隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 34話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 問いと答え。

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 ~ 湯にのぼせて 34 ~

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 ――飲ん、だ。

 自分が飲ませたんだけど、実際、その光景を目の当たりにすると、得も言われぬ感覚が身体を突き抜けた。

 通常、他人の唾液を飲むだなんてことは、まず在り得ない。それを抵抗もなくこちらの要求通り飲むだなんて……。
 ゾクゾクゾクと首を竦めてしまいたくなるような感覚が背中を這い上がり、その寒気のような感覚とは真逆な火傷しそうな熱さが頭を支配した。

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「愛羽、さん……」

 乱れた呼吸の中、彼女に呼ばれてはっとする。
 こちらが、なに? と言う前に、彼女は続けた。

「大好きです……」

 ――……ッ

 マズイ、と思った瞬間、わたしの身体が跳ねた。性格には、腰がびくんと一度、大きく。
 どっ、どっ、どっ、と心臓も今までにないくらい熱く、激しく、脈打っている。

 彼女の肩に額を押し当てて、その衝動が抜けていくのを数秒待つ。その間、乱れた息を彼女の肌にぶつけるように吐き出すわたしに何が起きたのか。

 ――………………多分、軽くイッた…………。

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 あの一瞬目の前が弾けるような、身体の熱がギュルギュルと駆け抜けるような感覚。
 あれは……いわゆるオーガズム。の、軽いバージョン。

 なにそれ、卑怯よ。
 触られてもないこっちが?
 どういう身体してんのよ、わたし。

 混乱に怒りを一滴垂らしたような感情に襲われる。
 でもすぐ後に冷静さが追いかけてきて、事実を突きつける。

 よっぽど好きじゃなきゃ、こんな事起きない。と。

 冷静さがその事実を脳に練り込めば練り込むほど、胸がきゅぅと締め付けられるような愛しさが次から次へと沸き上がる。

 なんか、くやしいけど。

「……わたしも、好き」

 押し付けていた彼女の肩から顔をあげて、雀ちゃんにキスをする。
 唇を重ねるだけのキスに、心が、温かくなった。

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 唇を離したわたしは彼女の側頭部の結び目へと手を伸ばした。それを解いて腰紐を上へと押し上げるようにして彼女の顔から取り去れば、久しぶりとも思える雀ちゃんの瞳が姿を現した。

「もう、いいんですか?」

 天井の灯りがまぶしいのか、片目だけ器用に閉じながらわたしへ問い掛ける彼女に頷く。
 さっきみたいなコトがあったのに、目隠しなんてしていられないもの。

「雀ちゃんの顔が見たくなっちゃったから、お仕置き終了」

 軽くでも達してしまったことは絶対に教えてあげないけどね、と胸中で呟いた。

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「で、も」

 一音ずつ区切り、わたしは彼女の秘所へと手をあてがった。

「まだ終わらないけどね?」
「ぅ、あ」

 短く声を漏らした雀ちゃんが慌てて、シーツを掴んでいた手で今度は口を覆う。
 まったくもう、すぐ声、おさえちゃうんだから。

 そう思うけれど、今回ばかりは、わたしが勝手に達して場の雰囲気や流れを崩しちゃったせいもあるから、何も言わない。
 彼女と指を絡め合うようにして握った手だけは離さないけど。

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 彼女の右手を左手でぎゅっと握り直しながら、反対の手でするりとソコを撫でる。
 指先に触れたのは、濡れた感触。

「ねぇ、これ、何?」

 割れ目に中指を這わせて、粘着質な液体を掬う。
 ひたひたと指を割れ目へ打ちつけて、彼女自身に、ここが濡れていることを再確認させる。

「何で、わたしの指、濡れるの?」

 少し力を加えれば、中指の先は襞を割る。
 あまり開かれた経験のないそこは、敏感で、外気に触れただけで雀ちゃんは「ひ、ぁ」と声を上げた。

 襞を撫でるように指を押し付けながら彼女の鎖骨を舐めてみると、跳ねる身体。
 辛うじて喉奥で声は殺したようだけど、これだけ近くに居れば、声が出かかった事くらいは判る。

 わたしは口元へ薄く笑みを浮かべて、濡れた指を蕾へと運んだ。

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「ンッ、ぁ、あっ……!」

 さっきも蕾には触れていた。けれど、そこは濡れてはいなかった。
 だから滑りなんてものはなくて、摩擦で快感を生んでいたようなものだし、はっきり言って、茂みは十分に触れたけど、蕾はそこまでじっくり弄ってはなかった。

「ぬるぬるの指で弄られたら、ココ、気持ちいいのよね?」
「ふっ、ク……ぁ、んんっ」

 口を押さえる手の隙間から漏れ出る声は、確かに快感を帯びている。
 けれどまだ、足りない。
 もっと、聞きたい。

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 わたしはもう一度割れ目をなぞって蜜を掬い上げた指を、蕾へと運ぶ。襞を開いたことで流れ出た蜜は先程よりも多くて、たっぷりのそれを蕾に塗り付ける。

「ひ、んぅ」

 ただ指が触れるだけでももう、随分と快感を感じる蕾になってしまったそれを、この滑りのいい指で撫でまわしてしまえば、彼女はどんな声を聞かせてくれるのか。
 そして、どんな顔をするのか。

 考えるだけでゾクゾクする。

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「ねぇ、雀ちゃん」

 呼びかければ、閉じている目を開けるその従順さ。

「ここをこうしたら……」

 蜜をたっぷり纏った指で、蕾を撫でる。
 ゆっくり、ゆっくり、円を描くように。

「ひ、ぁ、ぁ、……っ、く」
「気持ちいい?」

 指が円を描き始めれば声があがるのだから、気持ちいいのは明白。だけど、彼女の口から聞いてみたい。
 そんな意地悪な事を考えるのは、先程、不本意に軽く達してしまったことの仕返しもあるかもしれない。

「そんな、ことっ……言えな、ぁっんン、ぅ……」

 そんな事言えない?
 わたしが欲しいのは、そんな返事じゃないの。

 気持ちいいかどうか。それが、聞きたい。

 抵抗する彼女の蕾を撫でる指の、速さを加える。
 それだけでも、喋る言葉は途切れ、漏れ出るは嬌声。

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 指を緩めれば、苦しそうに浅く息をして、水の膜を張ったような瞳でこちらを見る彼女。
 恍惚とその表情を見つめながら、もう一度問い掛ける。

「気持ちい?」

 わたしの言葉に、戸惑うような表情と、落ち着きをなくした瞳。
 そんな顔も可愛いけれど、答えを催促するように、わたしは蕾をくるりと撫でた。

「ひんっ、ぅ……」
「教えて?」
「…………ぅ、…………や、です」

 赤らんでいた顔をもっと真っ赤に染めて、小さな声で、雀ちゃんはそう言った。

「ふぅん? 言わないんだ?」

 じゃあ、言えるようにしてあげる。

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