※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 急ぐ鼠は雨にあう 27 ~
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「ふ、ァ……耳、やぁ…ッ」
弱点を唇で触れられて、思わず逃げたくなったのだろう。
私の首に回されていた愛羽さんの腕が解けて、肩を押し返すように両の鎖骨に手のひらを押し付けられた。
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しめた。
このチャンスを逃す訳にはいかない。
突然訪れた好機にほくそ笑んで、私は身体を浮かせた。
ナカに指を入れたまま体勢を変えるのは至難の業だったが、腹筋背筋をフルに使ってどうにか彼女の両腕をまとめて頭の上あたりでベッドに押し付ける事に成功。これを失敗するとかなり、情けないし格好悪い。
両腕を押さえつけてみて、改めて思うのは、彼女の腕の細さだ。
特にこれと言ってスポーツをしていないからというのもあるが、愛羽さんは少し、痩せ過ぎだと思う。
今度、焼き肉にでも連れていくと心に誓った。
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私が内心、焼き肉のことを考えているだなんて、思ってもみないんだろう。
愛羽さんは両腕を押さえつけられた早業に少し驚いたみたいで、目を丸くして、私を見上げてくる。
首に腕を絡められていた間は見れなかった彼女のカオを観察するようにじっくりと見つめ返していると、ふい、と目を逸らされた。
「なんでこっち見てくれないの?」
「は、恥ずかしいに決まってるでしょ、こんな格好……!」
まぁ確かに、あられもない姿ではあるし、更に言えば、拘束されて、なかなかにエロさがアップしている。
「可愛いよ?」
「……るさい……」
いつものように言い返してくる言葉にはあまり勢いがない。
どうやら、私の視線に、何か感じる所があるのだろう。
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愛羽さんの感性は、正解だと思う。
だって、多分私のカオは今、獲物を狙っている獣の表情だろうから。
上気した頬にかかる、乱れ髪。額に汗で張り付いているのもまた、色気を醸し出す。しかし何よりも私が色気を感じたのは、目だ。
今は逸らされ、こちらを向いてはいないが、さっき私を見上げた瞳は水の膜を張ったように潤み、蕩けた色をしつつも、その奥にはもどかしさに燻った色を覗かせていた。
そんな表情を見せられて、興奮しない奴がいるなら、会ってみたい。
もれなく私は昂った。それに加えて、彼女をもっと、もっと、苛めたいと思ってしまった。
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目は口ほどにものを言うなんて諺があるくらいだから、私の目の色で、”マズイ”と判断した彼女が、視線を逸らしたのはある意味正解。
だって、あれ以上見つめ合っていたら、私は我慢できなくなって彼女をあと2回は連続でイカせようと指を動かし始めていただろう。
だから、その意味では、回避できたので正解。
だが、別の……”逃げられると追いたくなる私の性質”に関してで言うと……彼女が目を逸らしたのは不正解。
だって、今現在私は、愛羽さんをさらに、苛めてしまいたくなっているし、泣かせてしまったらしまったで、甘く甘く優しく優しく宥めて抱き締めて機嫌を直してもらえばいいかと思っているのだから。
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「ねぇ愛羽さん」
ひく、と彼女の頬の筋肉が反応をみせた。
「こっち向いてくれないと、この指、ずっとここばっかりするよ?」
最奥と、Gスポットの中間。
三本の指はさっきから、ゆるくゆるく、上壁を圧している。
「いいの?」
良い訳ないだろう。そう思っている愛羽さんの目がきょろ、と泳ぐ。
たぶん、理性も随分失ってきている愛羽さんは、もうひと押しで陥落する。
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まるでドラマのワンシーンみたいにゆっくり顔を近付けながら、もう一度「いいの?」と低く問う。
愛羽さんは、耳が弱点だからなのか、掠れた声や低めに出す声に感じやすい。
分かりやすく、喉をこくんと鳴らす所なんか特に可愛い反応だ。
「よ、く……ない……」
「じゃあ、こっち、向いて?」
僅かに右に傾いていた顔が真上を向いて、それにあわせて、じり、と瞳が私へと向き直った。
口をへの字にして、眉は眉間に皺をよせるくらいきゅっとして、瞳は困ったような期待したような色。
まったくもって、どうしてそんなにそそる顔ができるのだろうと思う。
愛羽さんの唇に自分のそれを押し当てて、離す。
「ちゃんとこっち見てて。誰が愛羽さんを気持ちよくしてるのか、記憶に刻み付けて」
鼻先を触れ合わせながら、間近で告げると、今度は彼女からキスが贈られてきた。
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