※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
===============
~ 過去現在未来。嫉妬 53 ~
===============
重ねた唇が溶けてしまうかと思う程、時間が経った。
===============
最初は慈しみ合うような口付けだったはずなのに、いつの間にか、角度を変えて口付け、舌を絡め合わせていた。
玄関でのキスより、ベッドに来た時のキスより、気持ちが昂っているせいか、甘くて気持ちいい。
お互いに呼吸が乱れても、息苦しさを感じても、わたしたちは止まらず口付けを交わし続けた。
===============
それでもやっぱり、酸欠には勝てない。
唇を離して、はっ、はぁっ……と酸素を貪るように空気を肺に入れた。
「あっつ……」
上に覆いかぶさっていたわたしの方が優位なキスをしていた為か、息の乱れを整えるのは比較的早かった。
体温上昇に耐えきれなくて、雀ちゃんから体を離して、とりあえず、彼女の下腹あたりにまた座る。
気付けば、ジャケットすら脱いでいなかった。そりゃあ暑いわけよね。
===============
まだ蕩けたカオをして息を整えている雀ちゃんを見下ろす。
軽く横を向いて、胸を上下させているその姿は、シャツがはだけているのもあって、わたしの目には扇情的に映る。
彼女から視線を外さないまま、ジャケットを脱いでベッドの外へ放る。皺になってしまうかもしれないけれど、もう、いい。
今は、雀ちゃんの事だけを考えていたい。
===============
ジャケットを脱いでもまだ暑さが身体にある。
酸欠になりかけるまでキスし続けていたんだから、そうなるのも当然か。
そのままシャツに手をかけ、スカートから裾を引っ張り上げて外にだす。いつもえっちのとき、自分で脱ぐ事態になったら照れてすんなり脱げないんだけど、今日は、別。
暑いのもあるけれど、雀ちゃんと裸で抱き合いたい願望が羞恥よりも前面にあって、迷う事無くシャツのボタンをすべて外した。
===============
その頃になると、雀ちゃんもようやく呼吸が整ったようで、瞳はまだ少し呆けた色を残しつつも、こちらに視線を向けてくれた。
「ぅ」
途端に、喉の奥で押し殺しきれなかった声をあげる彼女。
その視線は、わたしの顔からすすすと下りて、胸あたりで釘付けになっていた。
――あ。そゆこと。
自分の唇がゆるく弧を描く。
まったく、分かりやすい反応してくれちゃうんだから、可愛いったらない。
===============
彼女のクセで、わたしに対して色気を感じてたじろいだ時に必ず、小さく呻くのだ。
まるでマンガの登場人物のようなクセだけど、わたしからしてみると、今彼女が何をどう感じたのか手にとるよう分かって、ありがたいクセでいいと思う。
「見たい?」
視線を外すことも出来ずに、いわゆる釘付けになっている雀ちゃんがゴキュ、と音を立てて唾を飲み込む。
さっきまで深いキスをしていて、多分あそこにはわたしの唾液も混ざっていたのに。あんな盛大に飲み込むだなんて。
少し前に玄関で、自分が雀ちゃんのそれを飲んだ記憶が蘇って、背中と、子宮が、じんと痺れた。
あの、飲み込んだときのなんとも言えないゾクゾクする感覚は、忘れられない。
甘く痺れた身体をはやく彼女と重ねたい。
だけど、こうして彼女の視線を独り占めしているのも、悪くない。
「見てて……」
わたしは雀ちゃんの顔を見つめて。
雀ちゃんはわたしの身体を見つめて。
腕を抜いたはらりとシャツが、わたしの後ろへ落ちた。
===============
※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※
コメント