※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 76 ~
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彼女の呼吸が落ち着くまで、その色情を感じさせて已まない姿を堪能した。
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「ちょっとは落ち着いた?」
「はい……」
恥ずかしそうに視線を逸らす彼女に、思わず笑みが零れる。
だって、可愛いくて仕方ない。
快感に翻弄されそうになった自分を恥じて、視線を逸らすだなんて。
今、彼女の頭の中では、先程のキスの回想や余韻でいっぱいな筈だ。
「じゃあ、もうすこし、えっちなキスしよっか」
わたしの言葉に、一気に顔を赤く染めた雀ちゃんは、一瞬だけ、こちらに視線を走らせては逸らし、小さく、またこくんと頷いた。
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わたしが顔を寄せる間、恥ずかしそうに視線を逸らして、唇が重なるよりずっと早くから目を閉じている様子は、なんとも初心で可愛らしいけれど。
一瞬こちらにむけられた瞳にある濃艶な色合いを見てしまったから、ただの初心な様子には見えない。
今の雀ちゃんは、興奮を燻らせ、更なる快感を待ち焦がれている純朴を装った大人の女に見える。
初心で、気持ちよすぎて泣きそうになっている姿にもぐっとくるものがあるけれど、それを隠しているが、隠しきれていない姿は更に、そそるものがある。
余計に、「だったらもっと、気持ち良くしてあげるわ」とわたしの欲情を煽られた気になってしまうのだ。
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重ねた唇をひとつ啄み、わたしは早速、雀ちゃんへと舌を伸ばした。
あんな瞳の色をしているだけあって、彼女も受け入れ態勢を整えるのは早い。伸ばした舌は温かい口内へすんなりと侵入を許された。
「ん……」
唇を抜け、歯を越え、そこで触れ合ったのは、熱く肉感的な舌。相変わらず熱いその舌にわたしのそれを擦り付ければ、彼女は躊躇いも少なく甘い声を漏らした。
雀ちゃんの耳元で披露した自発的嬌声が功を奏したのか、喘ぐ事に対するガードが弱まった気がする。
その協力的な姿に”好き”が込み上げて、舌を愛撫する行為にも力が入った。
尖らせた舌を小刻みに揺らして舐めたり、舌から力を抜いて広げてねっとり撫でたり、彼女の舌を咥えて扱いてみたり。そうして彼女の舌を口外へと誘い出せたら、アイスクリームを食べるように彼女の舌を愛してみたり。
自分の長い舌の性能を存分に活かして、雀ちゃんを愛撫した。
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一通り、自分の知り得る愛撫方法をし終えた頃には、雀ちゃんの顔は蕩けきっていて、わたしはそれを満足げに見下ろした。
どちらのものか分からない唾液でてらてらと光る雀ちゃんの口元を拭ってあげて、汗で額に貼りついた髪をかき上げて払う。
「だいじょうぶ?」
「……」
問い掛けの声が耳に届いたようで、虚ろだった瞳に色が戻ってこちらを見上げる。
数秒間、無言の雀ちゃんにもう一度問おうとした瞬間、彼女の手が、わたしの首へと回った。
声をあげる暇もなく抱き寄せられて、再び重なる唇。
驚いているわたしの口内へと、舌がぬるりと侵入してきた。
「ふ、っん……ッ」
まるで縋るように絡めた腕に力を込めて抱き締めてくる雀ちゃん。その様子から察するに、身体が疼いて仕方ないのだと覚る。
わたしにも、身に覚えがあるその感覚。
気持ち良くて頭が痺れて、理性が急速に小さくなってゆくのだ。そして一方で、快感欲求が大きくなる。それに支配されていく自身を、どうしようもなく見守るしか、術を持たないのだ。
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ぐじゅ、と卑猥になるキスの音が、その水音の多さを語る。
互いの唾液を交換し合うような深く激しい口付けが交わされ始めて何分が経ったのかも分からない。
ゆっくり行為を進めなくちゃと思うけれど、興奮でコントロールが利かなくなってきている部分もある。
彼女の頭部に添えた手が、くしゃりとその髪を掴むように握られているのがいい証拠だ。
痛くなければいいんだけど……と思いつつ、わたしはキスを解いた。
銀糸が二人を当然のように繋いで、名残惜し気にプツリと切れる。
見下ろしていたその扇情的な光景にゾクリと悪寒が走り、息を乱している雀ちゃんに「だいじょうぶ?」と尋ねるのも忘れて、わたしは汗を刷いたその肌へ唇を寄せてしまった。
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