隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 10話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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 前の戯れも無く指は深く沈み。

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 ~ 湯にのぼせて 10 ~

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 入口を慣らすこともせず、最奥までズブリと深々挿し込んだ指に絡みつくナカの壁。
 温かなその感触が、いつもよりも熱いと感じたのは私の気のせいだろうか。

「んんンッ」

 下唇を噛んで嬌声を押し殺しながら若干背を反らす愛羽さんの指がショーツから外れた。自らショーツを横にずらして私の指を要求したあの衝撃は、今もまだ私を痺れさせている。
 その痺れを彼女へぶつけるように、ナカへ入れた指で内壁を押すようにしてひっかくと、入り口がきゅっと締まった。
 それ程、気持ちいいのだろう。愛羽さんは我慢できなくなったように荒い息とともに甘く蕩けた声を口から零す。

「ひ、あ……んぅ……っ」
「可愛い……愛羽さんのナカすごい締まりますよ」
「い、わなくて……いいっ……から」

 短く浅い呼吸の隙間を縫いながら、私を睨む愛羽さん。
 そんな顔すら可愛くて、指は入れたままに、私は彼女に体を近付けるよう座り直した。あまり手を動かさないようにと気を付けながらの移動でも、やはり、ナカの指に動きは伝わってしまうもので、愛羽さんが快感を堪えるように首を振る。

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 揺れる髪が肌蹴た肌にかかって、扇情的だ。

「前戯も無しに入れたのに、愛羽さん、気持ち良くなっちゃってるんですか?」

 問い掛けるよう言ったものの、彼女からの返答も待たず愛羽さんの口をキスで塞ぐ。それと同時に下では、抜き差しした指がぐちぐちとイヤラシイ音を立てる。

 別に意地悪でもなんでもなくて、言葉通り、まるで前戯もしてないようなものなのに、この濡れよう。

「愛羽さん、スゴイ音、聞こえますか?」

 数センチだけ唇を離して囁く。
 キスが途切れても瞼を開けない彼女は、私が指をくねらせ、わざと大きな水音を立てるとヒクンと肩を震わせた。

「ヤラシイ音」

 と一方的に言って、私は彼女の唇をまたキスで塞いだ。
 そうしながらも、頭の隅に存在する冷静なもう一人の自分が、「今日はやばいな」と静かに脳内で呟いた。

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 誰に聞かれる事もない呟き。もう一人の冷静な自分が何を指して「やばい」と言っているのか。

 それは私の行為の運びに、いつもみたいな余裕がない事だ。

 だって、いつもならば何か睦言を囁けば、相手の返事や反応を待ってから次のコトに移るのに、まったくそれが出来ていない。
 良く言えば強引。悪く言えば独りよがり。

 そんなセックスのどこに魅力があるのだ。

 今の自分がしているセックスを否定的に思うけれど、そう判断できるのは頭の隅に存在する小さな小さなもう一人の自分だけ。

 頭も、体も、熱くしながら愛羽さんのナカを蹂躙する私を、もう一人の冷静な自分は、制御する事ができない。
 興奮に滾った自分が突き動かす体を、セーブする事が……出来ない。

「……愛羽さん……可愛い……」

 虚ろにそう告げながら、私は彼女を貫く指をもう1本追加した。

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「んぁ!? ふ、ァッ、や……っ」

 増えた異物感。
 感じ取った愛羽さんの声が上擦って、同時に、逃げるように身体を反らす彼女。
 彼女が背を預けている座椅子の背もたれが、ギシ、と音を立てた。

 愛羽さんの反応にじわと満足感が込み上げるけれど、こんなものでは、彼女をイかせられない。

 まるで行為を急くような思考の私は、増やした指だけを曲げてナカの壁を押す。

「ン、あっ、ひぁっ!? やだぁっ」
「嫌なんかじゃないでしょう?」

 きゅうきゅうと私の指を締め付ける愛羽さんは、腰を引くようにしながら、私の肩に手を当てた。その手はどうやら、容赦のない快感を与え続ける私を押し返そうとしているようで、私は肩口に抵抗感を感じる。

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 やだとか言われたり、抵抗されると、余計興奮するんだって、何度言えば覚えてくれるんだろう。
 その可愛いさに呆れるほど”好き”が募る。

「気持ちよくしてって言ったのは愛羽さんでしょう?」

 突っ張る手を肩で押し返すようにこちらが軽く前傾姿勢になると、当然、下の手は深く入る訳で。

「んンンッ……!」

 堪え切れない程の快感が愛羽さんを襲ったのだろう。
 きつく目を閉じて、退けようとしていた私に縋るみたいに肩口の浴衣を必死に掴む。その姿が可愛くて可愛くて、もう……イかせたい。

 今しがた襲った快感が薄れないうちに、次の波を。

「もっと気持ち良くなって。愛羽さん」

 私はもう一本指を追加した。

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