隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ 19話


※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 急ぐ鼠は雨にあう 19 ~

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「正確に言うと、待てない、んですけど」

 そんな訂正、知ったことではない。と言いたげな愛羽さんのナカに、私は人差し指と中指の二本をズブリと根元まで埋め込んだ。

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「~~~~ッ……!」

 声にならない声。
 爪を立てられる手首。
 いやいやと首を振られ、乱れる髪。

 総じて、可愛い。
 どうしてそんなにも、私が可愛いと感じる仕草や言動をするのだろうか。

 余計、苛めたくなってしまうじゃないか。

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 腹の底から沸き上がってくる加虐心をさらに煽るみたいに、愛羽さんはブルリと身体を震わせた。
 それだけなら、まだよかった。なのに、愛羽さんときたら。

「ひ、ぁ……ッんンンッ……!」

 切羽詰まった声をやっとあげたかと思うと、腰をひくつかせた。
 そして、ナカに感じる異変。
 二本の指が根元まで入っているのだが、それを、内壁が、痛いくらいに締めてくる。

 これは……。

「……はっ、ぁ……ハァッ……んっ……」

 全力疾走した後みたいな呼吸。
 締め付けられる指。
 痙攣する身体。

「……愛羽さん……イっちゃったんですか?」

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 私の手を押さえた時点で、絶頂は近いとは思っていたものの。
 こんなにも早く来るとは予想外だ。

「い、わない、で……っ」

 呼吸を落ち着かせる合間を縫って咎められるけれど、そんなお咎めに効力はない。
 私は小さく嗤うと、絶頂の後の余韻が残っているであろうナカで、ゆっくりと指を曲げた。

「アッ」

 上擦った声は焦りと快感を孕んで、その唇から零される。
 愛羽さんはまるで予想も出来ていなかった快感の波に翻弄されて、さらに私の手首にきつく爪を立てた。

 通常ならば、痛いと感じるレベルだろうけど、今は興奮のせいか、なんとも思わない。むしろ、こんなに爪を立てるくらいに、感じてくれているのだと嬉しいくらいだ。

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「や、待っ……イったば……り……っ」

 上手く喋れていないけれど、言いたいことはわかる。
 絶頂を迎えたばかりで、待ってほしい、ということだろう。

 でも。

「なんですか?」

 問い返しながら、ナカで指を壁に押し付ける。
 途端に、逃れるように腰を引く愛羽さんだけど、彼女が腰を引いても布団が僅かに沈むだけで、元々ベッドに仰向けに寝た体勢は、指を引き抜けるほど私から逃げられる体勢ではないのだ。

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「や、ぁっ、だめっ」

 曲げた指が、お腹側のざらつく壁を擦る。
 今、最奥を突いてしまうと、流石につらい程の快感になるだろうから、手前のところにしてあげる気遣い。
 だけど愛羽さんにとっては、私のこんな気遣いなんてあってないようなものだ。

 気を遣ってくれるなら、今はじっとして動かないで欲しいというのが、彼女の本音だろう。

「何が駄目なんです?」
「ゆび、ぅ…ごか、さな……っいで……!」
「指、ですか?」

 偉いな。喘ぎながらでも、ちゃんと言えた。
 いつも、ちゃんと言わなきゃ止めてあげないとか、してあげない、とか繰り返しているからだろう。

 上手に言えた愛羽さん。
 これは褒めるべき事だけど、そう簡単に止められないのが、イタズラ心というものだ。

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「これを止めるんですか?」

 ざらつく壁に二本指を少し強めに押し付ける。
 確認をとらなくても、愛羽さんの言いたいことは分かっているのに。
 喘ぐ彼女が可愛くて、愛しくて、いじめたい。

 トリックオアトリートを言い訳にして、私は彼女を愛を込めて苛めたいだけなのだ。

「ひ、ぁんん……ッ!」

 カクカクと小さく頷く愛羽さんを見届けて、やっと彼女のナカから指を取り出す。
 せっかく二本に増やしたのに、またゼロに戻ったな。なんて残念に思うけれど、愛羽さんに一度絶頂をプレゼントできたし、更にそのあと、快感をプレゼントできたからまぁ良しとしよう。

 なんて、いらぬ贈り物を贈りつけておいて、私は満足するのだ。

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 荒い呼吸を繰り返して、快感の余韻に身体を震わせる愛羽さんを見下ろし、悦に入る。

 彼女がこんな姿を何人に見せてきたのかは、正直分からない。

 でも、今現在、この姿を見られるのは、私だけ。

 その事実を目に焼き付け、脳に記憶を刻みつけるように、彼女が落ち着くまで、愛羽さんを見つめ続けた。

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