※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 急ぐ鼠は雨にあう 18 ~
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縋るような手は、堪え切れない快感をなんとか堪えようとしている愛羽さんの心境を表しているようで、見ているだけで、手なのに愛おしい。
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「アッ、っん…ふ、く……っ」
耳の孔に捻じ込んだ舌。うねらせるみたいにしてやると、多分、愛羽さんの耳にくぐもった水音をたてていることだろう。
私が以前これと同じ行為をされた時には、耳の中というよりも脳に直接音を叩き込まれたみたいな感じがした。
それは何故だか、自分の全てを支配された錯覚を覚えて、随分興奮した記憶もある。
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私と愛羽さんの感覚が同じではないだろうし、どう感じるかは人それぞれだ。
でも、ひとつ確かな事があって、”愛羽さんは耳が超絶弱い”のだ。
現に、ナカの奥を突く指は中指一本しかないのに、キュウキュウと壁が締めてくる。明らかに先程までとは違ったナカの反応に、私は口角があがりそうになる。
「や、っン、ンッ」
許容できる快感を越えそうなのだろう。
愛羽さんの頭が、私から距離を取ろうと、反対方向へずらされた。耳の孔から強制的に離された舌が外気に触れるのを感じながら、一瞬だけ引いた銀糸の糸がいやらしかったな、と悦に入る。
「気持ち良くて、我慢できなかったんですか?」
問いかけながらも、ナカの指はトントントンと奥を突き続ける。
愛羽さんが目だけでこちらを振り返って、”分かっているくせに聞かないで”と伝えてくる。その恥じらうような、責めるような言葉を彼女の口から聞きたい所だが、生憎、息を整えるのと、余韻の喘ぎ声に忙しいみたいだ。
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「気持ちいいなら、もっとしなきゃ、ね? 愛羽さん」
「待」
「てませんよ、勿論」
制止の言葉を遮って言わせることも許さずに、私は彼女の耳にまた、舌を捻じ込む。
最初こそ、強引な私から逃げようとしていたけれど、首を竦めるみたいにして固まった愛羽さん。
可愛い。
快感の許容量はそこまで多くないから、逃げようとしたり、制止しようとしたりはする。でも、身体は快感に弱いので、それを与えられると途端に大人しくなって逃げない。
それどころか、一定の快感を与えると、そのあとは自ら求めてくるようになる。
まったくどうして、これが可愛いくないと言えるのだろうか。
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そして、どうしてこんな愛羽さんを、更に苛めたいと思わないでいられようか。
ナカの最奥を一定のリズムで突いていた指をずるずると引き出す。”待って”と引き留めるように絡みついてくる壁を置き去りにして一旦指を完全に抜いた。
「っ、んぁ……」
ああもう、そんな、物足りないというか、残念そうな声を出さないでくださいよ。可愛い。
すぐに戻ってきますから。
心の中ではそんなふうに彼女に語りかけるけれど、実際に口から出す台詞はこれと正反対ほどの意地悪な言葉。
舌をも耳から引き抜いた私は、小さく嗤う。
「そんな締め付けるくらい、私の指は一本で気持ちよかったですか?」
「ぅ…」
否定も、反論も出来ずに僅かな声を漏らして、赤い顔で固まるのは、まさに肯定。
素直な反応をまた嗤って、私は中指と人差し指をそっと入り口にあてがう。
「だったら、二本も、いらないですか」
ほぼ質問でなく、確認をとるように言ってみせるのは、私が完全にこの場のイニシアチブを握ったから。
取り戻した主導権をもう愛羽さんに渡すまいと、愛液のまとわりついた指で入り口から上へずれて、蕾をくりくりと撫でてやる。
途端に、腰を引き、脚を閉じようとしながら、口から可愛らしい喘ぎ声をあげる彼女は、いやいやするように首を振った。
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乱れる髪が色気を増す光景を見下ろしつつ、彼女の何か言いたげな口にキスを落とす。
「言ってくれなきゃ、分からないですから」
「ん、ぁ、ッやん……は、ァッ」
押し潰すみたいに蕾を強めに押さえると、彼女はきゅっと目を閉じて、ついに、私の右手首を掴んだ。
快感許容量が越えたのだろうか。こうして私の行動を制限してくる段階にまでなると、彼女は随分と絶頂に近い。
「待っ、て…」
声も震えているけれど、手首を掴むその指も微かに震えているかもしれない。
口呼吸もかるく震えている彼女を見ていると、待ってあげたくなる。
けれど。
お菓子をくれなかった人には、イタズラが待っているのだ。
「待たない」
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