隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 36話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 見惚れるその姿。

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 ~ 湯にのぼせて 36 ~

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「え」

 わたしの言葉の意味を理解しかねた雀ちゃんが、短く声を出したと同時に、中指を挿れた。
 不意を突く形で彼女のナカへと入った指は、締め付けてくる壁に、狭いと訴えてくる。

「……っ、は、っぁ……」

 声が出ないのか、ほとんど息のような喘ぎ声を聞かせてくれる雀ちゃんの表情は半分が驚きで、もう半分が襲い来る快感を堪えるもの。
 短く、浅く、呼吸を繰り返す彼女が、ナカの異物をどんなふうに感じているのかは、大体想像はつく。
 けれど、予想以上に狭いこの空間に、わたしがいつも体感しているあの圧迫感や異物感を倍は感じているんじゃないのかと想像する。

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「いたい? 大丈夫?」

 少し落ち着いた呼吸をみて、そう問えば、雀ちゃんは潤みきった瞳をこちらに向けて、小さく首を振った。
 痛くはないけど、慣れない感覚に動けないでいる、といったところか。

「痛かったら、教えてね?」

 先にそう言っておかないと、彼女は我慢してしまいそうな性格だから。
 極力、痛くないように優しくするつもりだけれど、この狭さだと無痛はちょっと難しいかも。
 ただでさえ、圧迫感や異物感が快感を阻害しやすい体質だし。

 改めて、「ゆっくり、優しく」と呪文のように胸中で唱えながら、わたしは指を動かし始めた。

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「ん、ぅ」

 蕾の時とはまた違った声。
 それを聞きながら、ゆっくり、静かに中指をお腹側の壁に押し付ける。ざらつくその壁は大体の女性がナカで感じることができるスポットで、雀ちゃんも、以前ここでイッたことがある。

 わたしはゆっくりと彼女のナカを愛撫した。

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 雀ちゃんと付き合うことになって、そういうコトをするようになって、何も調べなかった訳じゃない。
 だって、それまでは男性としかお付き合いしなかったし、ましてや、同性の体を触るだなんて皆無だった。

 だから、どこをどうしたら気持ちがいいのかとか、どうやる方法があるのかとか調べた。この時ばかりは、インターネットが普及しているこの時代に生まれてよかったと感謝した。

 わたしみたいな素人が一番習得しやすいのは、やっぱり有名な快感スポットだった。
 ザラザラした壁だとか、蕾の裏側だとか、場所の見当はつけやすい。
 そして、指で愛撫しながら、同時に口で蕾を刺激したら、大体は成功する。

 多分、さっき、達したばかりの彼女ならばその余韻もあるだろうし、大丈夫だろう。

「……っ、んぁ……」

 ほら、彼女の声がだんだん、甘くなってきた。

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「ぁ、っく……んんっ」

 糖度を増したその声は聞いているこちらが興奮してくるような響きをもつ。
 不思議なもので、わたしはなんの愛撫もされていないのに、下着に染みができるくらいに濡れている。

 彼女が快感を堪えるためにシーツを掴んだり、いやいやするよう首を振ったり、思わず自らの腰を揺らしたり、そんな姿を見下ろしているだけで、わたしは小さく、息を乱すのだ。

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 ぐち、くち、とわたしが中指を動かすたびにいやらしく立つ粘着質な水音。蕾を弄っていた時よりも確実にその量は増していて、ナカも少し締め付けが緩くなってきた。

「雀ちゃん。指、増やすね」

 一応、驚かせないように声を掛けてから、ずるると中指を引き抜く。その指に人差し指を添えて、またナカへと戻すと、雀ちゃんが背中を浮かせるようにして喉をのけぞらせた。

「んんンッ」

 上向く顎のラインがなんだかセクシーで一瞬見惚れる。
 じわ、とまた自分の下腹部が熱を帯びて、わたしは熱く息を吐きながら、奥まで挿し込んだ指をくいと曲げた。

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「ひっ、アッ……んぅっ」

 堪えるように声をあげる彼女が可愛くて、曲げた指先をお腹側の壁に押し付けながら指をゆっくり抜いてゆく。
 たまらないように彼女がこちらに手を伸ばしてきて、わたしの手の動きを止める為に掴む。

