※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 63 ~
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頬は柔らかく、温かい。
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わたしの唇よりも熱いその頬にキスをして、そのまま横へ唇を流す。
辿り着いたのは耳で、そこも随分と温度が高い。
「好き」
吐息に乗せて囁いて、耳朶を唇で挟む。吸いながら軽く引っ張って放すと、雀ちゃんは気を落ち着けるように息を吐いた。
耳の輪郭を上から下に、舌先でツツツとなぞって、そのまま首筋へと舌を這わせてゆく。
耳から首へ移る愛撫に感じたのか、彼女は逃げるみたいに首を背けるけれど、わたしとしては、余計、やりやすくなってありがたい。
わたしが舐めている逆へと顔を背ければ、首の筋が、まるで舐めてくださいと言わんばかりに浮き出てくるのだ。
いつもわたしを抱いているのだから、反対を向けば首の筋が浮き出る事くらい知っていそうなものだけれど、やはり、する時とされる時では、勝手が違うのかもしれない。
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薄く開いた唇から覗かせた舌で、浮き出た筋を辿る。上から下へ。鎖骨まで辿り着くと、骨に沿って、中心から末端方向へ。
「んっ」
短い声は甘く、わたしの興奮を煽るけれど、興奮よりも先にやらなければいけない事が残っているので、なんとか堪える。
――ほんと、聞きなれてない声って…毒だわ。すぐ理性飛んじゃう。
内心呟きつつ、手を伸ばしたのは、雀ちゃんの両手を縛るストッキングの結び目。
「ぇ」
わたしの行動を予想できていなかった雀ちゃんが驚きの声をあげるけれど、手を掛けた結び目を緩めて、ストッキングを抜き取った。
そのまま外へ手を伸ばして、ベッドからぽとりと落とした。
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「い、いんですか……?」
「いーの」
なんで、駄目と思ったのだろう。そんなに愉しそうに縛っていたかしら?
彼女の肌から舌を離して、起き上がる。
雀ちゃんの太腿あたりにお尻をつけて、仰向けの彼女に向けて両手を伸ばす。
「きて?」
一拍ののち、雀ちゃんはわたしの手に、自由になった両手を伸ばした。
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わたしがひっぱり起こす必要もないくらい、すんなりと起き上がる。その鍛えた腹筋は伊達じゃないってことかしら。
彼女に起き上がってもらった目的はもちろん、ずっと着たままだったシャツとタンクトップを脱がせるため。
仮に逆の立場で、わたしが何かを着たままなら、雀ちゃんはもっとスマートに脱がせてくれるんだろうけれど……わたしには無理。
自分よりも大きい人から、衣服を剥ぎ取るのは結構力が要る。ただでさえ、自分の体重を支えることで精一杯なのに、それ以上の行動はだいぶ、難しかった。
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起き上がってくれた雀ちゃんの肩に手をかけつつ、顔を寄せると、彼女の方からキスをしてくれた。そして、当然のようにわたしの腰に手を回してくれる。
「ぅっ」
下着しか身に着けていないせいで、雀ちゃんの手の感触が、ダイレクトに伝わる。背に回っている雀ちゃんの手が、下着の際をスルリと撫でて、思わず声が漏れた。
慌ててキスを解いて、背中にあった両手を捕まえる。
「だめ。じっとしてて」
「ちょっと撫でただけなのに」
そのちょっとでも感じちゃうんだから、駄目。
「ちょっともだめ」
軽くにらむと、雀ちゃんは肩を竦めた。
まったく。自由になった途端、手がはやいんだから。
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彼女の肩からシャツを滑り落とすと、後ろ手に彼女が腕を抜く。脱いだシャツを雀ちゃんがベッドの外へ放っている間に、わたしはタンクトップの裾をたくし上げた。
「はい。ばんざい」
「……そんな子供みたいな言い方しなくても」
眉をハの字にしつつも言うことを聞いて両手を上げてくれる雀ちゃんが、なんだか反抗期の小さい子供みたいで、軽くわらう。
シャツに次いでタンクトップは、ベッドの外へ追い出された。
「子供にはこんなことしないから」
乱れた髪を撫でつけている彼女の唇を奪って、雀ちゃんの背中へ手を回した。
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