隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ 12話


※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 急ぐ鼠は雨にあう 12 ~

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「ああもう。どうしてそんなに可愛いんですか」

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 今の台詞は質問なんかではない。
 文句だ。

 だって、愛羽さんが可愛い過ぎて、私にはもう手加減という気遣いが出来なくなってしまった。
 愛しいひとに、優しくしたい気持ちは十分あるのに。

「かわいくッぁああっ」

 可愛くない、だなんて否定しようとする愛羽さんのソコへ舌を押し当てると、彼女の声が今までで一番上擦った。
 トーンのあがった声は、快感値を表していて、舌に愛液の味を感じながら私はにんまりと目を細めた。

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 舌先で触れた愛羽さんの秘所は、下着に盛大な染みを作っていた通りに、濡れそぼっていた。
 すこしでも舌を動かせばクチュリと音が鳴りそうなほどの水気を湛えているその感触にまた脳が痺れる。

 この愛液を一気に啜ってしまうのはもったいない。ゆっくりと時間をかけて、まるで猫が水を飲むときのように、何度も何度も、少しずつ舌で掬いとりたいくらいだ。

「は、ぁ…ッ、ん、ンッ」

 途切れがちな声の合間に聞く呼吸音は、切羽詰まっていて、彼女の昂りが窺える。
 やっと直に与えられた感触に、うまく対処できない程の快感が溢れているらしい。

 私の顔を挟む脚に力がこもり、太ももが頬や耳に押し付けられる。柔らかなその感触は気持ちがいいのだが、顔を固定されると愛羽さんを気持ち良くし辛いのが難点だ。

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 それでもやはり、愛液の魅惑からは逃れられずに、舌を伸ばしては割れ目から溢れる体液を舐めとるのだが、ついに、愛羽さんからストップがかかってしまった。
 いずれは止められるだろうなと思っていたから、頭をスカートの布越しに押さえられた時には、予想通りの愛羽さんの行動に笑みが浮かぶ程だった。

「待って……っ、や…んっ」

 制止の言葉を掛けられてもなお止めずにいると、可愛く声をあげる彼女。
 そういう、快感に素直な所も可愛い。

「雀ちゃ、ん……待っ」
「待ちたくないんですけど」

 間髪入れず言い返すと、愛羽さんがぐっと言葉に詰まった。
 狼狽えるような雰囲気が彼女の息遣いに混ざっていて、情けを掛けてしまった。
 声音を柔らかくして、彼女の秘所から顔を離した。

「待たなきゃ駄目ですか?」

 見上げる私の目に映ったのは、幼子みたいに小さくコクンと頷く彼女。
 仕草が可愛くて、もっと苛める予定だったはずなのに、私は腰をあげて、愛羽さんの唇を奪った。

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 唇で唇に触れて、自分よりも柔らかい感触に脳が痺れて。
 私が愛羽さんの柔らかさにドキドキしているだなんて、彼女は知る訳もないのに、タイミングを合わせたみたいに首に腕を絡ませてくる愛羽さん。

 啄むキスが繰り返されたあと、自然と絡まるキスへと変わる。

「……ん、ふ……っぁ」

 ぬる……、と舌同士の粘膜を触れ合わせるだけの行為なのに、どうしてこんなにも心臓が熱くなるのか。
 どうしてこんなにも、更に相手を欲してしまうのか。

 キスで魅せられて、つい、衝動のままに愛羽さんをソファに押し倒した。

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 突然のことに、目を丸くしているんだろうか。暗くてよくはみえないけれど、開いた目はぱちぱちと瞬きを繰り返して、手も足も動きをピタリと止めている。

 さっきまで普通にソファに座っていたのに、一瞬で横になっている自分に驚いているのだろうか。
 というか、だ。
 イキナリ体勢を変えさせて、頭をぶつけてしまったりしていないだろうか。

「ごめんなさい。大丈夫ですか? 痛い所とか無いですか?」
「え? あ、それは大丈夫。ちょっとびっくりしちゃって」

 やはり、驚かせてしまったのは事実らしい。
 つい、興奮しすぎて、自分の衝動のままに気遣いもなくやりすぎた。

「すみません。熱くなりすぎました」

 愛羽さんを組み敷いたまま謝ると、彼女はおかしそうに吹き出してから、私の顔へと手を伸ばした。

「わたしに興奮してくれたの?」
「もちろん。しない訳ないですよ」

 こんなにも色気の溢れたひとに、なにも感じない人間がいるもんか。
 当然とばかりに言い返す私に、嬉しそうな笑顔をひとつ浮かべた愛羽さんの表情が見える距離まで近づく。
 すると頬に添えられた手が優しく肌を撫でてくれて、胸がぽっと温かくなる。

「ね。わたしのお願い、ひとつ聞いてくれる?」
「聞けるものなら、なんでも」

 二つ返事で、何でも聞きます、だなんて言おうものなら、頭の回る愛羽さんの事だ。私が困る程のお願いでもしてきそうだから、予防線を張っておく。

 そんな私の考えを見透かしてか、ふふ、と小さく笑みを零した愛羽さんが、撫でた私の頬を軽く摘まんだ。

「ここじゃなくて、ベットで抱いて…?」

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