※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 105 ~
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「てか今も、してます」
何か吹っ切れたのだろうか。
彼女は明らかにムッとした表情をわたしに見せた。
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なんだろう。
嫉妬をしている雀ちゃんの心境は、穏やかではないと察するが、わたしはそれが嬉しい。
「どういう所に、嫉妬したの?」
「親しげな所」
間髪入れず答える雀ちゃんは、年相応の嫉妬心をむき出しにして、指折り数え始めた。
「呼び捨ての所、愛羽さんが気軽にボディタッチしてる所、何か色々教えてもらってる所」
なんかもう、全部です。全部。
と締めくくった彼女は、耐えかねたようにわたしの唇を奪った。
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噛みつくような勢いのキスは、すぐに深いものに変わって、舌同士が絡まりあう。
粘着質な水音がたつと、浴室に反響して、軽く、項を痺れさせる。
先程までの情事の余韻もあって、すぐにその気になってしまいそうだから、わたしはトントンと彼女の肩を叩いた。
だけど。
「いやだ」
唇をほんのわずか、離した瞬間にそう告げた雀ちゃんに、すぐさま再び、唇を奪われた。
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いやだ。と、彼女は主張した。
あの、雀ちゃんが。
いい子過ぎる程、あの天使の雀ちゃんが。
――ぁ、まずい……。
ぽつ、と胸のうちで、零す。
零れた言葉が、ぽちゃんと心の水面に触れたとき、震えは一気に全身へと広がった。
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――あ、だめ、まって。待って待って。
わたしの全身に広がる感情の波に制止の声を掛けるけれど、止まらない。
だって、あの雀ちゃんが、こんなにも正直に、嫉妬をわたしに伝えて、さらに、怒ったように、拗ねたように、感情を行動に直結させているのだ。
そしてその行動は、支配的なキス。
彼女のキス自体から生まれた快感というよりは、わたしの感情から生まれた快感が勝る。
嫉妬してくれた。
それを伝えてくれた。
我慢しないでいてくれている。
以前より常々感じていた雀ちゃんの我慢。抑圧。
それを解放している姿を、わたしに見せてくれている。
――ちょっと、泣きそうなくらいに、嬉しいんだけど……。
年の所為か、涙腺が緩い。
ぽろ、と一粒涙が右目から零れた。
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どのくらい、彼女からのキスに浸っていたのだろう。
長かった、と体感時間は訴えているけれど、正確な分数は分からない。
ただ、お互い息はあがっているし、もうひと押しすれば間違いなくここでえっちが始まる。
そんな雰囲気も漂っているけれど、わたしの方が、限界だった。
「雀、ちゃん」
「はい」
「……のぼせた……」
彼女の驚く声が浴室に響いたのは、言うまでもない。
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