※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ ひねもす 25 ~
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これは……紳士の道を外れるかもしれない。
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胸中で呟いた理由の一つはもちろん、彼女の先程の行為だ。
私の溜まりに溜まった性欲を爆発させてもおかしくない程のエロさ。啄まれた舌先が未だに痺れているくらいだ。
――せめて、ベッドに行くまでは。可能であれば、この1ラウンド目くらいは紳士的なセックスしたいんだけど……。
むり、かもしれない。
こんな色気を見せ付けられたら。
「……」
言葉がうまく出てこないくらい、頭が熱い。
まるで熱が三十八度近いときみたいに、じぃんじぃんと痺れと熱が混ざり合ったような感覚が額から後頭部までをぐるりと包んでいる。
それなのに。
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舌先をちゅうと吸われたあと、彼女の色気にあてられて、次の行動に移れずにいた私を不審に思ったのか、愛羽さんはゆったりと瞼をおしあげた。
その奥から姿をみせた瞳は先程より少し潤みを帯びて、こちらを見つめる。
「ね……まだ、冷たいと思うんだけど、どうかな?」
自ら冷たいと申告してくる彼女は、つまりは、もっと温めて、と要求しているのだ。
湾曲したキスの催促に胸を鷲掴みされて、顎と首筋に添えていた指を彼女の後頭部に回す。
「もっと……温める必要がありそうですね」
嬉しそうに笑んだ瞳に再び、瞼が下ろされたのを見届けて、私はそっと顔をよせた。
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一度啄んだ唇はすぐにほころんで、自由に入ってきてもいいのだと、むしろ私の舌を催促しているように見える。
要求通り、ほころんだ上下の唇の間へと舌を這わせるものの、私のそれが歯よりも奥へ進むことはない。
唇の内側を捲るように、抉るように舌を這わせて、あくまでこれを温めているのだと、忠誠心のあるフリをする。
もちろんそんなフリは、フリだと愛羽さんに見抜かれているだろうが、それでいい。
貴女の唇を温めるフリをして、貴女を焦らしているのだと、理解して欲しくてあからさまにこうしているのだから。
「……は……ん」
もどかしそうに、唇が私の舌を捕まえようとするが、窄まる気配を察知したらすぐに舌を引き抜く。逃げられた……と彼女が唇の力を抜けば、またもどかしい位置まで舌を伸ばす。
二度ほどそれを繰り返したところで、完全に焦らすため玩ばれていると気付いたようだ。私の手に絡めている指が、ぎゅうと力んだ。
どうやら咎めているみたいだけど、その仕草が可愛い分類に属しているとは理解していないのだろう。
もどかしさを堪え切れず、訴えてくるだなんて、可愛い以外のなんでもないのに。
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彼女の唇の内側から口角へと舌を滑らせて、引き抜いた。僅かに糸を引いた光景を視界の端に捉えたのが、たまらなくエロい。
銀糸もエロいと思うが、私の唾液にまみれ、濡れて鈍く光りを反射する彼女のぷっくりとした唇もその対象だ。
そんな唇がキスを終えて、震える息を吐く様は、こちらの体温があがりそうな程の色気を帯びている。
――ずっと見てられそうなくらい……えろいな……。
すこし顎を引いた愛羽さんを見下ろしていると、脇腹あたりの浴衣を握る手が、くいと引かれ、同時に、彼女が私の肩口に額を押し付けた。
「なんで」
不安定に震える声は、甘さをふんだんに含んでいるが、それだけではない。拗ねたような、不満をぶつけるような、そんな声。
「すきにしていいって言ったのに、しないの」
ゴン、と額が肩にぶつけられた。
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