※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ ひねもす 37 ~
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手のひらに、布越しに触れるその感触。
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突起と言っても良い頃合いだが、まだ、”硬く尖った”とは言い難い。
膨らみの中心のその部分に手のひらを擦りつけながら、指では膨らみ全体をやわやわと揉む。
その柔らかさと言ったら他に例えるものに困るほどの心地良さを誇る。
いつまでも触れていたくなる感触だが、こうして布越しに触れていると、擡げてくるのは、布越しでなく直に触れたいという更なる欲求だった。
「ん、ンぅ……ッ、ふ、っ……」
塞いだ口の中は、熱気が立ち込め、愛羽さんのくぐもった甘い声が支配する。
唇を塞ぐ私にはダイレクトにそれが届いて、先程から背中がゾクゾクして仕方ない。だけど、悪寒に似たものが走るからといって、キスを止めるつもりは毛頭なかった。
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愛羽さんの舌の、上も下も右も左も堪能した。
次にとターゲットにしたのは、上顎。
彼女と舌の長さが違う私はどうにも、愛羽さんがするときのように上顎の奥まで舌を届かせることは叶わないけれど、それでも、感じさせることくらいはできるのだ。
僅かに声の混じった吐息を落としつつ、舌を持ち上げて上顎を撫でる。微かな凹凸を舌先に感じて、その形に密着させるように舌から力を抜いて、ぺとりと押し当てた。
縋りつく腕が、ふるふると震えだし、愛羽さんはふっふっと苦しげに呼吸する。引きつるように息を吸う彼女が可愛いくて、胸が切なくなってくる。
愛羽さんにそれをぶつけるつもりはないのだけど、どこか乱暴に近付く手が、ぎゅうと膨らみを掴みあげ、甲高い声を絞り出させた。
甘さをふんだんに含んだ高い声は、私の舌先を、私の意思とは関係なくピクンと跳ねさせるに十分な威力をもっている。愛しいひとの嬌声とは、耳にするだけでこの身を支配するのだから、恐ろしいものだ。
それに、昂りも一気に増す。不覚にもこちらも声を漏らしてしまったし、脳が痺れている。
――…一旦、落ち着かないと。
僅かでも乱暴にしてしまった事の後ろめたさもあり、私は彼女の口内から舌を引き抜いた。
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唇を離して、ゆるりと瞼を開けば、そこに映ったのは、頬を上気させ、荒い呼吸を整えようとする彼女。乱れた髪が首筋にくしゃりと寄り掛かり、扇情的だ。
伏せられたままの瞳がこちらを向いてくれるまで待ちたいけれど、……あぁどうしよう。理性だとか自制心だとかが、上手に機能していない気がする。
だって、ここは普通なら、彼女の息が整うのを髪を梳いてやりながらでも待って、それから、次の段階へと移る……はずなのに。
私のせいで息を乱している姿に熱いものが込み上げて、留め切れなかった情動が私の手を、勝手に動かすのだ。
「ぁっ」
すり、とわざと手のひらで擦ったあと、硬さを増したその突起に中指をかけた。ごわつく布越しでも十分にその位置が分かる突起を、くるりと撫でる。
首を竦めるようにして震えた彼女の瞼が開かれて、水の膜を張った瞳が何か言いたげにこちらを向いた。
私の首に回していた腕の力は緩んでいて、彼女の右手は項に引っ掛けられ、左手は再び浴衣の合わせあたりを軽く掴んでいる。だが、そのどちらも初めよりも力を失くしており、随分とか弱い印象を受けた。
「痛くしてごめん」
先程、昂りに任せて握ったことを謝罪すると愛羽さんはふる、と首を横に振ってくれた。
「痛くはなかったから、平気……ちょっとびっくりした、だけ」
「だけ?」
ほんとに、それだけ?
重ねて問うて、瞳を大きく揺らした愛羽さんに顔を寄せる。
「……なに……よ」
ちぅ、とわざと音を立てて彼女の唇を吸ってみせると、愛羽さんは悪態をつきながら、さも「隠し事があります」と言わんばかりに視線を斜め下にずらした。
動揺すると、物凄く解り易くなるその性格、仕事の時はどうやって隠蔽しているのだろうかと素直に疑問を抱く。
まぁ、今はそんなこと、どうでもいいのだ。
「ちゃんと、教えてくれるよね?」
指がその柔らかな肉にめり込む程握られて、本当にびっくりしただけなのか。その答えを、愛羽さんの口から聞き出したいのだ。
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