隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 3話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


←2話

4話→


=====

 いま、ですか……?

=====

 ~ 湯にのぼせて 3 ~

=====

「……だからそろそろ上がりましょうって何回も言ったのに……」

 呆れたように言って私が見下ろすのは、部屋の床。畳の上に大の字に転がっている愛羽さんだ。
 浴衣の裾が肌蹴て脚が覗くのも構わず、茹蛸のように真っ赤になった顔で「あ゛づい゛ー……」と唸っている。

 愛羽さんが真っ赤な原因は、もちろん、温泉。
 肌をすべすべにするのだとか言って、熱いお湯が苦手なくせに頑張り過ぎてしまったのだ。

 ホントに暑くて仕方ない状態らしくて、普段しっかり髪を乾かす彼女なのに、もう大まかにしかドライヤーをあてていなかった。だから今は少し湿り気のある髪。

 こんな状態でも畳の事は気遣えるらしくて、乾いたタオルを頭の下に敷いてから寝転がっているのは流石だ。

=====

 普段、あれだけしっかりしてるのに。
 まぁ……羽を伸ばせている証拠かな。

 彼女を見下ろしながら小さく笑って、自分の荷物から財布を取り出して部屋の鍵と一緒に持つ。

「ちょっと散歩してきます」
「……はぁぁい……」

 その力無い返事に、すぐ戻りますね、と苦笑を零して部屋を後にした。
 向かった先は、自動販売機。
 のぼせあがった彼女にはスポーツ飲料水が一番だろう。

 お風呂の帰りに買えたらよかったんだけど、二人分の荷物とフラフラの愛羽さんを抱えるので手一杯だった。それに、お金も持ってなかったしね。

 自動販売機の前に到着すれば、予想通りスポーツ飲料水が一番上の段一列全部に並んでいる。
 それだけ需要があるんだろう。

 とりあえず、それを2本と自分が飲みたかった炭酸ジュースを1本買って、部屋へと戻った。

=====

「……ぅおぉかえりなさぁぁい……」
「なんですかそのヘンな声は」

 相変わらず力無い声だ。間延びしたおかえりなさいに、ただいまですと返しながら部屋へ入れば、愛羽さんが移動している。冷房の風が直接当たる場所へ。

 風通しが良い場所を見つけるのが上手い猫のようなその行動に目元を緩めながら、彼女の傍へ行く。やはりまだ暑いのか、浴衣を肌蹴て火照って色づいている肌を露出させまくっている。

「生きてますか?」
「なんとか」
「じゃあハイ」

 短い会話の後、私は彼女の曝け出された太ももにスポーツ飲料水を押し当てた。

=====

「っんひぁッ!?」

 冷たかったのだろう。跳び上がった愛羽さんの口からは、驚きの声が漏れた。が。

 ……ええと……驚きの……声にしては……その、なんか、エロいんです……けど。

「……」
「……」

 目を丸くして、愛羽さんのエロ声に赤くなる私。
 自分のエロ声に自分でも驚いた愛羽さんが口を押さえる。

 数秒見つめ合って……先に動いたのは、私だった。

=====

 病人みたいなものだから、とさっきから見過ごすように努力していたけれど。

 浴衣の裾から覗くほんのり赤く染まっている肌が、どれだけ色気があるのか。
 湿り気を帯びた髪が、汗を刷いた額や首筋に張り付く様が、どれだけそそるのか。

 愛羽さんは自覚した方がいい。

=====

 彼女の太ももに押し当てていたペットボトルから手を放せば、それは彼女の肌を伝って床へ転がり落ちる。
 瞬間的に彼女の肌を冷やすそれに「冷たっ」とさらに声を上げる彼女に、馬乗りになった。

「ちょ……!?」

 彼女の顔の横に片手を着いて、ゆっくりと身を屈める。

「愛羽さん、誘い過ぎ」
「え、誘……? ち、違うって!」

 私の言葉に焦ったように首を振る愛羽さん。その目は、私が”その気”になったことを察知して、若干狼狽えている。
 徐々に彼女へと近づいて、肘と腕を畳へ着けて、いつでも唇を奪える距離と体勢を作る。

「す、雀ちゃん?」
「はい?」

 引き攣った顔の愛羽さんに、にこりと間近で微笑む。

「も、もうすぐご飯だよ?」
「だから?」

 更に顔を近付けようとすると、愛羽さんの手が私の胸に当たって押し返そうと抵抗を見せる。
 のぼせているくせに、まぁまぁ力がある。

=====

 それならば、と。
 油断している下半身。その隙を突いて私は膝を彼女の脚の間に滑り込ませた。

「あっ」

 今気付いても遅い。
 焦ったように短く声をあげて、脚を閉じる愛羽さんを見下ろしながら、容易く、膝を彼女の下着と密着させることに成功する。
 その瞬間の、表情の変化がまた、色っぽい。

 愛羽さんは自分で気が付いているのだろうか。
 大きく瞳を揺らして、それに期待の色を足す自分のカオに。

=====

 畳へ裾を広げる愛羽さんの浴衣に、クシャリと皺が寄る。
 その様子もまた扇情的で私を煽るのだ。

「ねぇ、愛羽さん」

 膝を押し当てるそこは、のぼせている身体だからか、熱い。

「気持ちいい事、しましょうか?」

 強めに当てた膝の動きを止めようと、彼女の脚が閉じる力を増し、胸を押し返す力も大きくなる。
 ただ、それらとは反比例するように、愛羽さんの瞳が色欲に潤う。

「嫌?」

 嫌だ、なんて返事がある訳がないと、その瞳に確信を感じながら低く問い掛けた。

=====

 真っ直ぐに見下ろす私の瞳から、逃げるように愛羽さんが視線を泳がせる。
 湯にのぼせ、火照った顔がまた別の理由で頬を染めてゆく。

 その羞恥すら、快感は凌駕するものと示唆するように、膝をくいと押し当ててやる。

「ン、く……」

 ピクリと身体が震えて、愛羽さんの唇から甘声が漏れた。
 あぁ……可愛い。

 もっと、可愛い声、頂戴。

 腹の底から頭を擡げる支配欲。
 彼女が、今すぐ、欲しくて堪らない。

 そこに、声。

「失礼いたします。お食事の準備をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

 ……。

 ……正直、全くよろしくないです。

=====


←2話

4話→


※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※


コメント

error: Content is protected !!