隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ 54話


※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 過去現在未来。嫉妬 54 ~

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 肩から落としたシャツがわたしの後ろ、つまり雀ちゃんの太腿あたりへ落ちる。

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 ――まぁ、シャツを脱いだからすぐ裸って訳じゃないんだけどね。

 心の中で呟いて、わたしはキャミソールの肩紐を、左だけ肩から外す。

 雀ちゃんの視線が、手の動きを追うように左肩へと移って、そのまま、裸の二の腕あたりを舐める。

 雀ちゃんの両腕は依然、縛られたままなのに、なんだか、わたしが犯されている気分になるその視線。

 普段ならキャミソールを脱ぐのは、腕をクロスさせて裾を握り、そのまま上へひっくり返すみたいにして脱ぐんだけど……、こんな時はやっぱり、色っぽくしたくなる。

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 今度は右肩の肩紐を外して、腕を抜く。
 痛い程強い視線を当ててくる彼女の瞳は、熱っぽく、鋭い。その瞳に真っ直ぐ射貫かれたら、多分、身体が震えてしまうんだろう。

 緩慢な動きでキャミソールを持ち上げ、脱いでゆくわたしの身体を舐めるように這う視線が熱い。

 裸のお腹が露わになって、さらにキャミソールを上へずらすと、下着が見えてくる。
 ゆっくり、ゆっくり、キャミソールから頭を抜いて、手を伸ばしてベッドの外へそれを落とした。

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 上はブラジャーで、下はタイトスカート姿。
 それもなんだかおかしい。

 妙な格好で居るのも気が削がれてしまいそうだから、わたしは彼女の身体を跨いだまま膝立ちになって、スカートのホックを外して、ファスナーを下ろした。

 その間も、雀ちゃんの視線はじりじりとわたしの身体を焦がして、不覚にも、服を脱ぐだけなのに、こっちのほうが興奮してしまった。

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 ――そういえば、わたしが見ててって言ったんだっけ……。

 片脚ずつスカートを脱いで、下着姿で、手をのばし、ベッドの外へと脱いだそれを落とした。

 見ていてと言ったものの、ここまで熱っぽく見つめられるだなんて予想してなくて、正直、恥ずかしさも出てきて顔が熱い。
 たぶん、赤いけれど、それが月明りで判別できるかどうかは分からない。

 下着姿で再び彼女の下腹に座ると、素肌に触れる服の感触がごわごわする。
 彼女は依然、シャツをはだけて、タンクトップを胸下までたくし上げた状態のままだから。

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「雀ちゃんも、脱ごっか」

 鋭く熱っぽい瞳がやっとわたしの顔を向く。真向からその瞳の中に燻る炎をみてしまうと、やはり、予想通りに身体が震えた。

 ――なんで、そんな……目付きが変わるのよ……。

 さっきまでちょっと涙ぐんだりとか、してたくせに。

 肉食動物が獲物を狙う時の目みたいに、獰猛で、鋭くて、熱いそれに早変わりしている。

 手近にあった彼女のベルトに手をかけつつ、逃げるように視線を逸らす。あんな目の雀ちゃんと見つめあっていたら、心臓が爆発してしまう。

 今でさえ、わたしの心臓は全力で走ったあとみたいなのに。

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