※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 39 ~
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演者の演技には、やはり、限界がある。
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愛羽さんに嫌われたくない。面倒な奴だと思われたくない。
だから、独占欲や嫉妬が全くない訳ではないが、さらっと流せる人物を演じる。
でも、私のキャパシティが少ないせいで、演技に……理想の人物像にヒビが入った。
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「いい子過ぎなくていいのよ?」
私に覆いかぶさっている愛羽さんが、まっすぐに見下ろす。
視線を絡ませたまま、自分の瞳が揺れるのをはっきりと感じる。だって、愛羽さんが私の真意を見抜いているような物言いをするから。
「……」
何も言えない私の唇を奪ってから、愛羽さんは首筋に顔を埋めた。
静かな呼吸が肌に触れ、全てを見透かすような視線から逃れられた安堵もあり、私はゴクリと喉を鳴らした。
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下手くそな演技は、いつからバレていたのだろうか。
いやそもそも、バレているのだろうか。
あんな優しい目で私をみてくるってことは、バレた上で、無理をするなと言ってくれていたのだろうか。
万が一そうでなかった場合、私が素で振る舞うと、嫌われるのではないか。
まとまりのない思考が乱れて、自分の混乱が進んでゆくのを感じる。気持ちを落ち着かせないと、と焦れば焦るほどに、心臓の音が速まってしまう。
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「どうして、今日は上になりたがるか、分かる?」
心音がうるさいくらいに木霊している耳に飛び込んできた愛羽さんの声。
――どうして……上に……?
彼女の質問を繰り返してから、やっと意味を理解して首を横に振る。
ただ単純に、今日はSな気分だから攻めたいってコトじゃあないんだろうか?
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首筋に顔を埋めて私に抱き着くよう寄り添っている愛羽さんは、頭上で顔が左右に振られたのを動きで感じ取ったのだろう。
少しだけ照れくささを声に滲ませて、彼女は言う。
「わたしがどれだけ雀ちゃんが好きで、どれだけ惚れ込んでるか、分かってもらおうかなぁって思ったの」
だから……上に?
というか、私を抱くことが=好きだと伝える手段になるのだろうか。
いや、まぁそりゃあなる。私だって普段愛羽さんを抱くときは、好きだから抱くんだし、昔の私ならまだしも今現在の私は、好きじゃなかったらそういうコトをしたいとは思わないだろう。
「口で説明するより、見せたほうが早いかな」
抵抗、しないでね。
釘を刺した愛羽さんは、私のシャツをはだけさせ、鎖骨の上辺りに唇を押し付けた。
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「ぃっ」
愛羽さんの唇が肌に触れたと思ったら、そこに鋭い痛みが走る。
この……痛みは。
「ひとつめ」
ちゅ、と音を立てて肌から唇を離した愛羽さんが呟く。その数のカウントは、咲かせた紅華のことだろう。
彼女の指が紅華を辿り、微かに残っていた唾液を拭う。
「キスマークって、嫌いな人にはつけないでしょう?」
確かにそれはそうだけど……って……い、たっ……。
私の返答を待ちもせずに愛羽さんが、先程の紅華から少し右にずれた箇所に吸い付く。
「ぁ、いはさん」
「好きな人につけるものだし、所有の証とかも言うし、個人的には誰にも渡したくない印って思ってるの」
今度は、もう少し、下。
三つ目の紅華を咲かせた彼女は、また、指でその華たちを辿る。
「そういう定義のものを、今夜はいっぱい、貴女にあげる」
四つ目がまた、花開く。
立て続けに与えられたキスマークに、項がジンと痺れた。
「わたしの気持ち、受け取ってね」
出来るだけ、見えない所につけるから。
そう付け足して言った愛羽さんは再び、私の肌に唇を寄せた。
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