」

 当たり前だ。よくない。
 でも、しがみ付かずにはいられない程の快感を、貴女の脚が下腹部に送り込んでくるんだもの。
 身体を浮かせて、押し付けられる脚から逃げたいけれど、それも出来ないくらい腕に力は入らないし、貴女の脚はぐいぐいとわたしの下腹部を攻撃してくる。

「良くないなら、ちゃんと逃げなきゃ駄目ですよ?」
「……だって……ッぁ……!」

 わたしが逃げられないと分かって、こんな体勢のまま攻め続けているくせに、よく言う。

「逃げなきゃ、もっと、ヒドイ事されちゃいますよ?」

 低く、囁くその声が、鼓膜を震わせて、脳を痺れさせた。

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「……と、言ってもこの体勢で出来る事はこのくらいしかないので、ちょっと体の位置変えましょうか」

 ひとつ前の台詞を言った声とは打って変わって、なんだか上機嫌な声で告げた雀ちゃんに、ひょいと抱えられて身体を起こされた。
 くたりとほぼ全体重をかけている人間ひとりを抱えて、上半身を腹筋で起こすその筋力には驚かされるけれど、快感の余韻に震えているわたしは今それどころじゃない。

 膝の上にわたしを乗せたまま彼女は周りを見て、困ったなぁ、とあまり困ってなさそうな声で言う。

「布団がないんですけど」

 多分、あの押入れに入れてあるから自分で敷けばいいと思うけど……。

「畳とテーブル、どっちがいいですか?」

 予想だにしていなかった雀ちゃんの台詞に、目を見開いて間近で彼女を見上げた。

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