※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 98 ~
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雀ちゃんの脚に、腕を絡めた。
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「やっ、……ぁ、や、だ……っ」
そう言って、雀ちゃんが枕の方へ身体を逃がそうとし始める。
先程までは、どうにかこうにか、与えられた快感を甘んじて受け入れようと頑張っていた彼女だけれど、だんだん、抵抗するようになった。
まぁ雀ちゃんの心境を正しく表現するならば、抵抗せざるを得なくなってきた、といったところだろう。
「どうして逃げちゃうの?」
理由なんて分かっている。
いつも抱かれているわたしだって、絶頂の足音が聞こえてきたら、大好きな雀ちゃんの腕の中から逃げ出したい心境になるのだから。
なんというか……そう、訳が分からなくなるのだ。
居ても立っても居られない、という表現もあながち外れてはいない。
身体は熱くて、でも背中はゾクゾクして、頭は痺れてフワフワする。
その痺れた頭の中で考えられるのは、快感のことだけで、自発的には何も考えられず、何か言われると答えるために思考がのろのろと動き始める。そんな感覚だ。
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わたしの愛撫で、雀ちゃんがそこまで蕩けてくれているなら、嬉しいけれど、自信はない。
まったく、無い。
だけど。
「アッ、は…んっ、ンンッ」
わたしの自信の無さと反比例して、雀ちゃんの嬌声は掠れ、声高になってゆく。
最初は含まれていた余裕も、いつの間にか、声から消失していた。
「やだっ、ぁ……ッ、あ……っ」
雀ちゃんのナカへ埋め込んだのは、指一本のみ。それでも、彼女の感度の良さに助けられて、こんなにも快感を与えてあげることに、成功している。
手の甲を伝って、手首まで愛液は流れ、いつ落ちたのだろうか。気が付かなかったけれど、シーツには点々と染みができていた。
――こんなになるまで、感じてくれてるの……?
そう考えるだけで、胸が熱くなって、息苦しいくらいに切なかった。
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わたし以上に、息苦しそうな雀ちゃんは、喉を引き攣らせるようにして、嬌声の間に浅く速い呼吸を繰り返す。
枕の方へ逃げようとする身体を捕まえて、わたしは第二関節のところまで人差し指を引き抜いた。
指の腹に触れるザラつく壁。ここの壁がこんなにも分かり易い形をしていてくれて、助かった。なんて思いつつ、小さな凹凸が密集したそこを今までよりも強く圧す。
「アッアッ、や、やだやだ……っ」
雀ちゃんの抵抗がいっそう強くなって、もともとの力の差もあって、わたしでは長時間彼女を抑え込むのは難しいと覚る。
そうなると、やはり、短時間で、彼女を絶頂まで押し上げる必要があった。
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ナカではGスポットを。
蕾は唇をぴったりつけて、吸い上げて。
遠くでは雀ちゃんの嬌声が泣きそうな響きを含んで木霊している。
顔の両サイドでは、彼女の脚が本人の意思とは関係なくガクガクと震えて、わたしの頬にあたる。
「やだっ、あいはさんっ……や、だぁっ」
濡れ声の間に、わたしの名。
それを耳にした瞬間、項が痺れた。
そんな、声で。
名前を呼ばないで。
――加減が、出来なくなる。
吸い付いていた蕾に、硬く尖らせた舌を強く押し当てて、小さく上下に震わせる。
ナカを突いていた指を強く壁に押し当てて、そのままグリグリと壁を揺すった。
「ッアアアア……ッ」
最後は掠れて、声にならない声が、雀ちゃんの口から噴きこぼれた。
それと同時に、大きく一度跳ねた身体が、数瞬、硬直する。硬直の間は呼吸すら止まっていて、少し心配になるくらいだった。
わたしの心配をよそに、雀ちゃんの身体は硬直の直後から、小さく何度も痙攣を繰り返す。
浅く速い呼吸も再開されて、わたしは指を締め付けられながら、内心ほっと安堵の息をついた。
不安が払拭されると、胸の奥の奥から、雀ちゃんへの愛なのか恋なのか、それすら判断がつかないような熱い感情が溢れてきて、妙に、心臓の音が大きく聞こえてくる。
充足感というのか、なんなのか。
名前も付けられない感情が込み上げて、わたしの目尻から一粒、涙が零れた。
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