隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ 11話


※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 急ぐ鼠は雨にあう 11 ~

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 ビビィッ、と薄布が裂ける音が、鳴り響いた。

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 我ながらよく、ストッキングだけを歯で噛み切るなんて芸当をしたものだと感心する。
 一歩間違えば、最悪蕾に噛みついていたかもしれないのに。
 興奮とは恐ろしいものだ。

 一応、愛羽さんの様子を窺ってみるものの、痛がっている様子もない。それどころか、少し乱暴にされた事が琴線に触れたのか、私の耳をきゅっと握っている手が熱い。

 逆に私は、最悪愛羽さんを噛んでいた事実を後から想像して肝が冷え、すこし、冷静さを取り戻していた。

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 食い千切ったストッキングの穴に両手をかけ、さらに広げる。
 ミヂヂ、と音が鳴る中、たまたま指が触れてしまった下着のクロッチの濡れ様に、冷えたはずの頭が再燃しそうになる。

 早く、触れたい。
 早く、舐めたい。

 沸き上がる欲望が渦巻いて、私の息を荒くしていく。

「ねぇ……愛羽さん。どうしてこんなに濡れてるんです?」

 ストッキングの穴を広げた指で、クロッチをなぞってみせると、彼女の腰が震える。

「凄くヌルヌル。下着の外側まで滲みて、指が滑っちゃいますよ?」
「言わなくて……いいからっ」
「ひとの事、変態とか言っておきながら、自分だって……あんな事されて喜んでる変態じゃないですか」
「ち、違うもん……っ」

 あくまでも、まだ、否定を続けるらしい。
 それならそれで、いいのだが。

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 余計、愉しみが増すだけだ。

 心の中だけで呟いて、嗤う。

 賢いはずの彼女をここまで思考能力低下させているのが自分だと思うと気持ちがいい。
 ちょっと考えれば、ここは素直に認めて私の加虐心を煽ることなく穏便に済ませておくのが上策なのに。

「でも、ほら……愛羽さん」

 彼女の意識を集中させるように誘う言葉を吐き、私は下着のクロッチへと舌を伸ばす。
 触れた布地は、指で触れた時同様、ぬるりとしていて、滲み出した愛液を感じた。

 こんなになるまで……興奮してくれたんだ。
 そう思えば思うほど、下着に吸い込まれた愛液すら愛おしくなって、掬うように舐めた。

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 下着から舌を離す頃には、濡れていた下着はさらに水気を増していた。
 それが愛液なのか私の唾液なのかはもう、判断が難しい。

「ぬるぬるのぐちゃぐちゃでしたよ?」

 下着、と付け加えるように言ってみせる。

「へ、へんたいっ」
「自分の事ですか?」
「違うわよっ」
「へぇ?」

 まだ否定する貴女のその言葉を粉々に打ち砕いて、認めさせたい。
 狂暴な支配欲が湧き上がって、私はもうそれに従って、彼女の下着を横へと引き、その部分とやっと、対面した。

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 蕩けた女の匂いが溢れて、脳が痺れる。
 今すぐにでもそこに、舌を捻じ込んで、彼女の口から喘ぎ声を出させたい。
 もう嫌だと言う程に舐めまわして、暴れる脚を押さえつけて、更によがらせたい。

「こんなにドロドロにしておいて、変態じゃないって言うんですか?」
「……っ」
「今日はまだ、愛羽さんが変態じゃないって言うような行為、まだしてないんですけど?」

 喋る自分を客観的に見ても、随分と意地悪な口調だし、言い回しだし、声色だし。私は愛羽さんをいじめたくてしかたないらしい。
 好きな人をいじめたいだなんて、小学生男子か。

「認めないんですか?」
「……っ」

 悔しそうな息遣いが聞こえる。
 私の今の体勢だと、スカートが邪魔になって、彼女の顔がみれないのだ。
 まぁ見れた所で、暗所だからやっぱり表情はわからないのだけれども。

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 認めない=次の愛撫が始まらない。
 その方程式を理解している愛羽さんは、数十秒かけてためらったあと、息を吸った。

「……ん……い、です」
「聞こえませんよ。もっと大きい声で言ってみてください?」

 まるで学校の先生みたいだ。なんて思う私の頭は、興奮でどうにかなりそうだった。

 だって、いつもスーツでばっちり決めて仕事に出掛けるあのキャリアウーマンの愛羽さんが、たかだか大学生の私なんかに、ここまでやり込められているのだ。
 そして更に、今から……屈辱的な台詞を口にするのだろう。
 そう考えるだけで、ゾクゾクが止まらない。

「……へんたい、だから……っ、も……っ、おねがい……っ」

 切なげに掠れる声が、私の全身に鳥肌を呼び起こした。
 焦れて、焦がれて、求めて、限界まで待たされた愛羽さんの涙声の懇願。

 頭の血管が切れてもおかしくないと思うくらいに、私の血は滾った。

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