隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ 56話


※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 過去現在未来。嫉妬 56 ~

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 改めて、見れば見るほど綺麗で、羨ましい脚。

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 わたしは自分の容姿に自信はないが、まーや蓉子さんによる評価では容姿は良い人間らしい。
 仕事を円滑に進めていくにあたって、外見は非常に重要であるからその評価はありがたい。

 しかし外見で契約を取れるはずもなく、最終的には頭で勝負なんだけど、話を始めるまでは外見が役に立つ。

 これは蓉子さんに教えてもらったことで、彼女曰く「綺麗にしていて損はない」らしい。

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 汚い格好と綺麗な格好の二人が居たら、とりあえずパッと見て、近付きたいと思うのは、綺麗な格好の人だ。
 それは人間の心理で、変わり者を除けば、大多数が綺麗な格好の人を選ぶから、「綺麗にしていて損はない」そうだ。

 そんな事項は、蓉子さんにとっては初級編、基礎も基礎なところで、さらにどういう仕草をすれば相手にいい印象を与えるのか、などなど、たくさん叩き込んでもらった。

 ま、それはさておき。
 そういう理由で小綺麗にはしているし、仕草なんかも普通の人よりは出来ていると自信がある。

 けれど、わたしには決定的に身長が足りない。

 蓉子さんやまーみたいに長身ならさぞ、格好良いスーツの着こなしなんかも出来るんだろうけど、わたしは日本人女性の平均身長よりも低い。
 中高生の頃はもう少し年をとれば、身長も伸びていくと信じていたけれど、わたしの背はそれ以上伸びることは無かった。

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 だから低身長は当然脚も短い。
 今こうして撫でている脚みたいに、すらっと長くて細い脚がわたしも欲しかったのに。

 ――うらやましい……。

 雀ちゃんの身長はわたしよりも随分高くて、並んで立てばわたしは顎を上げて見上げる必要がある。
 抱き締められるときは、すっぽり嵌って、いい感じに包み込まれるから心地良いんだけど。

 ――わたしも、こんなに長い脚がよかったなぁ。

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 羨望を込めて脚を撫で、それと同時に唇を滑らせる。
 見なくていいと言われてしまったものだから、目を閉じて、手や唇の感覚だけで彼女を撫でていくのも、なかなか楽しい。

 そんな感想を抱きながら、脚の付け根から膝までを指先で撫で下ろしてみても、長い。わたしの脚となんというか、こう、明らかに長さが違う。

「いいなぁ」
「……っ、…ぇ?」

 つい、口から零れた本音に、息を詰めていた雀ちゃんが聞き返した。
 なんでもない、と返してその脚に軽く歯を立ててみれば、雀ちゃんから短いが色気を帯びた声が上がった。

 やはり、脚は彼女の弱点なのかもしれない。

 引き締まった身体とはいえ、やはり女の子の身体だ。
 男性と違ってゴツゴツと硬くはない。

 柔らかさの中に筋肉を包み込んでいる身体を撫でて、先程歯を立てた箇所を強く吸う。

「っつ……」

 一瞬止まる息遣いの後、震えた息を吐き出す雀ちゃん。
 閉じていた目を開いて、咲いたであろうその紅華を確認する。

 白い肌に、小さく紅く咲いたそれは、よく映える。

「雀ちゃんはスカート履かないし、いいよね?」

 見えない場所になるなら、この綺麗な脚にも華を咲かせたい。

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