※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 46 ~
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彼女の全身を紅華で染め上げてしまいたい。
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鎖骨辺りにいくつも紅華を咲かせていると、雀ちゃんがわたしの名前を呼ぶ。
付き合い始めて、いつまで経っても「愛羽さん」と呼ぶ。
わたしの名前の後ろの「さん」が取れるのは、今のところ、ベッドの上で彼女が興奮しきったときのみだ。
「好きな気持ちの分だけ、つけさせて」
「で、でも……」
でも、なに。
そんなふうに目元を赤くして言われると、逆に抑えがきかなくなりそうよ。
心の中だけでそう返しながら、またひとつ、彼女の肌に華を咲かせた。
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左手でシャツのボタンを全て外して、前をはだけさせる。雀ちゃんはシャツの下に黒いタンクトップを着ていて、引き締まった体をいっそう際立たせていた。
タンクトップの胸元に指を引っ掛けて、軽く、下へ引っ張る。ちらりと覗く、下着。
彼女は普段ボーイッシュな出で立ちをするけれど、下着は女性のものをつける。
――そこは、蓉子さんとは違うのよねぇ。
蓉子さんは体が男で、着るものは全部女物だそうで、下着もショーツを履いているのだそうだ。
履けるの? とつい、口が滑って聞いてしまったのだが、蓉子さんは気を悪くするどころかなんでもない事のように、はみ出るからはみ出したまんまよ、と言っていた。
なんというか、聞きたかったけれど、聞いてしまったら妙に生々しくて、口を滑らせなければよかったと若干後悔した。
ま、そんな蓉子さんの話はいいとして。
小振りながらも形のいい胸を包む下着の際に唇を押し当てて、強く肌を吸う。
頭上で、小さく声があがるけれど、わたしは気にせず、より一層、濃い痕をつけようと力を込めた。
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ちぅ、と音を立てて肌を解放すると、今日つけたどのキスマークよりも濃いそれに満足する。
咲いたばかりの紅華をぺろりと舐めあげると、雀ちゃんの身体がぴくんと震えた。
うん。そんな反応してしまう気持ちはわかる。
いつもわたしはされる側だから、キスマークをつけるときの一瞬の鋭い痛みのあとを熱の篭った舌で撫でられると、そのギャップに快感が増幅されるのだ。
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「可愛い、雀ちゃん」
指で引っ張っていたタンクトップをもとに戻して、今度は腹の辺りからその下へ手を滑り込ませた。
「……」
声をあげたことなのか。それとも体を震わせてしまったことなのか。
恥ずかしそうに下唇を噛む顔を見ると、余計、そそられてしまう。
肌を撫でると同時に押し上げるタンクトップから露わになったお腹。
筋トレや腹筋をしている姿は見たことないけれど、引き締まったそこは、彼女が力を入れるだけですこし、割れる。
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いつも思う。
こんな腹筋をしている雀ちゃんから見て、わたしのぽよぽよのお腹はさぞ、だらしないのだろう。
や、わたしだって、毎日体重計には乗ってるし、200グラム以上増えたら翌日のご飯は、どれだけお腹が空いても少な目にしてるもん。
だけど……若さなのか、元々の体質なのか、それともわたしの努力が足りないのか。
このお腹はぽよぽよ。触り心地は保証する。
――うらやまし。
愛情7割、羨望2割、恨み1割で構成された紅華を、おへその横に咲かせた。
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