隣恋Ⅲ~ひねもす~ 39話


※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ ひねもす 39 ~

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 優しく言って口付ければ、彼女はそれだけで、微かに甘い声を漏らした。

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 ――これは、思ってもみない報酬かもしれない。

 嬌声を我慢したい愛羽さんが自分の指を噛むものだから、そうさせないためにキスで口を塞いだ。
 私としては、彼女の甘声は聞きたくて仕方のないものなのだが、指を噛んで怪我させるよりはマシと、嬌声の我慢に協力する形をとったのだが……。

「……ふ、ぅ……ぅん……っ」

 ゼロ距離で、まるで口の中に直接声を注ぎ込まれてくるようなこの奇妙な感覚に、項の産毛がざわついた。

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 最初は啄んでいたはずの唇はいつの間にか開いていて、舌同士が絡まっている。
 その一方で、彼女の左腕をベッドに縫い付けたはずの私の手は、彼女の左胸の膨らみにあてがわれていて、やわやわと揉みしだき、先程の続きを急いているようにも見える。

 彼女のくぐもった嬌声に酔いしれている間の、自身の無意識の行動がこわい。
 どれだけ、彼女が欲しいのか、と突っ込みたくなるくらいだが……まぁ、欲しいものは欲しいし、仕方ない。

「好きだよ」

 苦しそうな彼女の息継ぎのための間をとりながら、囁く。
 吸い寄せられるように互いの唇が重なってから、私はやっと、先程の続きを、指先に許したのだった。

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 幾度となく刺激を受けた彼女の胸は、その先端が硬く尖っている。
 布越しのその感触を嬉しく思いながら、指三本のひらで、円を描くように撫で擦り、その硬さを楽しむ。
 撫でれば撫でるほどに、その硬さが顕著に現れて、ツンと尖ってゆくそれ。たまに指がひっかかってしまう程、硬くなったところで、下から膨らみを掬い上げるように手のひらをあてがい、人差し指でその尖りを小刻みに弾く。

「ン、んんっ」

 布の擦れる感覚がいいのか、愛羽さんがぶるりと身体を震わせる。そして、その身体に渦巻く快感をやり過ごそうと、私の項にかけていた右手にきゅっと力を込めた。
 爪が微かに肌に擦れて、チリと痛みを生むけれど、今の私にとってそれは愛羽さんの快感受信量を量る指針。

 きっと、感じれば感じるほど、耐えようと爪を立ててくることは予想できるし、それを待ち望んでいる自分がいる。

 ――痛いのが好き、とかそういうんじゃないんだけど。

 まぁでも、彼女にされるなら、痛いのもやぶさかでないんだな。と変態的な事を頭の隅で考えた。

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 小刻みに弾いたその突起に、今度は親指もあてがって、きゅうと摘まみ上げてみる。
 途端に、愛羽さんが首を竦めて、顔を背けたせいで、口付けが解ける。と、当然、蓋の無い口からは。

「アッ、や、ぁ……ッ」

 と、あられもない嬌声が漏れる訳だが。
 摘んだ先端をくにくにと揉みながら、膨らみの中へ押し込むようにする私のせいで、彼女は蓋が外れたことを気に掛ける余裕もなく、身体をくねらせる。

「ん、く、ぅ……ぅンッ」

 彼女の背中には柔らかなベッドが触れているのに、それを背で押し込むみたいに、頭を浮かせ、背中を丸める。
 きっと、刺激を受けている胸を引っ込めたいのだろうけれど、ベッドに阻まれてそれが出来ないでいるのだろう。

 悶えるその姿が可愛いくて、思わず私の口からも荒く吐息が漏れる。見ているだけで、息が乱れてきてしまいそうだった。

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 ――舐めたい。

 弄る胸の頂きを、この口に含んで、快感に悶える身体をベッドに縫い付けて、これでもかという程に舌で蹂躙したい。

 今すぐ浴衣を剥ぎ取りたい欲求が高まる中、いや待て待てと制止の声を掛けるのが冷静なもう一人の私。

 見てみろ。この色気漂う首元を。
 そう告げて、もう一人の私は愛羽さんの首筋を指差した。

 私が胸を弄るのを止めると、起こしていた頭を力無く枕にあずけて、ふうふうと息を整えようと努める彼女。
 随分と体温が上昇しているようで、元々白いのに、赤みを帯びた桜色の肌。それだけでもゾクリとするほどの色気なのだが、汗で張り付いた一筋の髪が更に婀娜を追加する。

 容赦なく視覚に訴えてくるその魅力に、私はクラリとしながら、真っ直ぐに吸い寄せられた。

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