※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 急ぐ鼠は雨にあう 25 ~
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耳が蕩けた。
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今から恥ずかしい事を言うと宣言した愛羽さんは、有言実行だった。
意を決したように、すぅ、と息を吸い込んで、深く吐く。
コク、と小さく喉を鳴らす彼女が若干、緊張しているように感じられたが、それが真実なのかは確かめようがない。
首に腕を回された私は彼女の顔の横で、額を枕に押し付けたまま、三本指に壁のうねりを感じる。たまにヒクリと入り口が締まるのは、やっぱり緊張しているからだろうか。
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「雀ちゃんの、指…ね……?」
「うん」
か細い声。
まぁ、か細いといっても、自信がないとか不安だとかそんな理由じゃない。
ただ、ただ、恥ずかしさに打ち震えている声。
「今みたいに、入ってるだけでも……き、もちいいんだけど……」
「うん」
恥ずかしくて仕方ないはずなのに、愛羽さんは、私の言う通りにして、何をどうして欲しいのか、それを口にしようとしてくれている。
「指、動かしてくれると……もっと、気持ち良く…なるの」
「うん」
相槌を打つだけなのに、私まで声が震えてしまいそうになる。
生憎と、呼吸はもうすでに、興奮で震えているのだ。
「だ、から……その指…動かして……?」
私が予想していた台詞よりも、随分と、オブラートに包んである台詞を愛羽さんは口にした。
それでも、彼女にしては随分と頑張った方だと思う。
いつも、自分の喘ぎ声すら、恥ずかしがるひとだから。
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そういう所がまた可愛さを醸し出しているのに気が付かずに、いつまでも可愛いままなのは好ましい。
けれど、今夜の私は、それでは満足できないのだ。
とりあえず、三本指を最奥からゆっくりと抜きつつ、問い掛ける。
「どうやって、動かして欲しい?」
「…っ…」
ああ、予想通り。
そんな問いかけを予想していなかったのか、愛羽さんは私が予測していた通りに、口を噤んだ。喉の奥で戸惑うような恥ずかしがるような微かな唸りを零す様がまた、私の目には可愛く映る。
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ぬる…と爪のところまで引き抜いた指を再び彼女のナカへと沈めながら、また、問う。
「こうして、まっすぐ入れたり出したりしてるだけで、十分?」
ゆっくり、ゆっくり、指の根元まで挿し込んでは、爪まで抜く。ナカから完全に抜き去ったりはしないけれど、三本の指だとそこそこ強い圧迫感が出入りしている筈だ。
けど、それだけで足りるかどうかは、話が別だ。
圧迫感だけでイケる訳ではない。
乱れた髪の隙間から覗く耳に唇を寄せて、私は低く囁いた。
「……もっと、気持ち良くなりたくない……?」
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私の後ろ髪を握っていた手がピクリと反応した。
耳に注ぎ込まれた息か声か。それとも、言われた内容に反応したのか。
「どうされたら、気持ちいいか……愛羽さんは知ってるよね」
んく、と小さく声を漏らした愛羽さんが、何を想像したのか。それは容易に予想できる。
煽るように、耳朶に軽くキスを落として、そのまま続ける。
「指、どこに当てて欲しい?」
「…は、ぅ…」
私の低い声に反比例するような、上擦る声が可愛い。
入り口のヒクつきが速くなって、ナカは強めに指を締め付けてくる。
「あぁ……ほら、愛羽さんのナカは正直。凄く締まってくるよ……?」
ピストン運動の邪魔をするみたいに絡みついてくる壁。抵抗を無視して指をギリギリまで引き抜いて、また奥まで埋め込むと、ついに愛羽さんの口から、私が欲していた言葉が溢れてきた。
「ん、ゃ……ぁ、奥、気持ち、ぃい…っ」
もっと、と強請られて、私は無意識に息を強く吐き出した。気の昂りによって勝手に荒くなった呼吸が、愛羽さんの耳へかかり、彼女は首を竦める。
だけど、そんなことを気にかけている余裕がなくなりそうな自分自身の気配に、私は狼狽えた。
だって、愛羽さんはまだ、私が欲しいと思っていた言葉をほんの少ししか言っていない。
これから、さっきみたいな台詞をたくさん言わせようとしているのに、始まった段階で私はこんな状態。
先への不安はあるが、それを凌駕する性的欲求。
”もっと言わせたい”私のその想いが伝播したのか、愛羽さんは催促を受ける前に、自ら口にした。
「奥、ぐりぐり…して、ぇ……っ」
耳が、蕩けた。
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