隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ 17話


※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 急ぐ鼠は雨にあう 17 ~

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 肺の中の空気を、無意識に吐き出してしまうくらい興奮した。

 後頭部にあてられた指は一切動かされなかったのに、全身を鳥肌が襲った。

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 噛みしめた歯の隙間から抜け、唇から出てゆく息。興奮以外の何物でもない感情に支配されて、愛羽さんに引き寄せられるまま、唇を再び重ねた。

 唾液を飲み込むだけでもかなりクるのに。それを更にと、要求されるだんて、多分、要求した張本人である愛羽さんは私をどのくらい興奮させているか、ちっともわかっていないと思う。

 今度はこちらから舌を捻じ込み、愛羽さんの舌に舌を絡める。
 絡めると、ぬちゅ、と立つ音がいやらしくベッドの上の空間を占領してゆく。

 その音だけでも心音は速くなるのに、愛羽さんの手といったら、容赦がない。

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 私の後頭部の髪をかき回すように撫でたり、求めるみたいに握ってみたり。弱点をくすぐられるこちらの身にもなって欲しい。

 そして更に、極め付けは、私の舌をぱくりと咥えて、まるで唾液を集めるみたいに吸いながらピストン運動をし始めるのだ。

 これで興奮を落ち着かせろというのは、無理な話だ。

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 愛羽さんはピストン運動を終わらせたあとに、私の舌から滲み出た唾液も逃さず舐めとってから、美味しそうに喉を鳴らした。

 眩暈を覚えるほどの色気に、下腹部まで疼いてくる。
 だめだ。私が感じている場合じゃない。

 主導権奪還はどこへやら状態の自分に喝を入れて、愛羽さんのナカに入ったままあまり動いていない指へと意識を集中させた。

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 熱いくらいのナカは、私の指を包み込んで、静かにうねっている。
 丁度、第二関節まで入っている中指をさらに奥へ進めて、指の付け根まで完全に愛羽さんのナカへ嵌め込む。

「ン、は…っ」

 短く声をあげた愛羽さんが快感を堪えるよう目を瞑る。
 喘ぐ声をもっと聴いていたいけれど、彼女の声はキケンだ。こちらの興奮を煽るものがある。

 主導権を取り戻すには、興奮のままに動いていては駄目だ。冷静にならないと。

 私の興奮材料を取り除くために愛羽さんの口を塞ぐと、下腹部の快感のせいか、どこか縋るように彼女が口付けを深くしてくる。

 それだけ、私の指が快感を与えられているのかと思うと、嬉しくなって内壁をトントンと軽く押す。

「ん、んンっ」

 キスでくぐもった声が、気持ちいいのだと伝えてくる。
 若干、切羽詰まったように焦る色が見てとれて、愛羽さんの主導権を握る手が緩んできているようだった。

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 指は深々と刺さり、ナカで曲がって壁を刺激している。
 基本的に抜き差しするよりも内壁を押してやるほうが、快感がうまれやすい。簡単なのはやはりGスポットだけれど、ただそこだけを執拗にノックしていても快感は薄れる。

 緩急、強弱をつけて、愛羽さんが気持ちいいと訴える場所をくまなく刺激してあげることで、彼女は達する。その絶頂は、手っ取り早く有名スポットを刺激し続けてイカせる絶頂よりも、ずっと余韻の続く絶頂になるらしい。

 以前本人から「雀ちゃんとのえっちでイッたときが一番気持ちいい」と言われてからは、お世辞だろうかとも思ったが、深く勘ぐらずに彼女の言葉を信じることにした。

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「ふ、ァッ」

 指が愛羽さんの最奥を突くと、彼女は口付けを解いて横を向いた。逃げるような仕草が可愛いくて、彼女の耳元へと顔を寄せて囁いた。

「奥、気持ちいいですか?」
「んぅ、…ンッ、ぁ」

 下唇を噛んで快感を堪えていても、堪らず声が漏れる様子に加虐心が沸きあがる。
 どうやらそろそろ、イニシアチブを握る手は、大分、緩んできたようだ。

 内心薄く笑んで、私はゆっくりと愛羽さんの耳朶を舐め、そのまま耳の孔へと舌を捻じ込む。
 それと同時に、再びナカの最奥に指先を押し当てる。

「ひあっ、アッぁ、や、んン……っ」

 私の後頭部に添えられていた手が、ついに、シーツに落ちて、皺になるほどそれをきつく握り締めた。

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