※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 33 ~
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仲直りのキス、と言ったところだろうか。
私たちはどちらからともなく唇を重ねた。
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一度目のキスは触れるだけのキス。
だが、今の私たちがそれで終わるはずもない。
離れた唇は再び重ねられ、互いを啄む。かと思えば、薄く開いた唇の間から熱い舌が侵入してきた。
「ん」
思っていたよりも早い展開に短く声をあげるが、愛羽さんは構うことなく、私の舌を探し当てるとヌルリと舐め上げる。
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擦り合う舌が濡れて滑る。
深く舌を絡ませたかと思えば、浅いところまで引き抜かれ、誘うように歯をくすぐられた。
――やばい……。
これは、すこし、マズイかもしれない。
ベッドにあがってから、どうも、愛羽さんのペースになっている気がする。
誘われ、素直に舌を伸ばして彼女を追いかけている自分も自分だが、巧みな舌技で戻りかけていた理性をジワリと溶かされた気がする。
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私の下唇を右から左へと舐めていた舌に、こちらから触れて、その肉感と熱を味わう。
数回チロチロと舌先同士で互いをくすぐっていると、彼女のそれは遠のいてしまう。
はぁ…と微かに声混じりの吐息を零してから、逃げていった彼女の舌を追って、私は舌を伸ばした。
愛羽さんの舌と私の舌の長さを比べると、断然、彼女の方が長い。だから、愛羽さんのように深いところまで挿し込むことは出来ないのが悔しい限りだ。
しかも、この体勢で、下側から上へと舌を伸ばすのは、気のせいかもしれないが普段よりも難しい。
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さっき、玄関ではもう少し奥まで届いた気がするんだけど。
先刻を思い浮かべながら伸ばした舌を、彼女が柔らかな舌で迎えてくれる。
まるで褒るようにゆっくりと撫でられる感覚に、フカフカの敷布団に触れていて暖かい筈の背中に、ぞく、と快感が走った。
これではいけないと、気を取り直して、主導権を握るためにも手を持ち上げ、愛羽さんの背中へと回す。
片手では背中を撫でて、もう片手では彼女の腰あたりに触れさせる。
ジャケットの上からでは効果は薄れるかもしれないが、背筋や腰など弱いところを撫でてあげることで、キスに集中できなくさせるのだ。
そして、意識が逸れたところでどうにかこの体勢を反転させれば、もう私の勝ちだ。
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そんな算段を立てていることが伝わってしまったのだろうか。
愛羽さんは自分の体重を支える腕を片手にして、自由になった腕を背後へと回す。あっさりと私の右手は手首を捕らえられて、頭上に引っ立てられた。
反対の手も同様にして、私の頭上、枕の上あたりに両手が押さえつけられた。
いつもとまったくの逆パターン。
驚きに舌も引っ込めて、目を瞬かせて、彼女を見上げた。
「ぇ、と……」
なんと言っていいのか分からない。
手を放してくれ、でもないし、優しくしてください、でもないし。
明らかに動揺している私を愉しそうに眺めて、愛羽さんはにんまりと口角をあげた。
「もっと、キスさせて」
と、どこかで聞いた記憶のある台詞をわざと吐くのだ。
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