隣恋Ⅲ~待ち合わせは企みの香り~ 11話


※ 隣恋Ⅲ~待ち合わせは企みの香り~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 絡み合う唾液に、脳が溶かされる。

 でも、それでいい。ただ貴女のことだけを感じられたらそれでいい。

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~ 待ち合わせは企みの香り 11 ~

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 もう何度、キスを繰り返しただろうか。
 一糸纏わぬ姿の愛羽さんを前にして、行為を先に進めなければいけないのに、先程から回数なんて数えられないくらいに、彼女の唇を、舌を、唾液を、貪っている。

 離れられないのだ。

 触れて、触れられて。
 追って、追いかけられて。

 好きの気持ちが溢れて、止まらなかった。

 今だって愛羽さんが伸ばした舌を迎え入れて堪能したあと、不意に呼ばれて、ほんのちょっとだけ止まっただけ。

「雀ちゃん……」
「……ん?」

 至近距離で見上げられ、その視線だけで、私の心拍数は上昇したと思う。
 そんな私へ、彼女は照れくさそうにはにかむ。
 さらに、

「好きすぎてキス、とまらない」

 だなんて、可愛い事を平気で言ってくるのだ。

「……ぅ……」

 ――そういう……ことを……。

 平気で口に出来るひとだから、困るんだ。
 ただでさえ熱いのに、さらに身体の熱があがった。
 どっかから出火しちゃうぞ。と結構本気で考えてしまうくらい、一瞬でカッカと熱くなった。

 
 そんな状態を隠すように私がキスを深くしたものの、全てを見通しているように愛羽さんの口元がゆるく笑っている。

「……」

 大人の魅力……いや余裕というヤツなのだろうか。

 愛羽さんとの行為で、最初から最後まで完全にイニシアチブを握れたことがない。
 こんなふうにどこかで絶対、彼女の懐の深さを感じる時が多々ある。

「んん? なぁに?」

 分かっていて訊いてくるのは、大人の魅力というか、余裕というか。意地悪というか。
 そのどれもな気がする。

 悪戯っぽく弧を描くその目元をちらりと見たまま、私は自分の体を支える腕を、下へと忍び動かした。

「愛羽さん」

 イニシアチブを、取り戻す。

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 名前を呼ぶと同時に触れた繁み。
 恥骨辺りに手のひらを置くようにして、指を曲げながら這い進めた。

「え」

 唐突に触れられた彼女の身体は、当然ビクと跳ねるけれど、構ってやらない。
 繁みを抜け、ふくりと存在を感じる蕾を撫でて通り過ぎる。もちろん、愛羽さんはきゅっと目を閉じて息を詰めた。

 耐える様子に、私の背中をゾクと何かが走る。
 腹筋が勝手に締まるような感覚で、息が零れるけれど、構わない。

 蕾を過ぎた指をさらに丸めるように曲げ、辿り着いた目的地手前はもう、ぬかるんでいる。

「キスだけで、こんなに?」

 手首から曲げ、見つけた入口を押し開いて、進む。

「ぁっぁ」

 ずぶりと沈み込んだ指。
 短く叫んだ彼女は、浅い呼吸を繰り返しながら、挿れる際に見開いた目をまたぎゅっと瞑っている。

「……は……ん、ん……っ」

 それまでの甘い快感とは全く別種類のもの。そして、その突然の刺激に、身体がついてこないのだろう。

 呼吸が止まりきる波は遠ざかったのか。
 忙しなく胸が上下している。半開きの唇からは、呼吸につられるよう小さな声が可愛く零れ、もっと聞きたいと私に欲を抱かせてきた。

「すんなり、入るくらいですね?」
「言わ、ないで……っ」

 二本の指をすぐに飲み込んだ潤い具合は、かなりのもの。
 その滑りを確かめるように指を動かせば、愛羽さんのナカがきゅっと締まった。

 それが私の言葉に反応してのことなのか、物理的な刺激によるものなのか。

「濡れてる」

 原因はどちらでも構わないけれど、そのどちらもが関係しているのは明らかだろう。
 潤いの状態を口にした今の言葉にも、反応は示され、私の口角は持ち上がらざるを得ない。

「かわいい」

 さっきまでの余裕はどこへ行ったのやら。
 はふはふと忙しない呼吸を繰り返しながらも、こちらをにらんでくる愛羽さんなんか、こわくない。今の貴女はただただ可愛い。

 完全にイニシアチブを取り戻した私はゆっくりと、彼女の上から身体をどけた。
 開かせた脚の間へ起こした身体をおさめて、

「んっ、かわ……は……ぁっ……」

 頑張って、反抗しようとしている恋人のナカを、ひと撫でしてその口を封じる。

 いつものように、言い返させはしない。

 もう、貴女は、私の支配下だから。

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