※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 91 ~
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覆い隠す手を押しのけたわたしは、そこへ唇を寄せた。
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「待っ」
まだ抵抗しようとする雀ちゃんを無視して、ぷっくりと充血して存在を主張する蕾へ口付けた。
鼻にあたる茂みがくすぐったくて、このまま続けていたらクシャミを出してしまいそう。
わたしが蕾へ触れた途端、腰を大きくビクつかせた雀ちゃんは、声も出せなくなってしまったのかもしれない。呼吸の音すら聞こえなくなって、どうやら息を詰めているのだということは想像できるけれど、この位置からでは、それ以上の情報は入ってこない。
仕方なく蕾から唇を離して、股の間から雀ちゃんを窺うと、バチリと視線がぶつかった。
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彼女は、まさか顔を見られるだなんて想像もしていなかった様子で思い切りわたしから視線を外して明後日の方へ向く。
けれど、わたしは見てしまったのだ。
顔を背ける前の、雀ちゃんの蕩けきった表情を。
期待の込められた、潤んだ瞳を。
「ねぇ雀ちゃん」
「そ、こで喋らないでください……っ」
最初こそ詰まらせたものの、一息に苦情をぶつけてくる彼女の声には、羞恥心しか含まれていない。
「じゃあ、こっち見て」
甘さ控えめの声で告げる。いや、言葉を選び直すとすれば、命じる、というのが一番しっくりくる。
僅かに強めた語気に気圧されたのか、一瞬、雀ちゃんの目が見開かれた。その後一瞬の戸惑いを見せたものの、おずおずとわたしの顔へ向けられる視線。
多分、雀ちゃんから見て、わたしの顔は下半分は隠れて見えないだろうけれど、目と目が合えば十分だった。
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「そのまま見てて」
「む」
”む”の形に突き出された唇が、”り”の形に広げられる前に、すかさず被せるように言う。
「無理じゃないよね? いつもわたしに言うもんね?」
この台詞は、雀ちゃんに言うことを聞かせられる最強の台詞かもしれない。
でも実際、雀ちゃんはわたしによくこういう類の恥ずかしい行動を要求する。
見ててとか、自分でしてみせてとか。それを言われて出来ないというのならば、わたしは今後雀ちゃんの言うことは聞かなくて良いのだ。
だって、自分が出来ないことを、人に命令してはいけないのだから。
小さく唸ってハの字眉になった雀ちゃんは、真っ赤な顔のまま、わたしの目から視線を外さなかった。
――あ、意外とちゃんと言うこと聞いてくれる。えらいえらい。
頭を撫でて褒めてあげたいところだけど、今はちょっと、ここから手が離せないから、あとで撫でてあげよう。
そんな後ほどの計画を立てつつ、離れていた蕾へと唇を寄せる。
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「は……っ、ぅ、ア……ッ」
ぷっくりと充血したそこに唇をそっと触れさせるだけで、この有様。
見ていてと言ったのにも関わらず、雀ちゃんは視線を逸らして、半ば目を閉じ気味にした。
ここで次いで、「見ていて」と要求すれば彼女はそれに応えようとしてくれる。そういう性格なのは理解しているからこそ、そこまでは言わないでおく。
だってべつに、泣かせたい訳じゃないから。
ゆっくりと唇で蕾を撫でているだけで、腰をひくつかせる彼女が可愛いくて仕方がない。
いつの間にかわたしも閉じていた目を開け、視線を雀ちゃんの顔へ向かわせる。視線が辿り着いたそこには、わたしから与えられた快感に耐えかねて荒く息を吐いている姿。
――もっと、気持ち良くなって。
わたしはゆっくりと、唇の奥から舌を伸ばし、蕾に触れさせた。
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