隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 17話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 矛盾した要求。

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 ~ 湯にのぼせて 17 ~

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 わたしは自分の湿った下着を片手に握り締めて、ずり、と座った状態で彼女から遠ざかった。
 なぜって?

 雀ちゃんが、「悪い子にはおしおきしないと」とか目は笑っていない笑顔で言って、わたしの方へ膝立ちで進んできたから。

 そ、そりゃあ肘鉄したのは悪かったかもしれないけれど、軽くだし、そもそも、あんな変態くさいこと言わなきゃわたしだって肘鉄なんか炸裂させてない。

 なのに。

 雀ちゃんは迫ってくる。

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「待」
「待ちませんし、お仕置きしますからね」

 全て言わせてもらえないし、否定されるわたしの言葉。
 その表面上にこやかな顔に、こちらは引き攣った表情を返すと、いきなり、雀ちゃんはわたしの足首を掴んだ。
 右手で左足首。左手で右足首。それぞれを掴んだ彼女は、唇を弧にする。

「お仕置きなんだから、感じちゃ駄目ですよ?」

 か、感じちゃだめ? い、一体彼女はなにをしようと……?
 掴まれた足首と、膝でにじり寄る雀ちゃんを見返しながら、頭の中に疑問符を散りばめる。

 そんなわたしを一瞥すると流し目で笑んだ雀ちゃんは、ゆっくりと、足首から膝まで手をすすすと移動させた。
 両膝の内側まで手をもっていった雀ちゃんは、わたしに向かって言った。

「手、後ろについた方がいいですよ?」

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「え? こう?」

 何の疑問もなく、自分の上体を支えるように後方へついた手。
 それを見届けたと同時に、わたしの膝は、開かれた。それはもう、パカッと。

 当然、裸のわたしは雀ちゃんの前に曝け出す形になって、悲鳴をあげた。彼女のアドバイスで後方へ着いていた両手でアソコを隠すけれど、雀ちゃんはゆっくりとその手へと顔を近付けてゆく。

 お仕置き、だなんて言葉を雀ちゃんが使うから、場違いながら反省文とか始末書とかそんなことを考えていたわたしには突然すぎる展開。
 押し広げられた膝を閉じようにも、雀ちゃんの肩が入り込んでいて、閉じられないし、あれよあれよという間に、彼女はわたしが秘部を覆い隠す手にキスを落とした。

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 彼女が、自分の股の間に顔を埋めるその光景は、わたしにとっては羞恥心を極限まで煽るような光景だった。

「ちょ、ちょっと雀ちゃん!」
「なんです? この手、早く退けてくださいよ。お仕置きできない」
「お仕置きでもなんでもないじゃないこんなの!」

 ただのエッチの続きだ。しかも、ムードが無さすぎる。
 そう言って抵抗するように、手で堅牢な砦を秘部の前に建てる。

「なに言ってるんです?」

 全く貴女はまだ分かっていないんですか、とでも言いたげな瞳が、チラとこちらを見上げた。
 見下ろしていたところに、前触れもなく、上目遣い。普段見下ろされるばかりのわたしにとって、それは貴重で、新鮮で……不覚にも……心臓が跳ねた。

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 そんな乙女モードなわたしを他所に、雀ちゃんは言う。

「私が感じてもいいですよ、って言うまで愛羽さんは感じないように我慢する。それがお仕置きですよ」

 言うや否や、彼女は、わたしの手の指を舐めた。
 ヌル……と温かなそれが這う感覚に、1ミリだけ、指が跳ねる。わたしの反応を見たのか見てないのか……分からないけれど、雀ちゃんはさらに、指へ舌を這わせてゆく。

 指先を掬うようにして、爪、第一関節、第二関節を這い上がる。そして、指と指の谷に舌を捻じ込むように圧を掛けてくる。
 けれど、開かない指に諦めたのか、隣の指へと移り、今度は先程とは逆の順番で、指を下ってゆく舌。

 彼女の唾液に犯されてゆく自分の手と、彼女の動きを見下ろし、わたしは徐々に速くなってゆく鼓動を感じていた。

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 最初は、手を舐めるだけで感じないようにするだなんて、簡単なことだと思った。この手を退けさえしなければ、いずれは雀ちゃんが根をあげて、「お願いだから手をどけてください」とか言って、えっちが再開されるんだろう、と高を括っていた。

 でも、いざ、舐められ続けているとどうだ。
 ぬるぬると生き物のように動く舌と、彼女の口から熱く吐き出される呼気。さらに、見下ろす光景が、扇情的に、目に映ってくるではないか。

 指を全て丁寧に舐められて、手の甲の骨や筋を固くした舌でツツ……と辿られたときには、完全に、わたしの中には快感が走っていた。

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 ――う、そ……でしょ……。

 自分の口から今し方、快感の吐息が漏れたことに驚いた。
 そんなわたしを置き去りにして、雀ちゃんの舌はわたしの手首に浮き出る骨の上を滑る。

 基本的に、骨がある所の皮膚は薄くて神経に触れやすい。だから敏感。これはいつだったか雀ちゃんが教えてくれたえっち雑学。

 その雑学知識はどうも正しいらしく、クリクリと骨の浮き出たそこを舐める舌から受け取るのは快感だった。

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「愛羽さん」

 名前を呼ばれて、ハッとする。
 意識的に見下ろした先には、雀ちゃんの上目遣い。

「感じないでくださいね?」

 ”意地悪”としか表現できないその目が、にんまりと細められた。

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