「だぁめ」

 ざらつく内壁を二本指でぐりぐりと円を描くように刺激する。同時に、わたしの動きを阻むその手を空いている手で取り上げる。

「あっ、や、ぁ……っ」

 まるで力が入らないのか、雀ちゃんの手がパタリと布団に落ちた。
 気付けばガクガクと彼女の脚は小刻みに震えているし、息も先程より荒い。

 これは、思ったよりもずっと早く、雀ちゃんを絶頂に導いてあげられるかもしれない。

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「やぁ、ぁっ、ひ、んっ……く、ぅ……っ」

 静かな部屋に、彼女の可愛い声が響き、それを彩るように粘着質な水音が立つ。
 抑えがちな彼女の声が、「喘ぐのを我慢したいけど出来ない程気持ちがいい」と訴えているようで、さっきからわたしの背中はゾクゾクしっぱなしだ。

「雀ちゃん可愛い」

 
 うわごとのような、うっとりした自分の声に反応したのか雀ちゃんのナカがきゅうと締まった。
 握られた二本指の感覚に、ふと頭を過ぎる考え。

「すごい気持ちよさそう、雀ちゃん」

 ヒク、と入り口が締まる。

「ぐちゅぐちゅいってるの、聞こえる? 貴女のナカ、どろどろよ?」

 締まる。
 これは、確定かも。

 彼女はわたしの声に、言葉に、感じている。

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 そういえば確かに、わたしが行為をされる側であっても、雀ちゃんの言葉は耳に入ってくる。
 それは大半、意地悪な言葉だけど、それがまた、わたしを煽って気持ち良くなっちゃうんだからマゾと言われても仕方がない。

 わたしは薄く笑みながら、ざらつく内壁をくいくいと指で突き上げる。

「ね、分かる? 雀ちゃんのナカ、ここはザラザラなの。ここ触ったら、雀ちゃん気持ちよさそうにするのよ?」
「や、だっ……言わない、でっ」

 ああこのセリフ、自分も言った記憶がある。
 行為の最中は、自分が自分でなくなる。自分の身体なのに、まったくコントロールがきかなくて、恥ずかしくて声を出したくないと思っても、声をあげてしまう。

 そんな自分を恥ずかしくて持て余しているのに、乱れた自分のことを解説するように言われたら……何故か、背中が熱くなって、そこを悪寒にも似たゾクリとした快感が走り抜けるのだ。

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 あの感覚が、雀ちゃんの身体にも、今、起きているのだろうか。
 そんなことを考えながら、わたしは内壁を指で押しながら、蕾に親指で圧をかけた。

「ぁっ、あっ、ンンっ、やだっ、だめそれっ」
「ふぅん? これがいいんだ?」

 最中の「だめ」は「気持ちいい」とイコールで結ばれている。

 ぐり、ぐり、と親指をすこし強めに押し付けたら、彼女の脚の震えが増した。
 口でしてあげるほうがもっと気持ちいいと思うんだけど、こうして彼女がよがっている姿を目に焼き付けたい欲求が勝る。

「ここ、指で押されたら感じちゃうんだ?」
「ち、がっ……は、ぁッ、やぁっ」

 堪え切れない声も気持ちいいと言っているけれど、何よりもナカが先程から痛いくらいにきゅうきゅうとわたしの指を締め付けてくる。

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「違うの? 雀ちゃんのココ、すごい締まってるんだけど?」
「言わな、っんんぁ……ッ!」

 彼女の言葉の抵抗を遮るように、ナカの指を内壁へ押し付ける。
 いとも簡単に抵抗を喘ぎ声に変換させて、わたしは唇に笑みを乗せた。

「ここ、両方からぎゅーってしたら、もっと気持ちよくなっちゃうね?」
「ひ、……ゃ……」

 潤んだ瞳が、こちらを向く。
 いつも、獲物を狩る獣のようなその瞳が今は、縋りつくようにわたしを見上げている。

 わたしはゆっくりと三本の指に、力を加えた。
 ナカから二本指でざらつく内壁を押し上げ、その反対側の蕾を親指で圧す。

 声にならない声をあげた雀ちゃんのナカがまた締まり、わたしの指を掴んでくるけれど、構わず、ぐり、と擦りあげた。

「~~~~っん、やぁッ、ァ、アッ……!」

 絞り出すような声と共に、ナカの収縮。そして、大きく弓なりに反る彼女の身体。
 びくんっ、と大きく身体を揺らした雀ちゃんを見下ろすわたしの背中を快感が、突き抜けた。

 わたしの身体を襲う快感に目を細めながらも、絶頂を迎える彼女から視線を逸らせない。逸らしたくない。
 淫らな彼女の姿が焼き付いてしまえばいい、とわたしは瞬きも忘れて、雀ちゃんに見惚れた。

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