※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 73 ~
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受け取りきれないものは迷惑だ。
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わたしのさっきまでのえっちは、独りよがりだったのかもしれない。
たとえばキャッチボールでも、相手が受けられない剛速球を片方が投げれば、受け損ねた相手は怪我をするかもしれない。
たとえば食べ物でも、食べきれないほどの料理を作られても、無理して食べればお腹を壊すし、食べきれなかった料理は余ってしまう。
それと同じことを、わたしはしていたのかもしれない。
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身体中に散らした華で雀ちゃんが愛情を感じてくれたらと思ったし、気持ち良くしてくれと訴えた彼女の言葉そのままに、快感を与え続けた。
相手のキャパや心の状態、総合的にみてから、わたしは与えるものを調整しなければいけない立場だったのに。
自分のしたいだけ紅華を咲かせて、与えたいだけ快感を与えた。
それでは、雀ちゃんが逃げたくなるのは当然だ。
そんなのは、愛が零れて流れ去る。
もったいないし、相手を傷つける。
――経験だって、年だって、わたしの方が上なんだからリードしなくちゃ。
彼女に微笑んでもらって安心している場合じゃないのだ。わたしが安心させてあげて、優しくしてあげなきゃいけないんだから。
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余裕を取り戻していた雀ちゃんの微笑みにほっこりしている自分を叱咤してから、ゆっくりと彼女と唇を重ねた。
頭の隅で、今夜は仕切り直しが多いなぁと情けなく思うのだけれど、こういう……言葉は悪いかもしれないが、”面倒な仕切り直し”が一夜に何度も出来るのはスゴイと思う。
わたしの経験では、えっちの最中でも雰囲気が悪くなれば、そのまま行為が終了してしまう事もあった。
まぁ男の人のモノの元気がなくなって、手でも口でもその元気を取り戻せない場合は、仕方がないとしか、言いようがない。
男性曰く、「男って生き物は繊細なんだよ」だそうだが、女性が繊細でないとでも思っているのかしらと、それを聞いた裏では、目を眇めたくなる思いだった。
そんな経験があったからなのか、こうして何度も行為をひとまず置いて、話をして、再開できるのは、雀ちゃんに対して敬意を抱く。
彼女の年齢でこういう事ができるっているのは、多分、彼女がわたしよりも精神年齢が高いからだ。
わたしが十九のころは、ここまで物分かりが良かったり、素直ないい子ではなかった。
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――そういう性格にも惚れてる部分はあるんだけどね。
胸中にて自分の心境を呟いてみれば、その胸に広がるさざ波のような恋情。浜辺に寄せてくる波のように底から湧きあがった愛しさを込めて、重ね合わせていた唇に意識をやった。
「ん……」
唇を軽く啄んで、舌を覗かせて彼女の下唇を舐める。早速彼女から声が漏れ出たのは、余裕を取り戻していても、身体の興奮自体はまだ残っている証拠。
舐めた唇が薄く開いた。それは彼女がわたしを受け入れてくれるサインではあるのだけど、もうすこしだけこの柔らかい唇を舌で、唇で、愛撫したい。
下の次は上。僅かに顎をあげて、上唇へと舌を伸ばす。左から右へ舌をゆっくり這わせていると、薄く開いていた彼女の唇はさらに開かれた。と、思った次の瞬間には、わたしの舌に触れる熱い感触。
待ちきれない。
そんな声でも聞こえてきそうな程熱い舌が、わたしの舌を誘っていた。
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