※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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Sモード。
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~ 湯にのぼせて 49 ~
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妙に興奮するのは、イケナイ事をしているからなのか。それとも、いつもと体勢が違うからなのか。はたまた、その両方なのか。
「ん……、は……っ」
わたしは、雀ちゃんの頭の両横に肘をついて、彼女の頭を抱えるようにして唇を、彼女を、貪った。
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長い髪が二人を覆う帳のように垂れて、呼気が篭る。
息苦しささえ、何故だか興奮材料になる。
口付けを解き、二人の間をつぅ…と銀糸が繋げば、そのいやらしさに後頭部がジンと痺れた。
呼吸を整える間も惜しくて、銀糸ごと口付けを再開させると、やはりヌルリと滑る柔肉。
唇同士が濡れて、いやに滑らかだ。
「ん……」
鼻から抜ける甘い声に、自分が興奮していることを悟るけれど、それをどうにかしようだなんて思わない。
滑りのいい彼女の下唇にねっとりと舌を這わせながら、むしろ、更に昂ってしまえばいいとさえ思うのだ。
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下唇を緩慢な動きで、左端から右端へ舐めていると、雀ちゃんは堪らなくなったのか、わたしの後頭部に回した手でキスをせがんだ。
それでも、手に抵抗して今度は右端から左端へと舌を這わせてゆくと、ぱくりと食べられてしまった。
わたしが頭を反らせば、音を立てて彼女の唇が離れる。
「駄ぁ目。動かないで」
見下ろして言う声は、練乳のように甘ったるい。
我ながら、なんて声を出すのかと思うけれど、潤みきって欲情を隠しもしない瞳を見ていると、自然とそんな声になってしまうのだ。
「でも」
「いっぱいキスしたいから。動かないで?」
もっと舌を絡めたい。もしくは、キスよりも先に進みたい。
なんて言いたかったのかもしれない雀ちゃんを遮って、わたしは婀娜っぽく囁く。
こういう声や仕草に彼女が弱いと知っていて、そうするわたしは性格が悪い。
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「ぅ」
と小さく声を漏らした雀ちゃんは、観念したようにゆるく目を閉じる。
瞼が閉じられるのを見届けると、わたしは視線を唇へとおろして、てらりと光を反射する色香漂うそれに見惚れた。
すぐに見ているだけでは物足りなくなって、顔を近付け、軽くキスをする。
柔らかなそれに触れ、唇同士を擦り合わせる。そこに摩擦はなくて、どちらのものか分からない唾液でぷるんと滑る。
早くも薄く開いた雀ちゃんの唇は、わたしの舌を欲しがっているけれど、わざと、無視して、下唇を舐める。
先程と同じように左から右端までをじっくりと舌で辿ると、わたしの後頭部を抱える手が、何かを耐えるように髪をくしゃりと掴んだ。
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じれったくて、仕方ない。
その感覚はわたしも覚えがあるから、彼女の胸に渦巻く感情がどんなものかは想像できる。
だって、この焦らし方は、雀ちゃんがたまにわたしにやる方法だもの。
キスして欲しいのに。
舌を絡めて欲しいのに。
与えられないもどかしさ。
そのフラストレーションで余計、興奮を煽られる。
「じれったい?」
わたしの言葉に目を開けた雀ちゃんの瞳を覗き込んだわたしは、くすりと笑みを零した。
だって、水の膜を張った瞳が蕩けて、その奥底には炎が燃え上がっているんだもの。
愚直で、正直なその瞳の色に、性格の悪いわたしの悪戯心は、研ぎ澄まされてしまうというのに。
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「舌、だして」
「ぇ」
まさか言われるなんて予想していなかった。とその反応が告げるけれど、知らない。だって、もっと悪戯したくなったんだもの。
わたしは眇めた目で雀ちゃんを真っ直ぐ見下ろして、もう一度、同じ言葉を繰り返した。
迷うように彼女の眼球がうろついたけれど、観念したように、おずおずと唇の間から真っ赤なそれを差し出す。
「まだ、出せるでしょう?」
僅かばかり先端をのぞかせた舌じゃあ足りない。
さらに要求すると、きゅっと目を閉じた彼女が長く、舌を差し出した。
「んふふ、いい子ね」
若干の抵抗を見せるものの、服従した彼女を見下ろしていると、ゾクゾクする。
従順すぎる訳でもなく、じゃじゃ馬過ぎる訳でもない塩梅もまた、わたし好み。
差し出させた舌へ、ゆっくりと近付きながら、背中を駆け抜けるゾクリとした支配感にわたしは酔い痴れた。
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「……ん」
彼女の舌を咥えると同時に鼻から抜ける甘い声。
大きく伸ばしたことで少し硬くなった舌を唇で挟んで、じゅぶ、と扱くように吸い上げた。
それだけで、彼女の舌はピクリと跳ねて、逃げるように少し口内へ戻ろうとする。
「ダメよ。ちゃんと出して」
逃げた舌を解放して、わたしはピシャリと言う。
彼女が眉を寄せて、逃げる舌の動きを止め、またおずおずとそれを伸ばす。
「いい子ね。わたしの言う通りに出来たら、ちゃんと気持ち良くしてあげるから」
だから、イイ子でいなさい、と囁いて、わたしは伸ばされた雀ちゃんの舌の根元へ、舌をぴとりと当てた。
そのままずるると先端へ舐め上げると、堪らず、彼女は顔を背けた。
与えられた快感に、耐えられなかったみたい。
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横を向いて、荒く息を吐く彼女の耳は真っ赤だ。
呼吸に合わせて、首が僅かに細まったり、弛緩したりと、収縮する様子もなんだか色気が漂う。
見惚れるように見下ろしていると、彼女がゴキュリと音をたてて唾を飲み込んだ。
そして、深く息を吸い込み、ゆっくりとそれを吐いた。次の瞬間。
「っ!? ンゃ、ぁっ」
わたしの体に走った快感に驚くも、口から零れるは嬌声。
何がどうなってわたしが突然”きもちいい”と感じてしまったのか、咄嗟に理解できなかった。
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