※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 65 ~
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する事には慣れているくせに、される事にはてんで慣れていない。
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雀ちゃんは気持ち良くなるのを、我慢するクセというか、傾向というか、素直じゃないところがある。
わたしの予測では、こういう事をされる機会が極端に少ないからではないかと思っている。
まぁ要するに、場数を踏んでいないということ。
――だったら、わたしが場数を踏ませてあげる。
なんて思っているだなんて、雀ちゃんは予想もしてないんだろうなぁ、と密やかに肩を竦めた。
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前戯という前戯ではないけれど、気持ちを昂らせる行為が続いていたためか、彼女の胸の頂きは軽く尖っている。
こちらの心境としてはすぐにそこを口にしたいところだけど……そうもいかない。
だって、普段雀ちゃんに抱かれている時、彼女はそんなことしないもの。
必ず焦らす。
ピロートーク中になんでそうするのかと尋ねたことがあるけど、「その方が気持ちよくなるからですよ」とさらっと答えられた。
確かに気持ち良かったけれどと認めざるを得ないところがまたちょっとくやしい。
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そんなくやしさは置いといて。
わたしの下にいる彼女を気持ち良くさせてあげたいのは本当。
だってこんなに、可愛いんだもの。
胸の谷間に咲かせたキスマーク。わたしの唾液が微かに残っているそこへ舌を伸ばす。紅いそこをくるりと円を描くようになぞってあげるだけで、喉の奥で小さく声をあげる雀ちゃん。
――かわいい。そんな反応されちゃうと……もっとしたくなっちゃうじゃないの。
雀ちゃんにこんな心の声を聞かせてしまうとぎょっとされそうだから口にはださないけど。
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両腕の拘束を解かれた彼女は、どうやら口元へ手をやっているらしくて、微かにあげる声すら、くぐもっていて聞き取り辛い。
彼女の声を聞きたくてやっている部分もあるのに、その行為はいただけない。
「雀ちゃん」
胸から舌を離して、顔をあげる。
若干、とろけた表情をこちらにみせつつ、わたしの声に反応をしてくれた彼女を見下ろした。
「手。つないで?」
「へ……?」
素っ頓狂な声を出す雀ちゃんに笑いを誘われるけれど、軽く咳払いをして、目を丸くしている彼女の視界へ、広げた手を差し出す。
両手ともを繋ぐことはできないけれど、片手なら。
左手を差し出すと、絡まってきてくれる雀ちゃんの右手。指と指を絡めて握った。
そうしたまま、肘をつくと、わたしは再び彼女の胸へと視線を戻す。
こうして片手を繋げば、雀ちゃんの口を封じる為に使用できる手は片方だけになった。
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胸に咲くキスマークの数に不満を覚えて、わたしは次に咲かせる場所を探す。すでに咲いているキスマークに舌先をあてて、そのまま、左へずらす。
「っ」
喉奥で詰めた声が微かに聞こえる。
そ知らぬふりをして、胸の膨らみである坂道をゆっくりと舌は進む。まっすぐに坂を上っていく舌が辿り着く先は、ピンクに色づいたそこだと言うように。
――ゆっくり。ゆっくりね。
心の中で、自分に言い聞かせる。
そうしなければ、わたしはすぐにこの坂道を上りきってしまうから。
――目的は、そうじゃないでしょ。
期待からか、わずかに質量を増したようにぷっくりした尖りに、今すぐこの舌をあててしまいたい。
欲望を抱く自分を叱咤したわたしは、坂の途中で、その柔らかな肌に唇を押し付けた。
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