隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 16話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ”じれったい” ”はやく”
 思えば思うほどに、身体は熱く欲して。

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 ~ 湯にのぼせて 16 ~

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 口から零れる吐息はすでに吐息ではなく、荒い呼吸にいつの間にかすり替わっていた。
 後ろから捕らえられたままの身体はどうしようもなく熱い。

 熱さの原因は間違いなく、雀ちゃんの手指から与えられる快感。それのせいで、脚はさっきからガクガクと、生まれ落ち立ったばかりの子鹿のように震えているのに、容赦というものがそこには存在しない。

「ん、ぁっ、……やぁっ」

 始めは我慢しようと思っていた声も、彼女の指が濡れた蕾を摘まむように弄れば、我慢できずに零してしまう。
 零すのは喘ぐ声だけではなくて、蜜壺からの愛液もとめどない。
 自分の下着が濡れて冷たくて、はやく脱ぎ捨ててしまいたいのに、雀ちゃんは執拗に、わたしの蕾を虐めるだけだった。

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 蕾を中心に、指がくるくると円を描く。
 濡れたそこは滑りがよく、基本的にはゆっくりと動いてゆく指が時折、思い出したかのように速く円を描く。

「っァア……!」

 擦られた蕾は腰へと快感を滲ませるように広げ、蜜壺はじゅん、とまた涙を零した。
 涙がこぼれる瞬間。それは自分でも「あ」と分かる感覚が走る。だからこそ、よけい、身体が快感を覚える。

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「す、ずめちゃ……も、む……り」

 立っていられない。脚に、力が、入らない。
 ここは部屋の中央で、敷かれた布団の上。掴まるところも無ければ、寄り掛かる所もない。たとえ、それがあったからといって、立っていられる保証はないのだけれど、こんな何も無い所では無理難題すぎる。

「ほとんど、私の腕で支えて立ってるようなものなのに、それでも、立っていられないんですか?」

 揶揄うような声がクスクスと嗤う。
 そんなこと言ったって、無理なものはむりなのに。

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「なら、愛羽さん。ひとつ、言う事聞いてくれたら、座らせてあげます」

 嫌な、予感しかしない。
 乱れた息を整えながら、彼女の言葉に耳を傾けた。

「コレ、自分で脱いだら、座らせてあげます」

 雀ちゃんの指が蕾から離れて、ショーツの端を引っ張って弾き、ぱちん、と鳴らした。

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「な……」

 絶句。
 いや、声は一瞬でたけれど。

 自分で……脱ぐ、とか……恥ずかしい以外ない。

「無理なら、このまま、続けましょうね?」

 にこやかに、さわやかに、機嫌のいい声が後ろから投げかけられて、さらに、肩に口付けまで。

「どうします?」

 とか言いながら、雀ちゃんは愉しそうに、肩や首に何度もキスをしてくる。舌で舐められてもいないのに、びく、と反応してしまうわたしの身体はどうにもならないくらい過敏になっているのに。

 これ以上、立っていられないのは、明白なのに。

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「…………。…………。……、脱、ぐ」

 長い長い沈黙ののち、告げる。
 沈黙の間中、背中にキスの雨を降らせていた雀ちゃんが笑った。ふっと背中に息がかかって、分かる。

「いい子ですね」

 なにが、「いい子」よ。
 わたしに選択肢なんて、与えてないくせにっ。

 噛みついてやりたくなる。
 けど、その低めの良い声で言われると……格好良いし……「ぐぅ…。」となる。口を噤まざるを得なくなると言うかなんというか。

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 良い様に扱われている感がものすごくあるんだけれど、仕方ない。だって、イニシアチブは完全に彼女にある。

 わたしはゆっくりと、下着に、手をかけた。
 「脱ぐ」と言ってしまったからには自分で脱ぐんだけど、ゆっくりしたって仕方ないって分かってるんだけど、……じりじりと脱いでしまう。

 下着の両サイドに親指を掛けて、ずるずると引き下げる。その瞬間にも、内太腿に濡れた布が触れて、愛液を擦りつけるように下へと下がってゆく。

 ――恥ずかし、すぎる……。

 羞恥で顔から火が出そうだし、頭から湯気があがりそう。
 太腿を通り過ぎると、もう下着をひっかけるものがなくなって、それはぱさりと布団の上に落ちた。

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 羞恥を堪える為噛んでいた下唇を解放して、後ろへ言う。

「ぬ、脱いだんだから座らせてっ」

 恥ずかしさの余りに口調を強める。
 そんなわたしの台詞を聞いているのか、いないのか。

「……失敗した……」

 なんて言葉が、落胆した声で呟かれた。
 わたしに何か訴える訳ではなくて、ただの独り言だと思わせるような言い方のそれに、羞恥も軽く薄らぎ、彼女を首だけで振り返る。

 すると、困ったような、落ち込んだような顔。

「恥ずかしがる愛羽さんの顔がみたかったのに。この体勢じゃ見れなかった」
「~~~っばか!」

 この体勢だから出来る。
 わたしは雀ちゃんのボディに肘鉄を打ち込んだ。

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