隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 101話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 直らない癖と快感。

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 ~ 湯にのぼせて 101 ~

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 散々それまで愛撫し尽くした愛羽さんの蕾をさらに、愛撫する。
 そうされると一体どんな感覚なのだろう。気になるものの、自分も同じ事をされたいとは思わない。
 なぜなら、こんなにも悲鳴にも似た、声にならない喘ぎ声をあげるほどの快感に、私は耐えられる自信がないからだ。

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 最奥を指先で押すようにして刺激していると、なんだか自分の指が伸びたような感覚を覚えた。
 一瞬、何事かと焦ったけれど、そういえばどこかで聞いたことがある。女の人の身体は気持ちがいいと子宮がさがってくるとかなんとか。

 その知識を知ってはいたものの、若干、半信半疑だった。

 でも、本当だったらしい。

 私の指がいきなり伸びる訳はないだろうし、愛羽さんの愛液にそんな効能はない。

「んっ、んぅ……ンンッ」

 そして、口を手で塞いでいてもこの喘ぎ声の零れる感じようを見ていると、なんだかその半信半疑だった情報を確信しても構わないかと思ってしまう。

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 蕾を吸いながら舌で突かれるのが、そんなに気持ち良かったのか。なんて冷静に分析する自分がいる一方で、腰から背骨をのぼってくるゾクゾクする感覚に耐えられなくなりそうな程興奮している自分がいる。
 人体の神秘に触れたせいなのか、それとも頭上から聞こえる彼女の昂りきった声のせいなのか。

 たぶん、両者だろうと考えたとき、愛羽さんの喘ぎ声が口を閉じたものばかりだとふいに気が付いた。

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 しまった。

 と思い、蕾から口を離して、そこに埋めていた顔をあげて愛羽さんの顔を確認する。

 口を覆う手のせいで見えないけれど、多分その唇は喘ぎ声をガマンするためにきつく噛みしめられているんじゃないかと思う。
 いつも、血が出たらいけないからやめてくださいって言ってるのに、この癖はどうも直らないらしい。

 ナカに入れた指はそのまま動かしながら、体を起こして彼女の上に覆いかぶさるように移動する。
 口での愛撫がなくなったせいで、なんとか意識を保てるのか、愛羽さんはこちらに目を向けた。

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 どうしたの、というように見つめてくる彼女の手の甲にキスをすると、その意図が伝わったのか、すぃ、と目を逸らす愛羽さん。

「噛んじゃだめです」
「だっ、て」

 まだ荒い息をしながらも、手の下から少し言い訳がましくもごもごと言う愛羽さんを目で制して、その手を退けさせる。
 やっぱり下唇を噛みしめていたようで、くっきりと歯型が付いている。けれどそこに傷はないようでほっとした。

「……んっ、ぁ、す、ずめちゃんが、ぁっ、ん、わるいのに」

 ナカでは私の指が蠢いているせいで、言葉は飛び飛びになるし、喘ぎ声がまざる。そんな状態でも拗ねたように言い返してくる愛羽さんがなんだか可愛くて、私は小さく笑ってしまう。

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 その笑みを誤解したのか、愛羽さんは余計拗ねたように唇を尖らせた。

「ばかにしてる」
「してないですよ、すごく可愛いなぁと思っただけです」

 彼女が尖らせた口に軽く口付けてから、至近距離で笑んで見せると、不意を突かれたように少し目を丸くした彼女は照れくさそうにして、それを隠すように私に口付けを返してくれた。

 照れ隠しのキスをやっぱり可愛いななんて思いながら、彼女の唇を啄む。形がよくてぷくりと可愛いその唇にある僅かなへこみ。上の前歯の痕を舌でゆっくりとなぞった。

「…ん…」

 鼻から抜けるような甘い声を短く聞かされて、耳の奥がジンとなる。
 さっきまではすこし声の発生源から遠くなっていた。けれど今はとても近い。そのせいだろうか、一音だけの声に、ここまでゾクリとするのは。

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 興奮の高まりはキスにも表れて、彼女の下唇をゆるりと舐めていた舌は、いつの間にかその口内へと潜り込んでいく。探し当てた大好きなひとの舌と自分のそれを絡めて、まるで唾液を交換するかのように舌同士を擦り付けた。

 ――でも、まだ足りない。

 貴女の声ひとつでこんなにも昂ってしまうのだという事を伝えたくて、ナカの指にその役割を任せる。
 体勢を変えたせいで少し、最奥には届きにくくはなったけれど、頑張ればなんとかなる。手首や指が攣る覚悟で最奥から手前のざらつく壁までをストロークの始点と終着点にして、律動を繰り返す。

「アッ、ぁあっ、や、だ……ッ」

 私のキスを振り解いて、たまらないようにいやいやと首を振る愛羽さんはきつく瞼を閉じて、布団のシーツを縋るように掴んだ。

 その姿を目にするだけで、先程よりも心臓の音が速まる。
 改めて彼女に惚れているし、その声も姿も、仕草も、全部が好きなのだと頭の隅で再確認しながら、私は彼女のナカから指を完全に引き抜いた。

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