※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 45 ~
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脱いだストッキングで両腕を縛り上げると、予想通りに、焦っている。
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ここまでくれば、攻守交替はまずないだろう。
一応のひと段落ということで、わたしはずっと気になっていた事について、話を始めた。
やっと、この話が出来る。
「いい子過ぎなくていいのよ?」
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聞き分けの良い恋人。
甘えさせてくれる恋人。
わたしの為に頑張ってくれる恋人。
世の中の女性に、こういうタイプの人はどう? と尋ねれば必ず、理想だわ! と返事をもらえるだろう。
実際、わたしだって話を聞く分には、確かにそんな人物がいれば付き合ってみたいと思っていた。
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聞き分けの良い恋人。
甘えさせてくれる恋人。
わたしの為に頑張ってくれる恋人。
しかしふと、この三つと雀ちゃんを見比べてみると、まるでこの条件に見合うではないか。
理想の恋人。
表面上だけでは、だ。
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一瞬だけ見せる不満そうな表情が、いつも気にかかっていた。
不満なら不満だと言えばいいのに、それをしない雀ちゃん。
わたしが我慢をさせているのだ。
どうすれば我慢させないで済むのか。
もう少し付き合いが長くなれば、自然と言いたいことを言ってもらえるようになるのか。
でも……そんなふうに我慢をしている雀ちゃんは、わたしと長く一緒に居たいと思ってくれるだろうか。
そもそも、我慢の限界、という言葉もあるくらいだから、いつか突然、彼女の堪忍袋の緒が切れて、わたしは捨てられる。そんな想像は容易く出来て、心が凍てついてしまいそうになる。
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年上だから、無意識に圧をかけてしまっているんだろうか。
年が離れているから、気安く話ができない関係になってしまっているのだろうか。
社会人と学生という立場の差を、必要以上に意識させてしまっているんだろうか。
人よりも察する能力はあると自負しているけれど、なんでもかんでも、分かる訳じゃない。
言ってくれなきゃ、分からない。
でも。
言えない雰囲気を、わたしが無意識に作っているのかもしれない。
だからその裏返しで、えっちの時に、いう事をきかせたがる?
無理矢理な紐づけに自分でも首を横に振って、馬鹿な考えを打ち消す。
違う。
大切なのは、貴女なの。
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混乱を絵に描いたような思考の乱れ。
何を言いたいのか、何を言ってはいけないのか。わからなくなる。
落ち着きを失くしそうな自分を叱咤して、言い聞かせる。
違うわ。
今、一番大切なのは、雀ちゃん。
その彼女をわたしが傷つけたのだから、それ以上の愛情を伝えるの。
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愛情を伝える方法を教えてくれたのは、目の前の彼女。
愛おしさを形にして、相手に刻む。
以前、キスマークをつけられるのは嫌いじゃないと言っていた、彼女の言葉に気遣いからの偽りが無いことを信じて。
「わたしの気持ち、受け取ってね。出来るだけ、見えない所につけるから」
これで嫌がられたら、なんて過ぎった不安を見ないフリをして、雀ちゃんの肌に唇を押し当てた。
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