隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 33話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 喉が。

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 ~ 湯にのぼせて 33 ~

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 浴衣の腰紐で目を隠された雀ちゃんを見下ろしながら、力の入っていない脚へと手をかける。
 わたしが少し力を加えると、ゆるりと開く。

 行為をする側はまだ、数えるくらいしかやった事がない。
 だからこの瞬間は未だに、心臓がバクバクと血の巡りを速くする。

「腰、浮かせて?」

 彼女の下着へ手をかけ軽く引けば、言われた通りにする雀ちゃん。その脚からするりと抜きとった下着の布は湿っているどころか、ぬるりと指が滑る程で嬉しくなる。

 彼女の口から「気持ちいい」なんて言葉は聞いていないけれど、身体がこうして反応しているということは……そういう事なのだと思う。

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 布団の外へ彼女の下着を落として、温泉の効能でなのかいつもよりもすべすべな肌にぺたりと手をつけた。
 膝あたりからすすすと上へ、脚の付け根へと手を這わせて、指先を茂みへ微かに触れさせる。

「う」

 小さく声を上げた雀ちゃんの反応に、頬を緩める。
 そしてそのまま、茂みを柔らかくかき回すように指先でさわさわと触れ続けた。

 あまり知られていない事実なのかもしれないけれど、快感を生み出すのは性器だけではない。
 こんなふうに茂みを撫でられると、もどかしい気持ちと、この後触れられるのかという期待とが入り混じって、腰の奥の方がざわざわするのだ。
 厳密に正確に言えばこの行為は、快感を生み出さないかもしれない。だが、この工程を抜いて性器を触られるよりもずっと大きな快感を生み出すのだ。

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 ――かくいうわたしも、雀ちゃんと付き合うまではこんな愛撫の仕方しらなかったんだけどね。

 茂みを触られると気持ちいいとか、そんなの誰も考えてもみない。
 外国ではこれをすべて処理してつるつるにしてる人がかなり居るみたいだし。

「っ、ふ……は、ぁ……っ」

 ゆっくり。軽く。やさしく。
 そんなタッチで茂みをかき回すように撫でて、わたしは彼女を見下ろす体勢から、彼女に添い寝するようにうつ伏せになった。半ば、彼女の右半身に体を重ね、体重を預けるようにして、再び茂みへと手を伸ばす。

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 伸ばした手の中指を立て、茂みを撫でながらも、指を緩く曲げて蕾を探すように指の腹を当てていく。

「んっ、く」

 一瞬、彼女の身体がビクリと震えた。
 それはわたしの指が蕾に触れた証拠。幾度も茂みを撫でながら、指先で蕾を掠めていく。

 掠めれば掠める程に、雀ちゃんは反応を返してくれる。
 言ってしまえば、5本指を軽く曲げてその手で茂み辺りを撫でまわしているだけなのにこの反応。

 可愛くて仕方がない。

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 いつまででもその可愛い姿を見ていたいけれど、わたしは中指へと少しだけ力を込めた。
 それまで柔らかく撫でていた時とは違って、硬さをもった指は蕾を明確に捕らえて刺激する。

「ひ、ァっ……んンッ」

 明らかに、声の質が変わる。甘くなった。

 自分にも覚えのあるその声質の変化に、彼女の心境を想像してみればぞくりと興奮を覚える。

「ココ、気持ちいいのよね」

 確信をもったその言いぶりは、経験者のそれだから。
 あの腰に、ジンとくる蕾への愛撫は、思わず声が出てしまう。その気持ちはよく分かる。

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「雀ちゃん可愛い……」

 腰を跳ねさせて、くねらせて、その口からは甘い声を漏らす。
 そんな恋人の姿を見てしまっては、興奮しない訳がない。

 快感を与えられる事に慣れていないその身体には、慣らす行為や休憩が必要なのも頭では理解している。
 しているのだけれど、頭にある理性が目にみえて萎んでいくのを感じる。

「もっと、可愛いとこ見せて……?」

 わたしのセリフへの返事なのか、はたまた、快感に耐えるための仕草なのか。彼女はいやいやをするように首を振って、シーツを握りしめる。
 そして、思い出したかのように、自分の甘い声を漏らす口を覆う手。

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 ――そういう仕草も、そそられるし、すごく可愛いんだけど……。

「口、塞いじゃダメ」

 手を外させて、その唇にキスを落とす。

「手があったら、キスできないでしょ?」

 間近で囁いて、もう一度口付けを交わすと、雀ちゃんが縋るようなキスをしてきた。
 まるでこちらに快感を伝染させるようなそのキスに脳が痺れていく中で、口を塞いでいた手に指を深く絡めて、捕まえる。
 これでもう、声を阻むものはない。

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 キスを解けば、とろりと唇同士を繋いだ銀糸。
 目にしたそれがプツリと切れて、彼女の唇へと落ちる。

 舌を絡めるキスでどちらのものとも分からなくなった口内の唾液を飲み下そうとして、脳を過ぎった妙案。
 わたしが行為をされる側のときに、時折、雀ちゃんがしてくる行為。

「もう一回」

 キスを要求すると、素直に声のする方へ顔をむけてくる彼女。唇を塞いで、彼女の唇を舐めていつものように舌を伸ばしてゆく。
 彼女の唇がわたしのそれを迎え入れるよう開かれた隙に、舌を伝わせ流し入れるは、口内の唾液。
 気が付いた雀ちゃんが「んん」と声をあげるけれど、わたしは舌を引き抜いて、命じた。

「飲んで」

 見下ろした喉が、ごくりと上下に動いた。

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