※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 29 ~
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……うぅ……やばい……。
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――囁き声でのあの台詞はやばい……。
それに加えて、後ろ髪を掴まれた感覚は、愛羽さんが私を求める心を体現しているようでたまらない。
ぞくぞくする背中の感覚をなんとか堪えたけれど、欲望に負けて蓉子さんについての話をしてもらう口を塞いでしまった。
ぬるりと入り込んでくる舌の積極性に、頭が痺れるような感覚に陥る。
「……ん……」
わざとやっているのか。
そう疑ってしまいそうなくらいにエロい声。
鼻から抜ける微かな声が纏う色香は、私を焚き付ける。
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玄関だというのに、湿った水音が響く。
挿し込まれた舌を吸い扱くと、彼女は熱い息を零す。
そして、お返しと言わんばかりに自分の舌を抜き取り、私を催促するのだ。
頭の隅ではここらでキスを終わらせておかないと、止められなくなるぞと理性が訴えているけれど、知らんふりをして、私は愛羽さんの口内へと舌を差し出した。
「んぅ……」
甘いどころではない。甘ったるい声がまた彼女から発せられ、それと同時に、私の舌を愛羽さんの柔らかな唇が挟む。
恥ずかし気もなく伸ばした私の舌を、彼女が吸い、扱く。
先程の私の行為と違う点を挙げるとすれば、それは、彼女の方が手練れだという点だ。
私は吸い、扱くだけだったが、愛羽さんは加えて、舌でくすぐってくる。
深く舌を咥え込まれた時に、普段は何も触れない舌の下側を、愛羽さんがくすぐる。
感覚的にはくすぐったいに近いものがあるのだが、この状況と心境では、快感以外には感じられない。
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思わず、声が出てしまいそうになって、舌を引っ込める。
キスだけなのに、呼吸が乱れてしまう。それほど、愛羽さんとの口付けに没頭していたのだ。
「だめ」
痺れる頭では何も考えられず、息を整えることだけをしていた私を見上げた愛羽さんが、禁止の言葉を発した。
「?」
何が駄目なのか。まさか、息をするなという訳ではあるまい。
理解できずに彼女を見返すと、水気と色気の多い瞳が細められた。
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「もっとさせて、って言ったでしょう?」
言われた。正しくは、”もっと、キスさせて”だ。
忘れるはずもない。
私が頷くと、愛羽さんはいつの間にか下ろしていた踵を再び持ち上げて、軽く背伸びをしながら、私の首に両腕を回した。
当然、顔はより一層近付いてしまうわけで。
「キス、やめちゃだめ」
間近で、甘ったるく囁かれると、私はその魅力に抗えないのだ。
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