隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ 66話


※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 過去現在未来。嫉妬 66 ~

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 跳ねたのは、指と、声。

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 キスマークをつけようと吸ったのは、ちょうど、左心房の真上くらいだと思う。

 ――むかし、生物の授業でやったわねぇ……。

 心臓の構造を学校の授業で習ったけれど、左と右が逆になっていてややこしかった記憶がある。

「……ンッ……」

 わたしが雀ちゃんの胸の膨らみの左側の肌を吸うと、鋭く短くあがった彼女の声。
 それには甘い響きがすこしだけ混ざっていて、わたしの鼓膜を通して、脳をくすぐってくる。

 そして、それだけではない。

 雀ちゃんと繋いだ手。
 絡ませ合った指が、ぴくっと跳ねたのだ。

 痛みに反応しただけかもしれない。
 もしくは、急な行為に驚いただけかもしれない。

 そんな否定的な思考が湧きかけるけれど、耳の奥に残る雀ちゃんの短い嬌声が、否定的な思考を否定する。

 ――感じて、くれてる……?

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 そう思うだけでジンと身体の芯が熱くなってくるのだから、自分がどれだけ雀ちゃんのことが好きなのかがよく解る。

 強く吸っていた肌を解放すると同時に軽い水音が鳴り、肌に残った紅華が姿を見せる。
 鎖骨付近のキスマークよりもその赤みが薄いのは多分、気のせいではない。乳房は脂肪だからうっ血しにくい部位なのだろう。

 ――次はもっと強めに吸わなくちゃ。

 自然とそんな考えが浮かんだ自分に、呆れが混じった笑みを浮かべそうになる。
 本当に、自分がどれだけ彼女を好きなのか、解るというものだ。

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 少し薄い紅華でも、”好き”の気持ちは同じ。
 その紅を軽く舐めると、彼女の指がまたぴくんと跳ねた。

 こうして指を絡め、手を握り合っていると相手の反応がよく分かるということを、いま初めて知った。

 ――……ってことは……わたしもそうだったって、コトよねぇ……。

 えっちの最中に、心細くなって自分から手を伸ばして、指を絡め合ったことは覚えているだけでも何度かある。実際の回数はこの記憶している回数よりも多いということだろう。

 自分から恥ずかしいことをしていただなんて、と、どこからともなく沸き上がった羞恥心に耐えつつ、わたしは雀ちゃんの手を握る力を強めた。

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 繋いでいる手に、ぎゅっと力を込められると、わたしは好かれている事を余計に、実感する。
 だから、彼女もそうであればいいと願いつつ、こうして手に力を込める。

「好きよ。雀ちゃん」

 告げてから、彼女の柔肌へ再び唇を触れさせた。
 肌を幾度か啄んで、覗かせた舌で、今度は胸の頂きから遠ざかる方向へ愛撫を再開する。
 丁度、左心室の方だ。

 先程キスマークを付けた場所から、腹の方へと膨らみを撫で下ろしてゆく。ゆっくりゆっくり、舐め下ろしてゆくと、その膨らみがだんだんと小さくなっていくのが感じられて、まるで彼女の身体の寸法を寸分の狂いもなく測っているようだと妙な考えが浮かぶ。

 服なんて作ったこともないくせに、と己にツッコむ。やった経験のある裁縫は、やはり学校の授業だ。エプロンやナップサックを作った。あとはボタン付けや軽い補修くらいなものだ。

 だけど、出来るかどうかは別として。
 雀ちゃんにわたしの理想とする服を作ってあげられたら、多分、一秒たりとも目を離せないくらい、釘付けになってしまうだろう。

 ――今度、一緒に服を選びに行ってみるのもいいかも。

 なんて次のデートプランに思いを馳せつつ、彼女の肋骨を覆う肌を強く吸った。

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「ふ、ァッ」

 胸の膨らみや尖り付近に居た舌が、腹へと下ってゆくことで、彼女は油断していたのかもしれない。
 雀ちゃんの口から飛び出た嬌声は今日の中で一番大きい声だった。

 驚くと同時に、嬉しさの余り口元に笑みが浮かび、吸っていた肌を解放してしまった。
 ぢゅぱ、とイヤラシイ音を聴かせてしまった。でも、それ以上に。

「雀ちゃん、可愛い過ぎ」

 今の声だけで、理性の一割ほどがとんでしまうくらいだ。
 彼女が我慢することなく、可愛らしく喘ぐ声を聞かせてくれるときが来たら……わたしの理性は……最後まで絶対もたない。

「待……って……!」

 今だって、ほら。
 待ってと訴えて言う彼女を待つことも出来ずに、離してしまった肌に、食らいついているのだから。

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