※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ ひねもす 19 ~
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赤い顔の彼女がどことなくぎこちない様子でバスルームの方へと姿を消した。
ソファからだと、トイレの壁が邪魔して、バスルーム手前の鏡前兼脱衣所は目が届かない。
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でも、そこから数歩前へ歩いていって、テレビの前から右を見れば、服を脱ぐ愛羽さんを見ることはできるはず。
だって家の脱衣所みたいに壁で仕切られてないんだもん。あるのはお風呂場と、こっちの部屋を仕切るドアだけ。
ケチケチせずにもう一枚くらいドアつけてくれたらよかったのに……。
それか、障子を2枚とかでもいいよ。鏡前兼脱衣場のそこと、こっちの部屋を仕切る何かがないと…………。
「……」
服を脱ぐ音が気になって、どうにもできない。
だからと言って、何かに集中しようと思ってテレビのリモコンを探せば、ご丁寧にテレビの横に置いてあった。
――だから今そこへ行けないんだっつーの。
黒く細長いそのリモコンを睨むけれど、どうにもならない。
しゅるしゅると何かを擦る音だけで鼻の穴が膨らみそうだ。
愛羽さんがむっすりすけべと称したのは訂正しない方がよかったのかもしれない。
私は静かに息を吐いて、両膝に肘をついて、両手に顔を埋めた。
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覗くなって言われたけど……覗きたい。
あの障子をあければ、シャワーのある場所が見えるのだ。
体を洗っているシーンとか、絶対エロいだろうに……。
ムラムラと湧き起こる覗き見欲求。
――いや……まてまて、今夜はベッドでことが始まるまでは紳士的に。あと二日もあるんだからどこかでシャワーを浴びるシーンなんて見れるはず。
落ち着け……落ち着けぇ……。
前傾姿勢で両手に顔を埋めたまま、私は溜め息を吐いた。
今更だけど……、別々にシャワー入るとか……言わなきゃよかったかも……。
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後悔してももう遅いのだが、だって、昔友達に聞いたことがあるんだもん。
ラブホで最初の風呂は別で入ったほうが、色々身支度できるぞ、と。
男も女も結局動物なんだから生きてりゃ汚れる。そんな汚い体だと自覚していても、相手が同じ風呂場に居たんじゃ必死で洗えないだろう?
だから別で入れば、気になるところをチェックしたり、剃り残しの毛とか発見できるわけよ。
毛なんてない方が綺麗なんだから、女にたっぷり身支度の時間与えりゃいいんだよ。
それがエチケットってやつ。
――とは聞いたものの。
別にこれが初めての行為な訳でもない。だから、気を遣う必要はなかったのかもしれない。けど……。
楽しみは後に取っておく派なんだ、と自分に言い聞かせて、私はL字ソファにごろりと寝転がった。
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いつの間にバスルームに入ったのか、シャワーがタイルに弾ける音が聞こえ始めた。
やれやれ、これでやっとテレビのリモコンが取りにいける。
寝転がったソファから一旦起き上がって、先程睨んだリモコンを手に、舞い戻る。
スイッチを入れるといきなり映ったのが、男女のセックス。
「ぅわっ」
しかも、結構大きい音量で、「あんあんぱんぱん」といってらっしゃる。
慌ててボリュームを下げるボタンを連打して、ふぅと溜め息をついた。
超巨大テレビにはモザイクは一応かけてあるがセックスが映し出されている。
男が女の背後から腰を打ちつけていて、カメラワークは女の表情がしっかり見えて、揺れる乳房も映る位置から。
男とやりたいとかは全く思わないんだけど、自分の身体に男性器があったらなぁと思うことはある。
女同士だと挿れられるものが指しかないし、そうなると同時に攻められるのは口と両手を使った3点だ。
そこに男性器があれば4点攻めが出来るし、まぁ長さ大きさにもよるだろうが、指でするときより奥まで突いてよがらせることは可能だろう。
愛羽さんはセックスのあと、「気持ち良かった」と言ってくれる。
それは本心だと信じているし、行為の最中乱れている姿を思い返せば、気持ち良くないことはないのだろう。
満足していないのは私なのだろうか。
確かにもっとよがらせて、もっと攻め立てたいと思っている。
だけど、自分のテクニックには限界が来ている気がして、ならないのだ。
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